材料学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 材料学
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 絵解きでわかる機械材料、オーム社、門田和雄ほか著
担当教員 種 健

到達目標

・機械材料に求められる性質を説明できる。
・基礎的な合金の状態図の見方を理解できる。
・材料選択に必要な基本事項を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械材料に求められる性質を理解し、材料試験法を説明できる。機械材料に求められる性質を説明できる。機械材料に求められる性質を説明できない。
評価項目2二元系合金の状態図の見方を理解でき、てこの原理を用いて計算できる。二元系合金の状態図の見方を理解できる。二元系合金の状態図の見方を理解できない。
評価項目3材料選択に必要な基本事項を説明でき、適切に材料を選択できる。材料選択に必要な基本事項を説明できる。材料選択に必要な基本事項を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械技術者にとって、機械部品の要求性能に応じた材料選定を行うことが重要である。そのためには、材料の性質と限界を十分に理解しておく必要がある。本講義では、主に金属材料の本質を理解するための基礎事項を解説し、既存の材料の中から適切に選択・活用できる能力を育成することを目的とする。また、材料の性質の中でも、とくに機械的性質は材料の組織と密接な関係があるため、材料組織の成り立ちについて教授し、機械的性質との関連を理解させる。
授業の進め方・方法:
教科書をベースに授業を進めるが、授業の理解を深めるために補助資料を配布する。授業内容の理解度の把握、応用力の涵養のために演習を行うとともに、知識定着のための課題の提出を求める。
注意点:
後期の内容については、前期の内容をしっかりと理解しておくことが必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械材料の機械的性質(1)
機械的性質、弾性と塑性
硬さ試験、衝撃試験
機械材料に求められる機械的性質を説明できる。
2週 機械材料の機械的性質(2)
応力とひずみ
引張試験(応力-ひずみ曲線)
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。
3週 機械材料の機械的性質(3)
曲げ試験、疲労試験
金属顕微鏡による組織観察
曲げ試験、疲労試験の方法を説明できる。
4週 機械材料の化学と金属学(1)
原子の構造、周期表
イオン結合、共有結合、金属結合
原子の構造、結合方式について説明できる。
5週 機械材料の化学と金属学(2)
結晶構造
充填率、理論密度

結晶構造を理解し、充填率および理論密度を計算できる。
6週 機械材料の化学と金属学(3)
ミラー指数
面間距離、X線回折
位置、方位、面のミラー指数を計算できる。
7週 機械材料の化学と金属学(4)
物質の状態変化
全率固溶型状態図
相律を説明できる。
全率固溶型状態図の見方を理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 機械材料の化学と金属学(5)
共晶型状態図
金属の変形、転位
共結型状態図の見方を理解できる。
格子欠陥について説明できる。
10週 炭素鋼(1)
鉄鋼ができるまで
鉄鋼材料の製造方法を説明できる。
11週 炭素鋼(2)
純鉄と炭素鋼
純鉄の性質、純鉄の磁気変態
純鉄の性質を説明できる。
炭素鋼の基礎を説明できる。
12週 炭素鋼(3)
炭素鋼の平衡状態図
鉄-炭素系平衡状態図の見方、ミクロ組織との関連が理解できる。
13週 炭素鋼(4)
炭素鋼の平衡状態図
てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。
14週 炭素鋼(5)
熱処理とは
熱処理の種類、恒温変態処理
熱処理について理解し、説明できる。
15週 期末試験
16週 期末試験についての解説
後期
3rdQ
1週 炭素鋼(7)
一般、溶接構造用圧延鋼材
高張力鋼
一般、溶接構造用圧延鋼材について説明できる。
2週 炭素鋼(8)
機械構造用炭素鋼鋼材
炭素工具鋼鋼材
機械構造用炭素鋼鋼材について説明できる。
3週 合金鋼(1)
合金鋼の種類
合金成分の役割
合金元素の役割を説明できる。
4週 合金鋼(2)
機械構造用合金鋼
工具用合金鋼、高速度工具鋼
機械構造用合金鋼について説明できる。
5週 合金鋼(3)
耐食鋼
耐食鋼について説明できる。
6週 合金鋼(4)
軸受鋼
耐熱鋼、ばね鋼
軸受鋼について説明できる。
7週 鋳鉄(1)
鋳鉄の性質
鋳鉄の組織
鋳鉄について説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 アルミニウムとその合金(1)
アルミニウムの性質
アルミニウムの製造法
アルミニウムの性質・製造法について説明できる。
10週 アルミニウムとその合金(2)
アルミニウム合金
アルミニウム合金について説明できる。
11週 その他の非鉄金属材料(1)
銅合金
チタン合金、マグネシウム合金
その他の非鉄金属材料について説明できる。
12週 非金属材料(1)
プラスチック、汎用プラスチック
エンジニアリングプラスチック
プラスチック材料について説明できる。
13週 非金属材料(2)
複合材料
複合材料について説明できる。
14週 非金属材料(3)
セラミックス
セラミックス材料について説明できる。
15週 定期試験
16週 定期試験についての解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4前1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4前2
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4前1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4前1
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4前3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4前14
金属と合金の結晶構造を説明できる。4前4,前5,前6
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4前7
合金の状態図の見方を説明できる。4前7,前9
塑性変形の起り方を説明できる。4前9
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4前2
鉄鋼の製法を説明できる。4前10
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4前11,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4前12,前13
焼きなましの目的と操作を説明できる。4前14
焼きならしの目的と操作を説明できる。4前14
焼入れの目的と操作を説明できる。4前14
焼戻しの目的と操作を説明できる。4前14

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000