化学BⅠ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学BⅠ
科目番号 0044 科目区分 一般 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「改訂化学」高等学校理科用文部科学省検定済教科書2東書化学308、竹内敬人他著、東京書籍, 「ダイナミックワイド図説化学」、竹内敬人編著、東京書籍, 「セミナー化学基礎+ 化学」、第一学習社編集部著、第一学習社
担当教員 牧野 伸一,大川原 徹

到達目標

1. 気体の状態方程式を説明でき、それを使った計算ができる。
2. 化学平衡及び平衡移動の原理を説明できる。
3. 実験の結果や考察をレポートにまとめて報告できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体の状態方程式を説明でき、それを使った計算ができる。気体の状態方程式を説明できる。気体の状態方程式を説明できず、それを使った計算ができない。
評価項目2化学平衡及び平衡移動の原理を説明でき、その応用の計算ができる。化学平衡及び平衡移動の原理を説明できる。化学平衡及び平衡移動の原理を説明できない。
評価項目3実験の結果や考察を論理的にレポートにまとめて報告できる。実験の結果や考察をレポートにまとめて報告できる。実験の結果や考察をレポートにまとめて報告できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1 年次の化学で学んだ知識を基礎にして、より複雑な化学現象及び身の回りに多数存在する物質の性質を理解することを主な目的とする。
授業の進め方・方法:
1 年次からの継続科目であるので連続性を重視しながら、2 年次前半では物質の状態や反応速度論、代表的な無機物質について学習する。多くの実験を組み入れて座学での理解向上の一助とする。ほぼ教科書に沿って授業を進めるが、教科書の記述内容を授業時間内には完全にカバーしきれないので、課題などでの自学自習を促す。
注意点:
新しい概念や法則等の理解が必要となるので、常日頃からの予習、復習は必須である。特に、1年次に履修した化学反応式や物質量の取り扱いに慣れておく必要がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物質の状態 物質の三態と状態図を説明することができる。蒸気圧を説明できる。
2週 気体の性質 気体の体積、圧力、温度の関係を説明できる。気体の状態方程式を用いた計算をすることができる。
3週 溶液の性質 溶解度、再結晶、濃度の計算をすることができる。沸点上昇、凝固点降下の現象を説明できる。
4週 固体の構造 代表的な結晶構造を説明することができる。
5週 化学反応と熱・光 反応と熱の定量的な関係を説明することができる。
6週 電池と電気分解 電極での反応を説明できる。
7週 演習 前半の内容に関わる問題を解くことができる。
8週 中間試験 前期前半の内容の理解を問う試験で、問題の意味を理解し、大部分を正答することができる。
2ndQ
9週 化学反応の速さ 化学反応の速度と触媒、活性化エネルギーの関係を説明できる。
10週 化学平衡(1) 化学平衡の法則(質量作用の法則)を説明できる。平衡定数を用いて、平衡状態での物質の存在量を計算できる。
11週 化学平衡(2) ルシャトリエの原理の考え方で、平衡の移動を説明できる。電離平衡の考え方により、弱酸や弱塩基のpHを説明できる。
12週 無機物質(1) 代表的な無機物質について、周期表との関係で性質を説明できる。
13週 無機物質(2) 金属イオンの分別沈殿による分離法を説明できる。
14週 無機物質(3) 代表的な無機物質について、周期表との関係で性質を説明できる。
15週 復習と総まとめ 後半の内容に関わる問題を解くことができる。
16週 定期試験 後半の内容の理解を問う試験で、問題の意味を理解し、大部分を正答することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前1
水の状態変化が説明できる。3前1
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前1
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前2
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前2
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前11
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前11
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前13,前14
酸化還元反応について説明できる。3前6
イオン化傾向について説明できる。3前6
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3前6
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3前6
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3前6
一次電池の種類を説明できる。3前6
二次電池の種類を説明できる。3前6
電気分解反応を説明できる。3前6
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前6
ファラデーの法則による計算ができる。3前6
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前6
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前6
測定と測定値の取り扱いができる。3前6
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前6
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前6
ガラス器具の取り扱いができる。3前6,前13
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前6,前13
試薬の調製ができる。3前6
代表的な気体発生の実験ができる。3前6
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3前13
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2前6,前13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2前6,前13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2前6,前13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2前6,前13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2前6,前13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2前6,前13
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2前6,前13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2前6,前13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2前6,前13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2前6,前13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2前6,前13
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3前11
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。2前11
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。2前11
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。2前2
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。2前2
混合気体の分圧の計算ができる。2前2
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。2前1
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。2前3
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。2前3
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。2前10
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。2前11
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。2前9
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。2前6

評価割合

試験小テスト等演習・レポート合計
総合評価割合52840100
基礎的能力52840100
専門的能力0000
分野横断的能力0000