材料学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料学Ⅰ
科目番号 0076 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 絵解きでわかる機械材料、オーム社、門田和雄ほか著
担当教員 種 健

到達目標

・機械材料に求められる性質を説明できる。
・基礎的な合金の状態図の見方を理解できる。
・鉄鋼の製法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械材料に求められる性質を理解し、材料試験法を説明できる。機械材料に求められる性質を説明できる。機械材料に求められる性質を説明できない。
評価項目2二元系合金の状態図の見方を理解でき、てこの原理を用いて計算できる。二元系合金の状態図の見方を理解できる。二元系合金の状態図の見方を理解できない。
評価項目3鉄鋼の製法を十分に理解し、説明できることができる。鉄鋼の製法を理解できる。鉄鋼の製法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
JABEE SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
JABEE SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
機械技術者にとって、機械部品の要求性能に応じた材料選定を行うことが重要である。そのためには、材料の性質と限界を十分に理解しておく必要がある。本講義では、主に金属材料の本質を理解するための基礎事項を解説し、既存の材料の中から適切に選択・活用できる能力を育成することを目的とする。また、材料の性質の中でも、とくに機械的性質は材料の組織と密接な関係があるため、材料組織の成り立ちについて教授し、機械的性質との関連を理解させる。
授業の進め方・方法:
教科書をベースに授業を進めるが、授業の理解を深めるために補助資料を配布する。授業内容の理解度の把握、応用力の涵養のために演習を行うとともに、知識定着のための課題の提出を求める。
注意点:
材料学IIでは、本科目の内容をしっかりと理解しておくことが必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械材料の機械的性質(1)
機械的性質、弾性と塑性
硬さ試験、衝撃試験
機械材料に求められる機械的性質を説明できる。
2週 機械材料の機械的性質(2)
曲げ試験、疲労試験、クリープ試験
機械的性質と温度の関係
曲げ試験、疲労試験、クリープ試験の方法、機械的性質と温度の関係を説明できる。
3週 機械材料の機械的性質(3)
金属顕微鏡による組織観察
その他の検査方法
金属顕微鏡による組織観察の方法、その他の検査方法を説明できる。
4週 機械材料の化学と金属学(1)
原子の構造、周期表
原子の構造、周期表について説明できる。
5週 機械材料の化学と金属学(2)
イオン結合と共有結合
金属結合、結晶構造
結合方式、結晶構造について説明できる。
6週 機械材料の化学と金属学(3)
充填率、理論密度
ミラー指数
立方晶の充填率および理論密度を計算できる。
位置、方位、面のミラー指数を計算できる。
7週 機械材料の化学と金属学(4)
面間距離、X線回折
立方晶について面間距離を計算することができ、X線回折に応用できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 機械材料の化学と金属学(5)
物質の状態変化、相律
相律を説明でき、自由度を計算できる。
溶液および固溶体について説明できる。
10週 機械材料の化学と金属学(6)
全率固溶型状態図
全率固溶型状態図の見方を理解できる。
11週 機械材料の化学と金属学(7)
共晶型状態図
金属の格子欠陥、変形
共結型状態図の見方を理解できる。
金属の格子欠陥、変形について説明できる。
12週 炭素鋼(1)
鉄鋼ができるまで
鉄鋼材料の製造方法を説明できる。
13週 炭素鋼(2)
純鉄と炭素鋼
純鉄の性質、純鉄の磁気変態
純鉄の性質を説明できる。
炭素鋼の基礎を説明できる。
14週 炭素鋼(3)
炭素鋼の平衡状態図
鉄-炭素系平衡状態図の見方、ミクロ組織との関連が理解できる。
15週 炭素鋼(3)
炭素鋼の平衡状態図【復習】
てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4前1
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4前1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4前1
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4前2
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4前2
金属と合金の結晶構造を説明できる。4前4,前5,前6,前7
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4前9
合金の状態図の見方を説明できる。4前10,前11
塑性変形の起り方を説明できる。4前11
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4前11
鉄鋼の製法を説明できる。4前12
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4前13
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4前14,前15

評価割合

試験小テスト等演習・レポート発表相互評価合計
総合評価割合7003000100
基礎的能力000000
専門的能力7003000100
分野横断的能力000000