流体力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 流体力学Ⅱ
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「流体力学(第2版)」、杉山 弘、遠藤 剛、新井隆景 著、森北出版
担当教員 島本 憲夫

到達目標

1.流体の運動方程式を記述でき、諸条件により簡略化して解を求めることができる。
2.境界層について説明でき、境界層の諸量(排除厚さ、運動量厚さなど)の物理的な意味が説明でき計算ができる。
3.圧縮性流体の特徴が説明でき、流体の物理量が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の運動方程式を記述でき、諸条件により簡略化して解を求めることができる。流体の運動方程式を記述でき、簡略化された方程式の解を求めることができる。流体の運動方程式を記述できない。
評価項目2境界層について説明でき、境界層の諸量(排除厚さ、運動量厚さなど)の物理的な意味が説明でき計算ができる。境界層について説明でき、境界層の諸量(排除厚さ、運動量厚さなど)の計算ができる。境界層についての説明ができない。
評価項目3圧縮性流体の特徴が説明でき、流体の物理量を求める応用問題の計算ができる。圧縮性流体の特徴が説明でき、流体の物理量を求める基本問題の計算ができる。圧縮性流体の物理量を求める計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
JABEE SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
JABEE SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
JABEE SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
本授業では、流体力学が数学的に解析される学問であることを理解させることを目的とする。水や空気などの流体は日常生活や工学の広範囲の分野において重要である。流体力学は、非粘性と粘性、非圧縮性と圧縮性の特徴で分類され、これらの特性に応じた流体の力学を学習する。授業では、第4学年で習得した水力学の知識を基礎として、基礎式の導出過程および式の持つ物理的な意味について考えていく。
授業の進め方・方法:
数学的な取り扱いが多い学問であるため、数学の基礎知識を確認しながら授業を進めていく。基礎方程式が示す物理的な意味を理解できるよう、可能な限り平易な事例で説明する。
注意点:
偏微分とテイラー展開を復習しておいてほしい。授業で行う式展開を各人でも行えるように復習に取り組んでもらいたい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
粘性流体の流れ:流体力学の基礎方程式(連続の式、ナビエストークス方程式)
学習の目的と学習のスケジュールを理解し、説明できる。
流体に作用する力をナビエストークス方程式の各項で説明できる。流体の質量保存則を連続の式で説明できる。
2週 粘性流体の流れ:ナビエストークス方程式の無次元化、ベルヌーイの式の導出 ナビエストークス方程式の無次元化式を導出できる。ナビエストークス方程式からベルヌーイの式の導出を説明できる。
3週 粘性流体の流れ:ナビエストークス方程式の厳密解による解析例 解析可能な例題についてナビエストークス方程式を簡略化し厳密解を求めることができる。
4週 粘性流体の流れ:境界層流れ(境界層方程式、排除厚さ、運動量厚さ) 境界層方程式の導出について説明できる。境界層の排除厚さ、運動量厚さを計算できる。
5週 粘性流体の流れ:流れに平行な平板まわりの境界層 流れに平行な平板まわりの境界層(層流・乱流、速度分布)について説明できる。
6週 粘性流体の流れ:噴流、後流 噴流および後流について説明できる。
7週 学習内容の復習 第1週から第6週までの学習内容について、演習問題により復習する。
8週 中間試験
4thQ
9週 圧縮性流体の基礎 非圧縮性流体と圧縮性流体の違いを説明できる。
10週 圧縮性流体:音速、マッハ数、亜音速・超音速 音速を計算できる。マッハ数の意味を説明でき、計算できる。亜音速・超音速を説明できる。
11週 圧縮性流体:一次元圧縮性流れの基礎方程式(連続の式、運動方程式、運動量式、エネルギー式) 一次元圧縮性流れの基礎方程式(連続の式、運動方程式、運動量式、エネルギー式)の導出の仕方を説明できる。
12週 圧縮性流体:一次元等エントロピー流れ 一次元等エントロピー流れについてマッハ数との関係を説明できる。関係式を用いて物理量の計算ができる。
13週 圧縮性流体:ラバルノズル ラバルノズルを図示でき、超音速に加速できる理由を説明できる。ノズル内のマッハ数、圧力、温度の変化を説明できる。
14週 圧縮性流体:衝撃波 衝撃波について説明できる。関係式を用いて、衝撃波前後での物理量を計算できる。
15週 学習内容の復習 第9週から第14週までの学習内容について、演習問題により復習する。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体層流と乱流の違いを説明できる。4後5
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4後5
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4後5

評価割合

試験課題・演習合計
総合評価割合8020000100
基礎的能力000000
専門的能力8020000100
分野横断的能力000000