制御工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 自動制御(毛利彰著)
担当教員 古野 誠治

到達目標

01. ラプラス変換およびその公式群を理解し、ラプラス変換を用いて微分方程式の解を求めることができる。
02. 制御系を数式化し、伝達関数、ブロック線図を求めることができる。
03. 様々な入力に対する制御系の過渡応答を求めることができる。
04. 安定性について説明でき、制御系の安定性をラウス・フルビッツの安定判別法を用いて判別できる。
05. フィードバックについて理解し、フィードバック制御系の定常特性の解析および安定性判別ができる。
06. 制御系の根軌跡を根軌跡法を用いて描くことができる。
07. 周波数応答について説明でき、周波数伝達関数、ゲインおよび位相の式を求めることができる。
08. ベクトル軌跡を描き、ナイキストの安定判別法により安定性を判別できる。
09. ボード線図を描き、ゲイン余裕および位相余裕を求めることができる。
10. 制御系の補償法であるPID制御、位相進み補償、位相遅れ補償について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
01ラプラス変換を理解し、ラプラス変換を用いて微分方程式の解を求めることができる。ラプラス変換を用いて微分方程式の解を求めることができる。ラプラス変換を用いて微分方程式の解を求めることができない。
02様々な制御系を数式化し、伝達関数、ブロック線図を求めることができる。基本的な制御系を数式化し、伝達関数、ブロック線図を求めることができる。制御系の数式化、伝達関数の導出、ブロック線図の作図ができない。
03様々な制御系の過渡応答を求めることができる。基本的な制御系の過渡応答を求めることができる。制御系の過渡応答を求めることができる。
04安定性について説明でき、様々な制御系の安定性をラウス・フルビッツの安定判別法を用いて判別できる。簡単な制御系の安定性をラウス・フルビッツの安定判別法を用いて判別できる。制御系の安定性をラウス・フルビッツの安定判別法を用いて判別できない。
05フィードバックについて理解し、フィードバック制御系の定常特性の解析および安定性判別ができる。フィードバック制御系の定常特性の解析および安定性判別ができる。フィードバック制御系の定常特性の解析および安定性判別ができない。
06根軌跡法を理解し、制御系の根軌跡を根軌跡法を用いて描くことができる。制御系の根軌跡を根軌跡法を用いて描くことができる。制御系の根軌跡を根軌跡法を用いて描くことができない。
07周波数応答について説明でき、周波数伝達関数、ゲインおよび位相の式を求めることができる。周波数伝達関数、ゲインおよび位相の式を求めることができる。周波数伝達関数、ゲインおよび位相の式を求めることができない。
08ベクトル軌跡を描くことができ、ナイキストの安定判別法を理解した上で様々な制御系の安定性を判別できる。ベクトル軌跡を描くことができ、ナイキストの安定判別法により安定性を判別できる。ベクトル軌跡を描けない。
09様々な制御系のボード線図を描くことができ、ゲイン余裕および位相余裕を求めることができる。簡単な制御系のボード線図を描くことができ、ゲイン余裕および位相余裕を求めることができる。ボード線図を描けず、ゲイン余裕および位相余裕を求めることができない。
10PID制御、位相進み補償、位相遅れ補償について説明でき、様々な制御系へ適用できる。PID制御、位相進み補償、位相遅れ補償について説明できる。PID制御、位相進み補償、位相遅れ補償について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
本講義では、古典制御論の基礎について学ぶ。本講義の大きな目的は、1入力1出力フィードバック制御系の特性解析ができる基礎能力を身につけることであり、そのために必要な事項や手法を学習する。なお、古典制御では過渡特性の理論と周波数特性の理論が混在しているところにわかりやすさが存在するため、まず初めにかと特性、その後に周波数特性を学習する。
授業の進め方・方法:
学問としての自動制御は少し抽象的な色合いが濃くなるという性質を有しているためん、本講義では例題や演習問題、実際の制御例などを多く用いて解説することで理解を深める。
注意点:
数学、力学、電気回路を理解しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論 制御とは何か、制御系の基本構成、制御系の分類を説明できる。
2週 ラプラス変換 ラプラス変換とラプラス逆変換ができる。
3週 ラプラス変換による微分方程式の求解法 ラプラス変換を用いて微分方程式の解を求めることができる。
4週 システムの数式化 様々な制御系の数式化ができる。
5週 システムの数式化 様々な制御系の数式化ができる。
6週 システムの伝達関数 様々な制御系の伝達関数を求めることができる。
7週 前期中間試験
8週 答案返却
2ndQ
9週 システムの伝達関数とブロック線図 様々な制御系の伝達関数を求めブロック線図を描くことができる。
10週 システムの伝達関数とブロック線図 システムの伝達関数をブロック線図で表すことができ、等価変換によりブロック線図を変形することができる。
11週 過渡応答 簡単なシステムの過渡応答を求めることができ、過渡特性について説明することができる。
12週 過渡応答 伝達関数の極と安定性について、振動論と制御論から説明することができる。
13週 ラウスの安定判別法 ラウスの安定判別法を用いてシステムの安定性を判別することができる。
14週 フルビッツの安定判別法 フルビッツの安定判別法を用いてシステムの安定性を判別することができる。
15週 前期期末試験
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 フィードバックの効果と安定性 フィードバック制御の効果について説明でき、安定性を判別できる。
2週 フィードバック制御系の定常特性 フィードバッック制御系の定常特性について求めることができる。
3週 根軌跡法 根軌跡法を用いて根軌跡を描くことができる。
4週 根軌跡法 根軌跡法を用いて様々な制御系の根軌跡を描くことができる。
5週 周波数応答と周波数伝達関数 周波数応答について説明でき、周波数伝達関数を求めることができる。
6週 ベクトル軌跡 基本的な制御系のベクトル軌跡を描くことができる
7週 後期中間試験
8週 答案返却
4thQ
9週 ベクトル軌跡 様々な制御系のベクトル軌跡を描くことができる。
10週 ボード線図 基本的な制御系のボード線図を描くことができる。
11週 ボード線図 様々な制御系のボード線図を描くことができる。
12週 ナイキストの安定判別法 ナイキストの安定判別法を用いて制御系の安定性を判別できる。
13週 ナイキストの安定判別法 ナイキストの安定判別法を用いて制御系の安定性を判別できる。
14週 ゲイン余裕と位相余裕 ゲイン余裕と位相余裕を求め、制御系の安定性を判別することができる。
15週 制御系の特性改善 PID制御や位相進み補償、位相遅れ補償について説明できる。
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4
自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000