概要:
「機械工作法」は「ものづくり」の実際を理論的に、かつ方法論的に述べたものであり、機械系学生にとっては系統的に「ものづくり」を理解する重要な教科である。当年では、「ものづくり」の多様性について、多種多様な工作機械を用いた加工法(切削加工、研削加工、プレス加工、絞り加工、特殊加工(放電加工等))を身近な例(ジュース缶の製作法等)を挙げて、「ものづくり」の意義、おもしろさ、難しさを理解する。鋳造では、形状を型を使って成型する手法について講義する。加えて、1年生時の工作実習の理論的裏付けを与える意味もある。
授業の進め方・方法:
種々の身の回り品の実例を挙げ、図面を例示しながら各分野の加工法等について解説し、その加工法の特徴、開発過程、難しさ等を学生に疑問を投げかけながら授業を進める。機械系技術者として必要な単位(mm 等)、加工法について理解を深める。ほぼ毎週演習問題を課し、学生の理解度を測りながら授業を進める。
注意点:
予習と復習をしっかり学習すること
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
1年間の授業スケジュール(シラバス利用) 鋳造の概要 |
1年間の授業概要と授業の目的を理解する 模型,鋳型を説明できる
|
2週 |
鋳型 砂形鋳造法、金型鋳造法 |
砂形鋳造法を説明できる 中子の役割を説明できる 金型鋳造法を説明できる
|
3週 |
塑性加工(1) 圧延、鍛造 押出し加工・引抜き加工 |
塑性変形、加工硬化を説明できる 圧延、鍛造を説明できる 押出し加工・引抜き加工を説明できる
|
4週 |
塑性加工(2) プレス加工 転造 |
プレス加工を説明できる 転造を説明できる
|
5週 |
溶接の概要 アーク溶接法 |
溶接の目的・用途が説明できる 被覆アーク溶接を説明できる
|
6週 |
アーク溶接法、ガス溶接 |
自動溶接・半自動溶接を説明できる TIG・MIG溶接、ガス溶接を説明できる
|
7週 |
後期中間試験 |
鋳造と溶接に関する試験
|
8週 |
切削加工(1) 切削加工の特徴と用途 |
切削加工の特徴と用途が理解できる 二次元切削モデルを説明できる
|
4thQ |
9週 |
切削加工(2) さまざまな切削加工
|
各種切削加工について説明できる
|
10週 |
切削加工(3) 切削力、切削温度 |
切削力発生のメカニズムを説明できる 切削中の熱源と温度分布の関係を説明できる
|
11週 |
切削加工(4) 工具損傷、工具寿命 |
工具損傷のメカニズムを説明できる 工具寿命について説明できる
|
12週 |
切削加工(5) 切削工具材料 |
切削工具材料について説明できる
|
13週 |
研削加工(1) 研削加工の特徴と用途 砥石 |
研削加工の特徴と用途が説明できる 砥石の構造を理解できる
|
14週 |
研削加工(2) 遊離砥粒加工 |
遊離砥粒加工の特徴と用途を説明できる
|
15週 |
その他加工法 生産工学概要 |
その他の加工方法について理解できる 生産工学の概要について理解できる
|
16週 |
後期定期試験 |
切削加工、研削加工、その他加工法に関する試験
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 工作 | 鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。 | 4 | |
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。 | 4 | |
鋳物の欠陥について説明できる。 | 4 | |
溶接法を分類できる。 | 4 | |
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。 | 4 | |
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。 | 4 | |
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。 | 4 | |
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。 | 4 | |
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。 | 3 | |
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 3 | |
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 3 | |
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。 | 4 | |
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | |
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | |
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | |
切削工具材料の条件と種類を説明できる。 | 4 | |
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。 | 4 | |
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。 | 4 | |
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。 | 4 | |
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。 | 4 | |
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。 | 4 | |
材料 | 機械材料に求められる性質を説明できる。 | 3 | |
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。 | 3 | |
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。 | 3 | |
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。 | 3 | |
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。 | 3 | |
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。 | 3 | |
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。 | 3 | |
金属と合金の結晶構造を説明できる。 | 3 | |
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。 | 3 | |
合金の状態図の見方を説明できる。 | 3 | |
塑性変形の起り方を説明できる。 | 3 | |
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。 | 3 | |
鉄鋼の製法を説明できる。 | 3 | |
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。 | 3 | |
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。 | 4 | |
焼きなましの目的と操作を説明できる。 | 3 | |
焼きならしの目的と操作を説明できる。 | 3 | |
焼入れの目的と操作を説明できる。 | 3 | |
焼戻しの目的と操作を説明できる。 | 3 | |