数値計算法

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 数値計算法
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 平木 講儒

到達目標

・数値計算で発生しうる誤差要因を理解できる
・数値計算手法の基本となるテイラー展開を使うことができる
・目的を達成する複数の計算手法を使うことができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
数値計算で発生しうる誤差要因を理解できる実際の計算において発生した誤差の要因を推定できる発生する誤差要因をすべて挙げることができる発生する誤差要因を理解できない
数値計算手法の基本となるテイラー展開を使うことができる実際の計算においてテイラー展開を応用できる与えられた計算でテイラー展開を使うことができる与えられた計算でテイラー展開を使うことができない
目的を達成する複数の計算手法を使うことができる3つ以上の計算手法を使うことができる2つの計算手法を使うことができる1つの計算手法しか使えない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA② 自主的・継続的な学習を通じて、共通基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
工学分野における諸問題は、一般に解析的に解くことが困難であることが多い。したがって、コンピュータを用いた数値計算によって問題を近似的に解くことが求められる。本授業では工学分野で用いられる幾つかの基本的な計算手法について、その数学的根拠を学習する。講義内では具体的課題に対して簡単な計算を通じて理解を深めるとともに、自己学習として表計算ソフトであるエクセルを使って実際に解くことを通じて、複数存在する手法の長所・短所を理解した上でどの方法を用いるべきかを判断する力を養う。
授業の進め方・方法:
講義で計算手法の数学的根拠を理解し、演習でそれを実行する方法を修得する。微分積分、代数幾何、微分方程式などの数学的基礎知識、およびエクセルの使い方に関する基礎知識を必要とする。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有効数字と誤差 演算に伴う有効数字の変化、数値計算上の誤差要因を理解する。
2週 関数の近似 テイラー展開、ラグランジェ補間、スプライン補間について理解する。
3週 関数の近似 テイラー展開、ラグランジェ補間、スプライン補間について理解する。
4週 関数の近似 テイラー展開、ラグランジェ補間、スプライン補間について理解する。
5週 微分と積分 差分近似、台形公式、シンプソン法について理解する。
6週 微分と積分 差分近似、台形公式、シンプソン法について理解する。
7週 微分と積分 差分近似、台形公式、シンプソン法について理解する。
8週 微分と積分 差分近似、台形公式、シンプソン法について理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 非線形方式程式 ニュートンラフソン法、2分法、はさみうち法について理解する。
11週 非線形方式程式 ニュートンラフソン法、2分法、はさみうち法について理解する。
12週 非線形方式程式 ニュートンラフソン法、2分法、はさみうち法について理解する。
13週 固有値と固有ベクトル べき乗法、ヤコビ法による解法を理解する。
14週 固有値と固有ベクトル べき乗法、ヤコビ法による解法を理解する。
15週 固有値と固有ベクトル べき乗法、ヤコビ法による解法を理解する。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 微分方程式 オイラー法、ルンゲクッタ法、線形加速法や2階常微分方程式の解法について理解する。
2週 微分方程式 オイラー法、ルンゲクッタ法、線形加速法や2階常微分方程式の解法について理解する。
3週 微分方程式 オイラー法、ルンゲクッタ法、線形加速法や2階常微分方程式の解法について理解する。
4週 微分方程式 オイラー法、ルンゲクッタ法、線形加速法や2階常微分方程式の解法について理解する。
5週 連立方程式 逆行列の求め方、ガウスの消去法、LU分解法、ヤコビの反復法について理解する。
6週 連立方程式 逆行列の求め方、ガウスの消去法、LU分解法、ヤコビの反復法について理解する。
7週 連立方程式 逆行列の求め方、ガウスの消去法、LU分解法、ヤコビの反復法について理解する。
8週 連立方程式 逆行列の求め方、ガウスの消去法、LU分解法、ヤコビの反復法について理解する。
4thQ
9週 後期中間試験
10週 偏微分方程式 放物型、双曲型、楕円型方程式の解法を理解する。
11週 偏微分方程式 放物型、双曲型、楕円型方程式の解法を理解する。
12週 偏微分方程式 放物型、双曲型、楕円型方程式の解法を理解する。
13週 偏微分方程式 放物型、双曲型、楕円型方程式の解法を理解する。
14週 最小2乗法 データの傾向を表現する最小2乗法について理解する。
15週 連立微分方程式 実例としてSIRモデルを使った連立微分方程式の解法を理解する。
16週 後期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

試験演習課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000