公共倫理Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 公共倫理Ⅰ
科目番号 0034 科目区分 一般 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『現代語訳 武士道』(新渡戸稲造著 山本博文訳・解説、ちくま新書)
担当教員 安部 力

到達目標

1. 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について理解できる。
2. 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探求し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。
3.「社会的存在」としてより良い公共空間構築のために必要な要素や意識、姿勢などを理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について理解できる。青年期の意義や自己形成の課題を理解した上で、先人や哲学者の考え方について理解でき、他者との共に生きていくことの重要性を理解できる青年期の意義や課題、また先人の考え方について理解できる青年期の意義や課題、また先人の考え方について説明できない
現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探求し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定し、それらについて論述したり討論することが出来、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から述べることができる。現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定し、それらについて論述したり討論することは出来るが、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現については展望できない。現代社会の特質や課題に関して主題を設定できず、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現についても考察できない。
「社会的存在」としてより良い公共空間構築のために必要な要素や意識、姿勢などを理解することができる。「社会的存在」としてより良い公共空間構築のために何が必要なのかについて理解し、説明出来る「社会的存在」とはどのような存在であるのかについて説明出来る社会的存在としての自己を理解できておらず、より良い公共空間について説明出来ない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業は、社会的存在としての人間が、公共空間において人間関係を結ぶ際に身につけておくべき倫理観の修得を目的とする。授業では、人間とは「どのような存在」であるのか。何故、「よりよい公共空間を構築」しなければならないのか。個人の自由と公共空間における倫理とはどのような関係があるのか。そしてその公共空間で構築すべき「より良い」人間関係には何が必要なのか。以上のことを、様々な「関係」を例に取りながら、その根底にあるものを見据え考えていくこととする。なお、この科目は一般科目(文系、国語・英語・社会)における科目間連携(特にPBLなどのアクティブラーニング)の充実を目指した授業科目としての内容を設定している。
授業の進め方・方法:
毎時間、事前に、テキストを次回の進行予定分だけ読んでくること。(適宜、確認形式の小テストを行なう)「解答を与える」科目ではないので、問題意識を持ち、主体的に考えるという姿勢を持って授業に臨むこと。
社会に出た時に必要な振る舞い(「常識」) とは、どのようなものか、日頃から考えておくこと。テキストを読み内容理解を進めながら、自己省察及び実生活への活用を以下に行えるかを考える機会を設ける。
また、PBLなどのアクティブラーニング活動に於いては、グループワークなどを通して協働性やリーダーシップなど「社会的作法」の修得も目指す。
注意点:
個人的倫理観の醸成と社会的作法とを修得できるよう、日頃から問題意識を持っておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス1 公共空間の定義 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について理解できる。
2週 ガイダンス2 社会的倫理の定義 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について理解できる。
3週 人間という存在について(社会的定義1) 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について理解できる。
4週 人間という存在について(生物学的定義1) 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について理解できる。
5週 人間という存在について(社会的定義2) 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について理解できる。
6週 より良い「公共空間」とはどのようなものか1 「社会的存在」としてより良い公共空間構築のために必要な要素や意識、姿勢などを理解することができる。
7週 より良い「公共空間」とはどのようなものか2 「社会的存在」としてより良い公共空間構築のために必要な要素や意識、姿勢などを理解することができる。
8週 中間試験 レポート整理期間
2ndQ
9週 より良い「公共空間」の構築に必要な倫理とはどのようなものかについて1 それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。
10週 より良い「公共空間」の構築に必要な倫理とはどのようなものかについて2 それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。
11週 必要とされる倫理と自己の振る舞いについて1 自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。
12週 必要とされる倫理と自己の振る舞いについて2 自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。
13週 社会におけるより良い関係の構築に向けた自己の振る舞いについて1 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探求し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。
14週 社会におけるより良い関係の構築に向けた自己の振る舞いについて2 過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。
15週 様々な社会・文化における振る舞いと倫理の関係について 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探求し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前1,前2,前3,前4,前5
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3前11,前12
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前13,前15
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3前14
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3前9,前10
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合4060100
基礎的能力4060100
専門的能力000
分野横断的能力000