物理BⅡ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理BⅡ
科目番号 0051 科目区分 一般 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「総合物理1」 植松恒夫 他(啓林館),「セミナー物理基礎+物理」 第一学習社編集部 (第一学習社)
フォローアップドリル 物理基礎 (数研出版)
フォローアップドリル 物理 (数研出版)
担当教員 坪田 雅功,伊藤 慎太郎

到達目標

・物理学の学習を通じて,自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方が出来る.
・分子の熱運動から温度と熱の関係が説明でき,その移動と状態の変化を説明できる.
・熱力学第一法則を用いて熱,仕事,内部エネルギーの関係が説明でき,様々なエネルギーの変化を説明できる.
・波の運動を理解し,その性質を直線,平面において説明できる
・音波の伝わり方と三要素について理解し、固有振動や共鳴を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
分子の熱運動から温度と熱の関係が説明でき,その移動と状態の変化を説明できる状態の変化を温度や熱の関係から論理的に説明でき,熱に関係する物理量を用いて自然現象を説明できる。分子の運動に着目し,温度や圧力,体積を求めることができる。熱量の保存を利用して熱容量や比熱,状態の変化を求めることができる。熱と特徴付ける物理量を求めることができない。熱量保存の法則やボイル‐シャルルの法則を用いて物理量を求めることができない。
熱力学第一法則を用いて熱,仕事,内部エネルギーの関係が説明でき,様々なエネルギーの変化を説明できる熱力学第一法則を用いて状態の変化を説明できる。自然現象にある様々なエネルギーの変化を論理的に説明できる。熱力学第一法則を用いたエネルギーの変化として,状態の変化を求めることができる。熱機関の効率を変化の過程から求めることができる。熱力学第一法則を用いてエネルギーの変化を求めることができない。熱機関の効率を求めることができない。
波の運動を理解し,その性質を直線,平面において説明できる波の性質を理解し,その運動を論理的に説明できる。波の特徴的な現象を時間的な変化とともに描くことができ,自然現象の説明ができる。波が伝わる媒質の変位と位置と時間の関係から物理量を求めることができ,グラフを描くことができる。重ね合わせや定常波,反射,屈折,干渉といった現象を描くことができる。波を特徴付ける物理量を求めることができない。波の現象を作図できない。
音波の伝わり方と三要素について理解し、固有振動や共鳴を説明できる音波の伝搬について説明でき,図を用いて現象を説明できる。弦,閉管,開管に関して振動の様子を説明できる。様々なドップラー効果を説明できる。音波の現象に関して,物理量を求めることができる。固有振動や共鳴,ドップラー効果に関して物理量を求めることができる。音波の現象に関して物理量を求めることができない。固有振動や共鳴,ドップラー効果に関して物理量を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学の学習を通じて,自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を見につけ去る.さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識させる.
授業の進め方・方法:
全員が理解する事を基本方針とする.そのために検定教科書を用いた講義により物理的な内容の理解に努め,問題演習,実験,小テストを折り込みながら講義を進める.また,講義内容に対して現実感を持たせるため,教員による模範実験(デモンストレーション)を随時織り込むほか,数回の一斉実験も行う.
注意点:
・授業で課せられる演習問題課題の提出や,ICTでの課題の進捗状況を求められる.
・1日1問ノート,冬期課題を課す.期限に遅れた場合は減点する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 熱と温度, 熱平衡状態,熱容量,比熱 ・温度は熱運動の激しさを表す物理量であることがわかり,セルシウス温度を絶対温度への変換ができる.
・熱の移動によって熱平衡状態に達することについて説明できる.
・熱量・熱容量・比熱の違いがわかり計算ができる.
・熱量保存の法則を理解し,物体の比熱を求めることができる.
・動摩擦力がする仕事は,一般に熱に変換されることを理解する
2週 熱量保存の法則,ボイル・シャルルの法則 ・熱量保存の法則を理解し,物体の比熱を求めることができる.
・ボイルの法則・シャルルの法則を理解し,物質の状態変化の計算ができる.
3週 気体分子の運動 ・気体の分子運動が気体の状態を変化させることを理解し,気体の状態方程式を用いて計算できる.
4週 熱力学第1法則,気体の状態変化,内部エネルギー ・熱力学第一法則を理解し,熱量のやりとり,内部エネルギーの変化,気体がした仕事を求めることができる.
・気体の定積変化,定圧変化,等温変化,断熱変化について理解し,様々な物理量を計算できる.
5週 内部エネルギー,熱効率
・熱機関の熱効率に関する計算ができる.
6週 不可逆変化,エネルギーの移り変わり ・不可逆変化について具体例を挙げて説明できる.
・エネルギーは様々形態を変えて移り変わることができることを理解する
7週 実験:比熱測定の実験 ・物体の温度変化を測定し, エネルギーの変換と保存の法則を理解し,物体の比熱を求めることができる.  
・有効数字を理解して, データを集計できる.
・測定結果をまとめ, レポートを書くことができる.
8週 中間試験 ・既習領域の問題を解くことができる.
4thQ
9週 試験内容について解説
波の性質,横波と縦波
・中間試験の内容を理解する.
・波の振幅,波長,周期,振動数,速さについて説明できる.
・横波と縦波の違いについて説明できる.
10週 正弦波の式
波の重ね合わせ
定常波
・正弦波の式を説明できる.
・波形のグラフを書くことができる.
・波の重ね合わせを理解し,合成波形を作図できる.
・波の独立性について説明できる.
・2つの波の干渉によって,互いに強め合う条件と弱め合う条件を説明できる.
・定常波の振動の特徴を説明できる
11週 反射・屈折・干渉
ホイヘンスの原理
・波の反射について説明できる.
