材料力学演習

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料力学演習
科目番号 0140 科目区分 専門 / 選択
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「基礎から学ぶ材料力学」、台丸谷 政志, 小林 秀敏著、森北出版 ならびに 「配付資料」
担当教員 内田 武

到達目標

1. 初級材料力学での応力と変形を理解し、静定問題ならびに不静定問題に適用の上、回答と解説ができる。 B①②
2. 特殊なはりの曲げ問題の解法を理解し、説明できる。 B①②
3. 高度で少し複雑な材料力学に関する内容を理解し、現実問題解決のために導出式を利用することができる。 B①②

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1初級材料力学での静定・不静定問題を解き、解説できる。初級材料力学での静定・不静定問題を解くことができる。初級材料力学での静定・不静定問題を解くことができない。
評価項目2特殊はり問題の解法を理解し、説明できる。特殊はり問題の解法を理解できる。特殊はり問題の解法を理解できない。
評価項目3複雑な材料力学問題の解法を理解し、導出式を利用できる。複雑な材料力学問題の解法を理解できる。複雑な材料力学問題の解法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
 3 年次と 4 年次で学んだ「モノづくり」には欠かせない重要科目の一つである材料力学 (初級材料力学) の基礎知識の上に、高度で複雑な専門内容を学習し、実践的な問題解決能力の修得を目的とする。前半では多くの初級材料力学問題を学生自身が回答・解説することで知識の定着を図り、後半では初級材料力学では触れなかった特殊なはり問題ならびに複雑な材料力学問題を通して基礎知識の活用方法を学習する。
授業の進め方・方法:
 授業では、4 年次に使用した教科書ならびに配付資料を利用する。特に、前半では初級材料力学で学習済みの内容を少しだけ発展させた、部材に作用する「応力」と部材の「変形」に関わる演習問題について、学生自身が回答・解説を行う。
注意点:
 受身の受講では、全く理解が深まらないことを自覚しておいてほしい。授業内容に沿った多くの演習問題や課題 (宿題) を用意する予定である。不定期に提出を求めるので、授業用とは別に課題用ノートを準備してほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、これまでの学習内容の確認・解説、
学生解説問題の配付(予定)
2週 総復習1 引張・圧縮・せん断に関する静定・不静定問題 引張・圧縮・せん断に関する静定・不静定問題を内容理解・回答し、解説できる。
3週 総復習2 ねじり・曲げに関する静定・不静定問題 ねじり・曲げに関する静定・不静定問題を内容理解・回答し、解説できる。
4週 総復習3 引張・圧縮・ねじり・曲げによる弾性ひずみエネルギー 引張・圧縮・ねじり・曲げによる弾性ひずみエネルギー問題を解き、解説できる。
5週 総復習4 カスティリアノの定理の静定・不静定問題への適用 カスティリアノの定理を静定・不静定問題に適用・回答し、解説できる。
6週 総復習5 平面応力状態での傾斜面の応力、モールの応力円(主応力など) 平面応力状態での傾斜面応力の計算・モール円の描画を行い、解説できる。
7週 平面応力状態でのフックの法則、薄肉円筒と薄肉球殻 平面応力状態でのフックの法則を解説できる。
薄肉円筒で発生する3方向応力を理解し、計算できる。
8週 後学期中間試験
4thQ
9週 後学期中間試験の返却・解答・解説、今後の授業ガイダンス
組合せ応力1 組合せ応力での主応力・主せん断応力、モールの応力円
曲げとねじりが同時に作用する部材の最大応力計算・モール円描画し、解説できる。
10週 組合せ応力2 組合せ応力での主応力・主せん断応力、モールの応力円 曲げとねじりが同時に作用する部材の最大応力計算・モール円描画し、解説できる。
11週 特殊はり1 平等強さのはり1(高さ一定、幅一定) 平等強さのはりの製作手法・具体利用を理解し、計算できる。
12週 特殊はり2 平等強さのはり2(高さ一定、幅一定) 平等強さのはりの製作手法・具体利用を理解し、計算できる。
13週 特殊はり3 重ね板ばね 重ね板ばねの製作方法を理解できる。
14週 特殊はり4 組合せはり(例えば、木材+鋼板、鉄筋コンクリート) 異種材料を組合せたはりの製作方法を理解できる。
15週 応力集中とは、応力集中係数、切欠きとき裂、
各種切欠きを持つ部材の応力集中現象、応力集中の軽減法
応力集中の現象、切欠きとき裂の定義などを理解し、説明できる。
各種切欠き部材の応力集中現象、応力集中現象の軽減法を理解できる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4後1
応力とひずみを説明できる。4後1
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4後1
許容応力と安全率を説明できる。4後1,後2
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4後2
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4後2
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4後2
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4後3
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4後3
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4後3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4後3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4後3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4後3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4後3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4後3
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4後3
多軸応力の意味を説明できる。4後6
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4後6,後7,後9,後10
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後4,後5
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後4,後5
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4後5

評価割合

試験演習・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000