水力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 水力学Ⅰ
科目番号 0121 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「演習 流体工学(基礎数学完全マスター)」、西原一嘉、横谷眞一郎、井口 學 著、電気書院
担当教員 島本 憲夫

到達目標

1.流体の物理量、静止流体の特性(圧力、浮力、パスカルの法則)を説明でき、物理量を計算できる。
2.運動する流体について質量保存則(連続の式)、ベルヌーイの定理を説明でき、流体の物理量を計算できる。
3.流体の運動量の法則を説明でき、流体が物体に作用する力を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の物理量、静止流体の特性を説明でき、複合した応用問題を解くことができる。流体の物理量、静止流体の特性を説明でき、基本問題を解くことができる。流体の物理量、静止流体の特性についての基本問題を解けない。
評価項目2運動する流体について質量保存則(連続の式)、ベルヌーイの定理を説明でき、複合した応用問題を解くことができる。運動する流体について質量保存則(連続の式)、ベルヌーイの定理を説明でき、基本問題を解くことができる。運動する流体について質量保存則(連続の式)、ベルヌーイの定理についての基本問題が解けない。
評価項目3流体の運動量の法則を説明でき、流体が物体に作用する力を計算することができる。流体の運動量の法則を説明でき、流体が物体に作用する力を説明できる。流体の運動量の法則を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
JABEE SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
JABEE SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
本授業では、静止および運動している流体についての速度、力、エネルギーなどの物理量の関係を力学的な観点から学習することを目的とする。水力学は、経験的な知識や実験で得られた結果から流体現象を合理的に扱うように体系づけられた学問であり、機械工学における基礎科目の一つである。また5学年科目である流体力学へつながる導入部分の位置づけであり、水力学での学習事項を確実に習得させる。
授業の進め方・方法:
使用する教科書では、重要な定義や概念、法則、定理などが簡潔にしめされており、例題が多く取り入れられている。これら例題に加えて演習問題を追加する形で、流体の物理量の具体的な計算が習得できるように進めていく。
注意点:
流体では様々な単位が使用される。単位を意識して、流体現象の理解と物理量の計算に取り組んでもらいたい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
流体の基礎と物理量
学習の目的と学習のスケジュールを理解し、説明できる。
単位系と流体に関する物理量(密度、比重量、比重)が説明でき、計算ができる。
2週 流体のせん断応力(ニュートンの粘性法則) ニュートンの粘性法則が説明でき、せん断応力が計算ができる。
3週 静止流体:圧力 静止流体での圧力の性質を説明できる。液柱による圧力計算ができる。
4週 静止流体:マノメータ マノメータの原理を理解し、圧力を求める問題を解くことができる。
5週 静止流体:パスカルの原理、浮力、表面張力 パスカルの原理を理解し、計算ができる。アルキメデスの原理による浮力の原理を理解し、計算できる。表面張力の計算ができる。
6週 静止流体:壁に作用する力 水中内の壁に作用する流体力の計算ができる。
7週 学習内容の復習 第1週から第6週までの学習内容について、演習問題により復習する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 運動流体の基礎 運動流体について、静止流体との違いを説明できる。
10週 運動流体:連続の式、ベルヌーイの定理 連続の式の意味を説明でき、物理量の計算ができる。ベルヌーイの定理の意味を説明でき、物理量の計算ができる。
11週 運動流体:連続の式、ベルヌーイの定理の応用 連続の式、ベルヌーイの式を連立した問題を解くことができる。
12週 運動流体:運動量の法則 流体が物体に対して及ぼす力を運動量の法則を用いて説明できる。
13週 運動流体:運動量の法則の応用 運動量の法則を用いて、流体が物体に対して及ぼす力を計算することができる。
14週 運動流体:連続の式、ベルヌーイの定理、運動量の法則の応用 連続の式、ベルヌーイの定理、運動量の法則を連立した問題を解くことができる。
15週 学習内容の復習 第9週から第14週までの学習内容について、演習問題により復習する。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4前1
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4前1
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3前2
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4前3
パスカルの原理を説明できる。4前5
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4前4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4前6
物体に作用する浮力を計算できる。4前5
定常流と非定常流の違いを説明できる。3前9
流線と流管の定義を説明できる。3前9
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前10,前11
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前10,前11
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前12,前13

評価割合

試験課題・演習合計
総合評価割合8020000100
基礎的能力000000
専門的能力8020000100
分野横断的能力000000