熱力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 熱力学Ⅱ
科目番号 0126 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 わかる熱力学(わかる工学全書) 田中宗信、田川龍文、氏家康成共著、日新出版
担当教員 小清水 孝夫

到達目標

1.理想気体の状態変化を理解し、状態量、熱量、仕事量を計算できる。
2.蒸気の状態を理解し、蒸気表もしくは蒸気線図を用いて、状態量を計算できる。
3.第二法則を理解し、説明できる。
4.あらゆるサイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率および作業機関の成績係数を計算できる。
5.エントロピーの意味を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1理想気体の状態変化を完全に理解し、あらゆる応用問題を解くことができる。理想気体の状態変化を理解し、基本的な問題を解くことができる。理想気体の状態変化に関する問題を解くことができない。
評価項目2蒸気の状態を完全に理解し、蒸気表もしくは蒸気線図を用いて、あらゆる応用問題を解くことができる。蒸気の状態を理解し、蒸気表もしくは蒸気線図を用いて、基本的な問題を解くことができる。蒸気の状態変化に関する問題を解くことができない。
評価項目3第二法則を完全に理解し、あらゆる応用問題を解くことができる。第二法則を理解し、基本的な問題を解くことができる。第二法則に関する問題を解くことができない。
評価項目4あらゆるサイクルの意味を完全に理解し、熱機関の熱効率および作業機関の成績係数に関する応用計算を解くことができる。サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率および作業機関の成績係数に関する基本的な問題を解くことができる。サイクルの意味が理解できず、熱機関の熱効率および作業機関の成績係数に関する問題を解くことができない。
評価項目5可逆変化および不可逆変化におけるエントロピー変化を完全に理解し,エントロピーに関するあらゆる応用問題を解くことができる。可逆変化および不可逆変化におけるエントロピー変化を理解し,エントロピーに関する基本的な問題を解くことができる。可逆変化および不可逆変化におけるエントロピー変化が理解できず,エントロピーに関する問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
JABEE SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
JABEE SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
「熱力学」は、機械工学系の学生にとっては必須で、重要な基礎科目の一つである。巨視的な立場に立って、物質の持つ熱エネルギーに関する理論を展開し、「いかにして有効に仕事に変換するか」、「仕事をいかにむだなく、熱の移動に利用するか」について深く追求している。授業では、基本的な事柄を理解した上で、熱機関における動力の発生など、機械工学上で重要な分野への応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
基本的には教科書に基づき、熱力学の基本が十分に理解できるように,スライドを利用して講義を進める。
注意点:
抽象的な事象が多く理解しにくいこともあるので、できるだけ身近な事象に当てはめながら説明を行い、理解を深めるようにする。説明をよく聞いて、現象の理解に務めること。また、受身の受講では理解が深まらないことを自覚すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 理想気体の状態変化1 等圧変化、等積変化における状態量、熱量、仕事量を計算できる。
2週 理想気体の状態変化2 等温変化における状態量、熱量、仕事量を計算できる。
3週 理想気体の状態変化3 断熱変化、ポリトロープ変化における状態量、熱量、仕事量を計算できる。
4週 理想気体の状態変化に関する演習問題
5週 蒸気1 ガスと蒸気の違いを理解し、液体と蒸気の状態変化の過程を説明できる。
6週 蒸気2 蒸気の状態量を蒸気表から読み取り、計算できる。
7週 蒸気3 蒸気線図の意味を理解し、作動流体の状態変化を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 熱力学の第二法則1 熱力学の第二法則を説明できる。
10週 熱力学の第二法則2 サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率および作業機関の成績係数を計算できる。カルノーサイクルの状態変化を理解し、状態量および熱効率を計算できる。
11週 熱力学の第二法則3 エントロピーの意味を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。
12週 ガスサイクル1 オットーサイクル、ディーゼルサイクルの状態変化を理解し、状態量および熱効率を計算できる。
13週 ガスサイクル2 サバテサイクル、ブレイトンサイクルの状態変化を理解し、状態量および熱効率を計算できる。
14週 ガスサイクル3 エリクソンサイクル、スターリングサイクルの状態変化を理解し、状態量および熱効率を計算できる。
15週 熱力学第二法則およびガスサイクルに関する復習
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4後1,後2,後3,後4
熱力学の第二法則を説明できる。4後9,後15
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4後10,後12,後13,後14,後15
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4後10
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4後11
サイクルをT-s線図で表現できる。4後10,後15

評価割合

試験発表課題・演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60040000100
基礎的能力0000000
専門的能力60040000100
分野横断的能力0000000