物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「高専の応用物理 (第2版)」 宮本 止戈雄, 大野 秀樹, 竹内 彰継, 小暮 陽三 森北出版,「物理基礎」 高木堅志郎, 植松恒夫 啓林館,「物理」 高木堅志郎, 植松恒夫 啓林館,「セミナー物理基礎+物理」 第一学習社編集部 第一学習社
担当教員 宮内 真人,中村 裕之

到達目標

物理学の学習を通じて,自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を見につけさせる.さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識させる.
物理IIでは,
・電気および磁気の基本的な現象を説明できる。
・電気と磁気との関連を理解し、解くことができる。
・電磁気現象の基本的な部分は計算ができ、説明ができる。
・原子・分子・原子核等のミクロな世界の基礎がわかり、説明できる。
ことを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理学の理論にそって自然現象を説明できる.物理学の理論にそって自然現象を考えることができる.物理学の理論にそって自然現象を考えることができない.
評価項目2数式の物理的意味を説明できる.数式の物理的意味を知っている.数式の物理的意味を知らない.
評価項目3物理量を正しく求めることができる.物理量の求め方を知っている.物理量の求め方を知らない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
電気および磁気の基本的な現象を理解する。電気と磁気との関連も理解する。身の周りにある電気機器等に電磁気の法則がどのように応用されているかを学ばせる。原子、分子、原子核等のミクロな世界の基礎を学ばせる。
授業の進め方・方法:
高等学校の検定教科書二冊を併用し、教科書の学年順に従って講義していく。 問題集等を用いて理解を深め、計算能力も付けるようにする。 また、実験教材を多用して視覚的、直感的に電磁気的現象・ミクロな世界の物理法則が理解できるようにする。
注意点:
・授業で課せられる演習問題課題への提出が求められる.
・授業の内容はノートに書き留めておくこと.学んだことを確認するのに役立ちます.
・疑問があれば,自分で調べ,考える事.解決できなければ,クラス内で討論し理解を深めて下さい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電荷と静電気力 ・静的な電気について説明できる.
・導体と不導体の違いについて,自由電子と関連させて説明できる
・静電誘導について説明できる.
2週 電界とその性質 ・クーロンの法則について説明し,点電荷の間に働く静電気力を求めることができる.
・電界について説明できる.
・電気力線について説明できる.
3週 ガウスの法則 ・ガウスの法則を説明でき,電界の計算ができる.
4週 電位、コンデンサー ・電気力による位置エネルギーを理解し,電位を説明できる.
・電位差・複数の電荷による電位を求めることができる.
・静電遮蔽について説明できる.
・電気容量の計算ができる.
・コンデンサーに蓄えられたエネルギーの計算ができる.
・コンデンサーの接続による合成容量の計算ができる.
5週 電流と抵抗(1) ・導体中の電子の移動と電流について説明でき,電流の値を求めることができる.
6週 電流と抵抗(2) ・電気抵抗は電子の移動を妨げる,物質の抵抗率に依存することを理解し,説明できる.
7週 電流と抵抗(3) ・電気抵抗について理解し,電力とジュール熱の計算ができる.
8週 中間試験
・既習領域の問題を解くことができる.
2ndQ
9週 試験内容について解説
直流回路、ホイートストンブリッジ(1)
試験内容を理解する
・抵抗による電圧降下を説明できる.
・抵抗の直列接続・並列接続の合成抵抗を計算することができる.
・電流計・電圧計・倍率器について説明できる.
・キルヒホッフの法則を用いて直流回路の計算ができる.
10週 直流回路、ホイートストンブリッジ(2) ・ホイートストンブリッジの説明ができ,未知抵抗の計算ができる.
・直流回路においてコンデンサーを含む回路の計算ができる.
・半導体の性質について説明できる.
11週 磁気力と磁界 ・磁気力によるクーロンの法則を理解し,計算ができる.
・磁界について説明ができ,磁界の強さを求めることができる.
12週 電流が作る磁界(1)
ビオ・サバールの法則
・右ねじの法則を説明できる.
・ビオ・サバールの法則を理解し,磁界の計算ができる.
13週 電流が作る磁界(2)
アンペールの法則
・アンペールの法則を理解し,磁界の計算ができる.
14週 電流が磁界から受ける力 ・電流が磁界から受ける力を理解し,磁束密度や導線が受ける力を計算できる.
・平行電力間に働く力を計算できる.
15週 期末試験 ・既習領域の問題を解くことができる
16週 試験内容について解説
ローレンツ力
試験内容を理解する
・ローレン力を理解し,荷電粒子の運動を説明できる.
・電子の比電荷を説明でき,計算で求めることができる.
・ホール効果について説明できる.
後期
3rdQ
1週 電磁誘導(1) ・電磁誘導現象を理解し,ファラデーの電磁誘導の法則を説明できる.
・レンツの法則を理解し,コイルに発生する誘導起電力を求めることができる.
2週 電磁誘導(2) ・渦電流について説明できる.
・磁界中を運動する導体に関して,導体中の電流の強さを計算で求めることができる.
・コイルと抵抗を含む回路について,電流と電圧の時間変化を説明ができ,回路の計算ができる.
3週 電磁誘導(3) ・コイルに蓄えられるエネルギーについて説明ができ,計算ができる.
・相互誘導について説明ができ,計算ができる.
4週 交流(1) ・交流の発生について説明ができる.
・交流発電機に生じる起電力を計算できる.
・交流の周波数・角周波数,整流について説明ができる.
・交流の実効値の計算ができる.
5週 交流(2) ・交流における,抵抗・コンデンサー・コイルについて説明ができる.
・RLC直列回路の計算ができる.
・直列共振について説明ができ,共振周波数を求めることができる.
6週 電磁波 ・電磁波の性質・種類について説明ができる.
7週 電子・光子 ・電子の電荷と質量を理解し,トムソンの実験・ミリカンの実験について説明できる.
8週 中間試験 ・既習領域の問題を解くことができる.
4thQ
9週 試験内容について解説
光の粒子性(1)
試験内容を理解する
・光電効果を説明できる.
・光量子仮説を説明でき,光電子の運動エネルギを計算できる.
10週 光の粒子性(2) ・X線について説明できる.
・コンプトン効果について説明できる.
11週 粒子の波動性 ・ド・ブロイ波(物質波)について説明できる.
・波動と粒子の二重性について説明できる.
12週 原子モデル ・原子核の構造について説明できる.
・原子の発光について説明できる.
・ボーアの水素原子モデルについて説明できる.
・定常状態でのエネルギー準位について説明できる.
13週 放射線と原子核 ・原子核の構成について説明できる.
・放射線とその性質について説明できる.
・放射線の利用について説明できる.
14週 核分裂と核融合
素粒子
・核分裂について説明できる.
・半減期について説明できる.
・核融合について説明できる.
・素粒子について説明できる
・ビッグバン理論について説明できる.
15週 定期試験 ・既習領域の問題を解くことができる.
16週 試験内容について解説 試験内容を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2前1,前5,前6
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2前1,前2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2前5,前6,前9,前10
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2前5,前6,前9,前10
ジュール熱や電力を求めることができる。2前7

評価割合

試験発表相互評価態度演習・課題その他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000