熱力学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 熱力学
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 わかる熱力学(わかる工学全書) 田中宗信、田川龍文、氏家康成共著、日新出版
担当教員 小清水 孝夫

到達目標

1.熱力学第一法則および第二法則を理解し、説明できる。
2.理想気体の状態変化を理解し、状態量、熱量、仕事量を計算できる。
3.蒸気の状態を理解し、蒸気表もしくは蒸気線図を用いて、状態量を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第一法則および第二法則を完全に理解し、あらゆる応用問題を解くことができる。熱力学第一法則および第二法則を理解し、基本的な問題を解くことができる。熱力学第一法則および第二法則に関する問題を解くことができない。
評価項目2理想気体の状態変化を完全に理解し、あらゆる応用問題を解くことができる。理想気体の状態変化を理解し、基本的な問題を解くことができる。理想気体の状態変化に関する問題を解くことができない。
評価項目3蒸気の状態を完全に理解し、蒸気表もしくは蒸気線図を用いて、あらゆる応用問題を解くことができる。蒸気の状態を理解し、蒸気表もしくは蒸気線図を用いて、基本的な問題を解くことができる。蒸気の状態変化に関する問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「熱力学」は、機械工学系の学生にとっては必須で、重要な基礎科目の一つである。巨視的な立場に立って、物質の持つ熱エネルギーに関する理論を展開し、「いかにして有効に仕事に変換するか」、「仕事をいかにむだなく、熱の移動に利用するか」について深く追求している。授業では、基本的な事柄を理解した上で、熱機関における動力の発生など、機械工学上で重要な分野への応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
基本的には教科書に基づき、熱力学の基本が十分に理解できるように,スライドを利用して講義を進める。
注意点:
抽象的な事象が多く理解しにくいこともあるので、できるだけ身近な事象に当てはめながら説明を行い、理解を深めるようにする。説明をよく聞いて、現象の理解に務めること。また、受身の受講では理解が深まらないことを自覚すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 学習の目的が理解できる。
2週 熱力学に関する物理量1 温度の意味、温度計の原理を説明できる。
3週 熱力学に関する物理量2 比熱の意味を理解し、比熱を使用して熱量を計算できる。
4週 熱力学に関する物理量3 圧力の意味を理解し、ゲージ圧力および絶対圧力を説明できる。
5週 熱力学の第一法則1 熱の仕事当量、熱力学の第一法則を説明できる。
6週 熱力学の第一法則2 内部エネルギー、エンタルピーの意味を理解し、それらの変化量を計算できる。
7週 熱力学の第一法則3 可逆変化、不可逆変化の意味を理解し、可逆変化の場合の仕事量を計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却、理想気体1 理想気体の状態方程式を理解し、状態量を計算できる。
10週 理想気体2 内部エネルギー、エンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。
11週 理想気体3 定圧比熱、定容比熱、ガス定数、比熱比の関係を説明できる。
12週 理想気体4 混合気体の性質を理解し、状態量を計算できる。
13週 理想気体5 実在気体と半理想気体の特性を理解し、半理想気体の場合の熱量を計算できる。
14週 演習問題
15週 期末試験
16週 答案返却,前期分の復習
後期
3rdQ
1週 理想気体の状態変化1 等圧変化、等積変化における状態量、熱量、仕事量を計算できる。
2週 理想気体の状態変化2 等温変化における状態量、熱量、仕事量を計算できる。
3週 理想気体の状態変化3 断熱変化、ポリトロープ変化における状態量、熱量、仕事量を計算できる。
4週 演習問題
5週 蒸気1 ガスと蒸気の違いを理解し、液体と蒸気の状態変化の過程を説明できる。
6週 蒸気2 蒸気の状態量を蒸気表から読み取り、計算できる。
7週 蒸気3 蒸気線図の意味を理解し、作動流体の状態変化を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 答案返却、熱力学の第二法則1 熱の仕事当量、熱力学の第二法則を説明できる。
10週 熱力学の第二法則2 サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率および作業機関の成績係数を計算できる。カルノーサイクルの状態変化を理解し、状態量および熱効率を計算できる。
11週 熱力学の第二法則3 エントロピーの意味を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。
12週 ガスサイクル1 オットーサイクル、ディーゼルサイクルの状態変化を理解し、状態量および熱効率を計算できる。
13週 ガスサイクル2 サバテサイクル、ブレイトンサイクルの状態変化を理解し、状態量および熱効率を計算できる。
14週 ガスサイクル3 エリクソンサイクル、スターリングサイクルの状態変化を理解し、状態量および熱効率を計算できる。
15週 定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4前2,前3,前4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4前6
熱力学の第一法則を説明できる。4前5
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4前6,前7
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4前7
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4前9
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4前11
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4前10
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4後1,後2,後3
熱力学の第二法則を説明できる。4後9
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4後10
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4後10
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4後11
サイクルをT-s線図で表現できる。4後10

評価割合

試験発表課題・演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60040000100
基礎的能力0000000
専門的能力60040000100
分野横断的能力0000000