公共倫理

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 公共倫理
科目番号 0029 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 名著『世渡りの道』を読む「自分をもっと深く掘れ」(新渡戸稲造著、三笠書房 知的生き方文庫)
担当教員 安部 力

到達目標

1. 哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。
2. 諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。
3. 諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。
4. 文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
5.「社会的存在」としてより良い公共空間構築のために必要な要素や意識、姿勢などを理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。人類の知的遺産である先人の思想とその価値を正しく理解し説明できる先人の思想について正しく説明出来る先人の思想について内容も価値も理解できない
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。自己の生き方を諸思想や諸宗教に照らし合わせて考察し、説明出来る諸思想や諸宗教に見られる人としての生き方について説明出来る諸宗教や諸思想の内容について説明できない
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。自己と社会との好ましい関わり方を諸宗教に照らし合わせて考察し、説明出来る諸思想や諸宗教に見られる社会と人との好ましい関わり方について説明出来る諸宗教や諸思想に見られる社会と人の在り方について説明できない
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。多様な文化の存在を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解し説明できる。多様な文化の存在を認識し説明できる互いの文化や存在を尊重する意識を持たず、その価値を理解、説明できない
「社会的存在」としてより良い公共空間構築のために必要な要素や意識、姿勢などを理解することができる。「社会的存在」としてより良い公共空間構築のために何が必要なのかについて理解し、説明出来る「社会的存在」とはどのような存在であるのかについて説明出来る社会的存在としての自己を理解できておらず、より良い公共空間について説明出来ない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業は、社会的存在としての人間が、公共空間において人間関係を結ぶ際に身につけておくべき倫理観の修得を目的とする。授業では、人間とは「どのような存在」であるのか。何故、「よりよい公共空間を構築」しなければならないのか。個人の自由と公共空間における倫理とはどのような関係があるのか。そしてその公共空間で構築すべき「より良い」人間関係には何が必要なのか。以上のことを、様々な「関係」を例に取りながら、その根底にあるものを見据え考えていくこととする。なお、この科目は一般科目(文系、国語・英語・社会)における科目間連携(特にPBLなどのアクティブラーニング)の充実を目指した授業科目としての内容を設定している。
授業の進め方・方法:
毎時間、事前に、テキストを次回の進行予定分だけ読んでくること。(適宜、確認形式の小テストを行なう)「解答を与える」科目ではないので、問題意識を持ち、主体的に考えるという姿勢を持って授業に臨むこと。
社会に出た時に必要な振る舞い(「常識」) とは、どのようなものか、日頃から考えておくこと。テキストを読み内容理解を進めながら、自己省察及び実生活への活用を以下に行えるかを考える機会を設ける。
また、PBLなどのアクティブラーニング活動に於いては、グループワークなどを通して協働性やリーダーシップなど「社会的作法」の修得も目指す。
注意点:
個人的倫理観の醸成と社会的作法とを修得できるよう、日頃から問題意識を持っておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス1 公共空間の定義 哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。
2週 ガイダンス2 社会的倫理の定義 哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。
3週 人間という存在について(社会的定義1) 哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。
4週 人間という存在について(生物学的定義1) 哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。
5週 人間という存在について(社会的定義2) 諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。
6週 より良い「公共空間」とはどのようなものか1 諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。
7週 より良い「公共空間」とはどのようなものか2 諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 より良い「公共空間」の構築に必要な倫理とはどのようなものか1 文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
10週 より良い「公共空間」の構築に必要な倫理とはどのようなものか2 文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
11週 必要とされる倫理と自己の振る舞いについて1 諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。
12週 必要とされる倫理と自己の振る舞いについて2 諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。
13週 社会におけるより良い関係の構築に向けた自己の振る舞いについて1 諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。
14週 社会におけるより良い関係の構築に向けた自己の振る舞いについて2 諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。
15週 様々な社会・文化における振る舞いと倫理の関係について 文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 より良い公共空間実現に向けた社会的関係の構築
(PBL活動に向けたグループワーク1:アイスブレイク)
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
2週 より良い公共空間実現に向けた社会的関係の構築
(PBL活動に向けたグループワーク2:個人作業としての課題設定)
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
3週 より良い公共空間実現に向けた社会的関係の構築
(PBL活動に向けたグループワーク3:個人設定課題の共有と精選のためのグループ内ディスカッション)
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
4週 より良い公共空間実現に向けた社会的関係の構築
(PBL活動に向けたグループワーク4:精選された問題の解決に向けて協働作業)
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
5週 より良い公共空間実現に向けた社会的関係の構築
(PBL活動に向けたグループワーク5:問題解決方法のプレゼンテーションと評価)
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
6週 より良い公共空間実現に向けた社会的関係の構築
(PBL活動に向けたグループワーク6:「北九州市の活性化」をテーマとした課題発見・解決方法の模索・プレゼンテーションまでの協働作業)
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
7週 より良い公共空間実現に向けた社会的関係の構築
(PBL活動に向けたグループワーク7:各グループによるプレゼンテーションとディベート、評価。)
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 様々な場と関係に要求される様々な振る舞いについて1(親和的他者関係において) 諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。
10週 様々な場と関係に要求される様々な振る舞いについて2(所属的他者関係において) 諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。
11週 様々な場と関係に要求される様々な振る舞いについて3(社会的他者関係において) 諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。
12週 社会的存在としての自己と他者の価値について1(日本社会の特質と多様性) 文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
13週 社会的存在としての自己と他者の価値について2(国際社会における日本文化の特質) 文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
14週 公共空間に於ける倫理の価値について1(地球市民としての自覚) 諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。
15週 公共空間に於ける倫理の価値について2(これからの国際社会を生きるための振る舞い)
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。2前10,前11,後1,後11,後12
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。2前2,前5
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。2前10,前13,後14
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。2前5,前15,後14

評価割合

試験発表レポート態度課題その他合計
総合評価割合40202010100100
基礎的能力40202010100100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000