熱力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 熱力学Ⅰ
科目番号 0125 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 わかる熱力学(わかる工学全書) 田中宗信、田川龍文、氏家康成共著、日新出版
担当教員 小清水 孝夫

到達目標

1.熱力学で用いられる各種物理量の意味を理解し、説明できる。
2.熱の仕事当量および熱力学第一法則を理解し、説明できる。
3.閉じた系と開いた系について理解し、熱、仕事、内部エネルギーおよびエンタルピーを計算できる。
4.定圧比熱、定容比熱、ガス定数および比熱比の意味を理解し、その関係を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学で用いられる各種物理量の意味を完全に理解し、あらゆる応用問題を解くことができる。熱力学で用いられる各種物理量の意味を理解し、基本的な問題を解くことができる。熱力学で用いられる各種物理量に関する問題を解くことができない。
評価項目2熱の仕事当量および熱力学第一法則を完全に理解し、あらゆる応用問題を解くことができる。熱の仕事当量および熱力学第一法則を理解し、基本的な問題を解くことができる。熱の仕事当量および熱力学第一法則に関する問題を解くことができない。
評価項目3閉じた系と開いた系において、熱、仕事、内部エネルギーおよびエンタルピーを完全に理解し、あらゆる応用問題を解くことができる。閉じた系と開いた系において、熱、仕事、内部エネルギーおよびエンタルピーを理解し、基本的な問題を解くことができる。閉じた系と開いた系において、熱、仕事、内部エネルギーおよびエンタルピーに関する問題を解くことができない。
評価項目4定圧比熱、定容比熱、ガス定数および比熱比の意味を完全に理解し、あらゆる応用問題を解くことができる。定圧比熱、定容比熱、ガス定数および比熱比の意味を理解し、基本的な問題を解くことができる。定圧比熱、定容比熱、ガス定数および比熱比に関する問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
JABEE SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
JABEE SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
「熱力学」は、機械工学系の学生にとっては必須で、重要な基礎科目の一つである。巨視的な立場に立って、物質の持つ熱エネルギーに関する理論を展開し、「いかにして有効に仕事に変換するか」、「仕事をいかにむだなく、熱の移動に利用するか」について深く追求している。授業では、基本的な事柄を理解した上で、熱機関における動力の発生など、機械工学上で重要な分野への応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
基本的には教科書に基づき、熱力学の基本が十分に理解できるように,スライドを利用して講義を進める。
注意点:
抽象的な事象が多く理解しにくいこともあるので、できるだけ身近な事象に当てはめながら説明を行い、理解を深めるようにする。説明をよく聞いて、現象の理解に務めること。また、受身の受講では理解が深まらないことを自覚すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 学習の目的が理解できる。
2週 熱力学に関する物理量1 温度の意味、温度計の原理を説明できる。
3週 熱力学に関する物理量2 比熱の意味を理解し、比熱を使用して熱量を計算できる。
4週 熱力学に関する物理量3 圧力の意味を理解し、ゲージ圧力および絶対圧力を説明できる。
5週 熱力学の第一法則1 熱の仕事当量、熱力学の第一法則を説明できる。
6週 熱力学の第一法則2 内部エネルギー、エンタルピーの意味を理解し、それらの変化量を計算できる。
7週 熱力学の第一法則3 可逆変化、不可逆変化の意味を理解し、可逆変化の場合の仕事量を計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 理想気体1 理想気体の状態方程式を理解し、状態量を計算できる。
10週 理想気体2 内部エネルギー、エンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。
11週 理想気体3 定圧比熱、定容比熱、ガス定数、比熱比の関係を説明できる。
12週 理想気体4 混合気体の性質を理解し、状態量を計算できる。
13週 理想気体5 実在気体と半理想気体の特性を理解し、半理想気体の場合の熱量を計算できる。
14週 理想気体に関する復習
15週 理想気体に関する演習問題
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4前2,前3,前4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4前6
熱力学の第一法則を説明できる。4前5
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4前6,前7
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4前7
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4前9,前14,前15
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4前11,前14,前15
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4前10,前14,前15

評価割合

試験発表課題・演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60040000100
基礎的能力0000000
専門的能力60040000100
分野横断的能力0000000