科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 歴史
科目番号 0024 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『明解 世界史A』(帝国書院、2016年)、『プロムナード世界史』(浜島書店、2021年)。
担当教員 大熊 智之

到達目標

1.近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。
2.帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。
3.第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。
4.19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要をおおむね理解している。近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程についての理解が十分でない。
評価項目2帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要についておおむね理解している。帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向についての理解が十分でない。
評価項目319世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、おおむね理解している。19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係についての理解が十分でない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
皆さんはこれからさまざまな形で社会とかかわっていくことでしょう。その際には、自分自身が歴史のなかに生きているという感覚を持っていることが大切です。
歴史を学ぶことで、現代社会が、そして自分自身の行動や考えが、いかに歴史的な条件に規定されているかを実感してもらえたらと思います。同時に、過去の人びとが、その人の生きた時代的な条件とどのように向き合い、それと格闘してきたのかを、その経験に寄り添いながら学んでほしいと思います。
そうすることで、自分自身の日々の営みが社会を変え、歴史を作りうるという感覚を持ち、主体的に社会に参画することができると思うからです。
この講義を通して、ぜひそのような感覚を身につけ、現代社会のかかえる条件に気づき、よりよい未来について考える力を養ってほしいと思います。
授業の進め方・方法:
・教科書・ノート・図説を毎回準備すること。
・本講義と関連する時事の話題を適宜紹介する。
注意点:
・ノートには板書されたことだけでなく、それ以外の講義内容を聴き取ってできるだけメモすること。
・必要に応じてプリントを配布するのでなくさないようにすること。
・現代の日本や世界の動きに対して常に関心を持って授業に参加してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
2週 歴史を学ぶ意味――なぜ工業高専で歴史を学ぶのか? 歴史を学ぶことで何ができるようになるか説明することができる。
3週 ヨーロッパにおけるまちとくにの発達 中世ヨーロッパ社会の特徴について説明することができる。
4週 ヨーロッパで花開く個性と自由(1) ルネサンスが起こった背景と、それがどのような運動だったかを説明できる。
5週 ヨーロッパで花開く個性と自由(2) 宗教改革の起こった経緯と、その基本的な考え方について説明できる。
ルネサンスと宗教改革の共通点と相違点について説明することができる。
6週 大航海時代のはじまり 大航海時代が起こった背景と、それによりヨーロッパや南北アメリカの人びとの生活がどのように変わったのか説明できる。
7週 アジア・アメリカに進出するヨーロッパ ヨーロッパ諸国がアジア・アメリカに進出する経緯について説明することができる。
15世紀~18世紀のヨーロッパ人による世界進出が、現代の私たちに何をもたらしているか考えることができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 ヨーロッパの新しい国際関係(1) 主権国家体制が成立する経緯について説明することができる。
10週 ヨーロッパの新しい国際関係(2) 中世ヨーロッパの権力構造と主権国家の権力構造の相違点を説明することができる。
主権国家と主権国家体制の仕組みが現代の私たちに何をもたらしているか考えることができる。
11週 イギリスの革命とフランス絶対王政(1) イギリスが絶対王政から立憲君主政に至るまでの経緯を説明することができる。
立憲政治が成立したことが、現代の私たちに何をもたらしているかを考えることができる。
12週 イギリスの革命とフランス絶対王政(2) フランス絶対王政の特徴を説明することができる。
社会契約論の考え方と、それが現代の私たちに何をもたらしているかを考えることができる。
13週 科学革命と啓蒙主義 科学革命によって科学の方法がどう変わったかと、啓蒙主義の考え方について説明できる。
科学革命による変化が現代の私たちに何をもたらしているかを考えることができる。
14週 イギリスから独立するアメリカ アメリカがイギリスから独立する経緯と、アメリカ合衆国憲法の特徴を説明できる。
15週 ヨーロッパ近代化の出発点 フランス革命 フランス革命が起こった経緯と、フランス革命によって人びとの暮らしがどのように変わったのかを説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 産業革命の開始 / 資本主義の発展と社会主義運動の発生 産業革命が起こった経緯について説明することができる。
資本主義社会の仕組みと、社会主義の考え方について説明することができる。
2週 自由主義・ナショナリズムの進展(1) 1848年の革命を節目とした、ヨーロッパの政治・経済・社会の変化を説明できる。
ナショナリズムとはどのような考え方で、それが現代の私たちに何をもたらしているかを考えることができる。
3週 自由主義・ナショナリズムの進展(2) アメリカ合衆国で南北戦争が起こった経緯を説明できる。
戦後のアメリカ合衆国の発展と後世に残された問題について考えることができる。
4週 アジア諸国の動揺(1) 東インド会社によるインド支配圏拡大の経緯を説明できる。
インド大反乱が起こった経緯を説明できる。
5週 アジア諸国の動揺(2) 東南アジアが植民地化された状況を、地域ごとに説明できる。
東南アジアが植民地される中で起こった経済・社会構造の変化が、現代の私たちに何をもたらしているかを考えることができる。
6週 東アジアの大変動(1) アヘン戦争が起こった経緯とその結果について説明できる。
明治維新による社会の変化が現代の私たちに何をもたらしているかを考えることができる。
7週 東アジアの大変動(2) 日清戦争・日露戦争によって東アジア各国でどのような変化が起こったか説明できる。
辛亥革命が起こった経緯を説明することができる。
この時代の東アジアの大変動が、現代の私たちに何をもたらしているかを考えることができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 現在につながる社会の形成 大衆社会が出現した経緯について説明できる。
帝国主義とは何かについて説明できる。
10週 第一次世界大戦がもたらしたもの 第一次世界大戦が起こった経緯とその戦争の特色について説明できる。
ロシア革命が起こった経緯について説明することができる。
11週 ”民族自決”を求めて 三・一独立運動と五・四運動が起こった経緯について説明できる。
12週 経済危機から第二次世界大戦へ ファシズムが台頭した経緯について説明できる。
大衆社会の出現は現代の私たちに何をもたらしているかを考えることができる。
13週 冷たい戦争の時代 第二次世界大戦後の世界について調査し、そこで生じた諸問題について考察することができる。
14週 冷戦終結への道のり 第二次世界大戦後の世界について調査し、そこで生じた諸問題について考察することができる。
15週 全体のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3

評価割合

試験小テスト等演習・レポート合計
総合評価割合401050100
基礎的能力401050100
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