・ホイヘンスの原理によって屈折の法則と回折を説明できる.
12週 音の性質・反射・屈折・回折・干渉・うなり ・音の性質について説明できる.
13週 気柱の振動,弦の振動 ・弦の長さと,弦を伝わる波の速さから,弦の固有振動数を求めることができる.
・気柱の長さと音速から,閉環・開館の固有振動数を求めることができる.
・共鳴,共振現象について具体例を上げることができる.
14週 ドップラー効果
光の性質,ヤングの干渉,回折格子
・ドップラー効果を説明することができる.
・ドップラー効果から,計算により速度,音速を求めることができる.
・自然光と偏光の違い位について説明できる.
・ヤングの干渉実験,回折格子について説明できる.
・屈折の法則に関する計算ができる.
・波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを理解している.
15週 定期試験 ・既習領域の問題を解くことができる.
16週 定期試験内容について解説 ・定期試験の内容を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後1
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後1
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後1
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後1
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後1,後2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3後2,後3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後3,後4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後3,後4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後3,後4,後5
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後4,後5,後6
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後4,後5,後6
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3後9,後10
横波と縦波の違いについて説明できる。3後9,後10
波の重ね合わせの原理について説明できる。3後10
波の独立性について説明できる。3後10
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3後10,後11
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3後10,後11
ホイヘンスの原理について説明できる。3後10,後11
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3後10,後11
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3後12,後13,後14
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3後12,後13,後14
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3後12,後13,後14
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後14
自然光と偏光の違いについて説明できる。3後14
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3後14
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3後14
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3後7
安全を確保して、実験を行うことができる。3後7
実験報告書を決められた形式で作成できる。3後7
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3後7
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後7
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後13
工学基礎工学実験技術工学実験技術物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後7
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後7
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後7
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後7
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後7
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後7
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後7
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後7
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後7
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後7
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後7

評価割合

試験小テスト・レポート等課題・演習等合計
総合評価割合601030100
基礎的能力601030100
専門的能力0000
分野横断的能力0000