機械力学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械力学
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 力学、松下貢、裳華房、機械振動学、岩田佳雄、数理工学社
担当教員 浜松 弘

到達目標

1. 剛体の力学の問題を解析できる。A①②、B①②
2. 運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。A①②B①②、SA①②SB①②
3. 振動の種類および調和振動を説明できる。A①②B①②、SA①②SB①②
4. 不減衰系・減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。A①②B①②、SA①②SB①②

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1剛体の並進・回転の運動の問題を解析できる。剛体の並進・回転の運動の問題を説明できる。剛体の並進・回転の運動の問題を説明できない。
評価項目2運動方程式をたてることができる。運動の第2法則を説明できる。運動の第2法則を説明できない。
評価項目3不減衰系・減衰系の運動方程式を解くことができる。不減衰系・減衰系を説明できる。不減衰系・減衰系を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 D① 専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を統合し、活用できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD① 専攻分野における専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を総合し、応用できる。

教育方法等

概要:
本授業では、力学現象を理解するために必要となる基礎的な知識を習得し、基礎的事項を理解できるようになることえを目的とする。前半では、力学の基礎法則を学び質点と剛体の力学における運動の解析方法を習得し、それらの知識を具体的な現象に適用する。後半では、力学の応用である機械振動において、力学的な考え方が基本であることを念頭に置き、最も基本的で重要な1 自由度系と2 自由度系における基礎的事項を理解できるようになることを目的とする。地震、騒音、航空機、船舶、自動車、楽器など人間の生活に深い関わりを持つ振動現象は、古典力学の中の1 分野として体系化されている。この振動に関する知識は技術者にとって習得すべき重要なものの一つである。
授業の進め方・方法:
本質を分かりやすく講義し、同時に関連する数学の復習も行う。単元終了時に演習問題を解くことで実力の養成を図る。
注意点:
演習の課題は、期日までに提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 角運動量
ベクトルの外積と角運動量ベクトル
ベクトルの外積が計算できる。
2週 角運動量
角運動量の保存則と重心周りの角運動量
角運動量の保存則を説明できる。
3週 円運動
極座標・等速円運動
円運動の速度と加速度を求めることができる。
4週 円運動
向心力・円運動の角運動量
向心力を計算できる。
5週 中心力場の中の質点の運動 中心力を説明できる。
6週 中心力場の中の質点の運動
面積速度
面積速度を計算できる。
7週 万有引力
惑星の公転運動
万有引力の式を説明できる。
公転の運動方程式を説明できる。
8週 中間試験 前期1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
2ndQ
9週 中間試験内容についての解説
ケプラーの法則
中間試験の内容を理解できる。
ケプラーの法則が説明できる。
10週 剛体の運動
自由度・運動方程式
剛体とその自由度が説明できる。
並進と回転の運動方程式が説明できる。
11週 剛体にはたらく力とそのつり合い
固定軸をもつ剛体の運動
つり合いの式を説明できる。
12週 剛体の慣性モーメント 回転半径を使った慣性モーメントの式を説明できる。
13週 慣性モーメントの計算 慣性モーメントを算出できる。
14週 円柱の運動
斜面を転がる球の運動
転がり運動が説明できる。
15週 前期末試験 前期9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
16週 前期末試験 前期末試験の内容を理解できる。
後期
3rdQ
1週 前期末試験内容についての解説
機械振動とは
機械振動の勉強する内容を説明できる。
2週 ニュートンの運動の3法則 慣性の法則、運動の法則、作用・反作用の法則を説明できる。
3週 調和振動 調和振動の式と角振動数を説明できる。
4週 調和振動のベクトル表示、複素数表示 ベクトル表示と複素数表示を理解できる。
5週 フーリエ級数 フーリエ級数を計算できる。
6週 1自由度系・不減衰系・並進運動の自由振動 運動方程式をたて、一般解を導出できる。
7週 1自由度系・不減衰系・回転運動の自由振動 運動方程式をたて、一般解を導出できる。
8週 中間試験 後期1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
4thQ
9週 中間試験内容についての解説
1自由度系自由振動の運動方程式
中間試験の内容を理解できる。
いろいろな系の運動方程式をたてることができ、固有角振動数を算出できる。
10週 エネルギー法 エネルギー法により、運動方程式をたてることができ、固有角振動数を算出できる。
11週 1自由度系・減衰系の自由振動 運動方程式をたてることができる。
12週 1自由度系の強制振動 運動方程式をたてることができる。
13週 2自由度系の自由振動 運動方程式をたてることができる。
14週 ラグランジュの方程式 ラグランジュの方程式を使って、運動方程式をたてることができる。
15週 定期試験 後期9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
16週 定期試験内容についての解説 定期試験の内容を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前10,後6,後11,後12,後13,後14
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前12,前13
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前10,後6,後11,後12,後13,後14
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3前11
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3前11
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3前11
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3後7
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3後7
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3前3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3前3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3前10,後2
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3前10,後2,後6,後7
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3後2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3前1
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3前4,前5
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3後10
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3後10
動力の意味を理解し、計算できる。3後2
運動量および運動量保存の法則を説明できる。3前2
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3前10
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3前12,前13
振動の種類および調和振動を説明できる。3後3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3後6,後7
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3後11
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3後12
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000