応用物理

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0159 科目区分 専門 / 選択
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「相対性理論」河辺哲次(裳華房)
担当教員 伊藤 慎太郎

到達目標

・特殊相対論の基礎を学び、量子論と結びつくことで現代的なミクロな世界が築かれていることを理解する。
・原子核の反応による実験的事実と量子力学を結び付けて考えることが出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
相対論 相対性理論、現象が確実に理解でき、基本的な量を計算できる。 相対性理論、現象が理解できる。 相対性理論、現象が理解できない。
原子力、放射能 原子核壊変、放射線の現象が確実に理解でき、数値的にも求められる。 原子核壊変、放射線の現象が理解できる。 原子核壊変、放射線の現象が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
JABEE SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
JABEE SA② 自主的・継続的な学習を通じて、共通基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
本授業では座学を主とし、産業で既に常識となって利用されている相対論、原子核物理の基礎を学修させる。特殊相対論の基礎を学び、これが量子論と結びつくことで現代的なミクロな世界が築かれていることを理解させる。直接目にすることがない現象であるので、課題演習で直感的理解も得られるようにする。
授業の進め方・方法:
テキストとウェブで閲覧可能資料を使用してかなり早いペースで授業を行う。新しい概念に戸惑うが、予習、復習をすれば、難しくはない。教科書にない歴史的な背景についても教授する。
注意点:
学修状況の確認のため、定期的に課題やレポート等を出す。課題取組状況は成績評価に反映させる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス配布、科目概要説明
現代物理学についての導入
古典物理の座標変換を理解し、光速な運動では矛盾が出ることを理解できる。
2週 特殊相対性理論全般についての導入
光速度不変の原理と特殊相対性原理
特殊相対性理論全般の諸現象について理解できる。そして、アインシュタインが提唱した2つの原理について理解できる。
3週 ローレンツ変換とマイケルソンモーレーの実験(1) 光速度不変の原理と特殊相対性原理を用いて、ローレンツ変換が導けることが理解できる。
4週 ローレンツ変換とマイケルソンモーレーの実験(2) マイケルソンモーレーの実験を理解し、これまで学習した内容と無矛盾であることが理解できる。
5週 ローレンツ変換の可視化 4次元時空が理解でき、それを使ってローレンツ変換を可視化し、計算ができる。
6週 相対性理論に基づく諸現象 粒子の寿命が延びることや時計の遅れなど、相対性理論に基づくより詳細な現象を理解できる。
7週 演習・レポート指導 既習領域の演習問題を解く。また、科学的なレポートの作成方法を習得する。
8週 中間試験 既習領域の基礎問題を解くことができる。
2ndQ
9週 中間試験の返却・解説
相対論的な力学(1)
固有時を理解し、それを使って慣性系において計算できる。
10週 相対論的な力学(2) 4次元時空における速度を導き、それを使って運動を計算できる。
また、相対論的な質量を導き、質量とエネルギーは等価であることを理解する。
11週 相対論的な力学(3) 粒子の崩壊や粒子加速器など、相対論的な力学に基づく諸現象を理解できる。
新たなエネルギーの単位(電子ボルト)を用いて、エネルギー・運動量・質量の変換ができる。
12週 原子核①
原子核の構成、核力、結合エネルギー
これまで学習した相対論と原子核物理を結びつけることができる。
原子核の構成、核力、結合エネルギーについて理解できる。また、原子核の結合エネルギーの大きさを計算できる。
13週 原子核②
原子核の崩壊、放射線
これまで学習した相対論と原子核物理を結びつけることができる。
原子核の崩壊、放射線について種類や特徴を理解する。
14週 原子核③
核エネルギー
これまで学習した相対論と原子核物理を結びつけることができる。
原子核の結合エネルギー、原子核反応における放射エネルギー、欠損質量について計算できる。
15週 演習・レポート指導 既習領域の演習問題を解く。また、科学的なレポートの作成方法を習得する。
16週 定期試験の返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験等課題・演習・レポート等ポートフォリオその他合計
総合評価割合604000100
前期座学604000100
分野横断的能力00000