制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 0132 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 古野 誠治

到達目標

1. 自動制御の定義と種類、フィードバック制御系の概念と構成要素を説明できる。
2. ラプラス変換、ラプラス逆変換を用いて微分方程式を解くことができる。
3. 伝達関数とは何かを理解し、ブロック線図を用いて制御系を表現できる。
4. ラウス・フルビッツの安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。
5. 制御系の過渡特性、定常特性について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自動制御の定義と種類、フィードバック制御系の概念と構成要素を理解し、説明できる。自動制御の定義と種類、フィードバック制御系の概念と構成要素を説明できる。自動制御の定義と種類、フィードバック制御系の概念と構成要素を説明できない。
評価項目2ラプラス変換、ラプラス逆変換を用いた微分方程式を求解法を理解して解を求めることができる。ラプラス変換、ラプラス逆変換を用いて微分方程式を解くことができる。ラプラス変換、ラプラス逆変換を用いて微分方程式を解くことができない。
評価項目3伝達関数とは何かを理解し、ブロック線図を用いて制御系を表現できる。伝達関数とは何かを理解し、ブロック線図を用いて制御系を表現できる。伝達関数について説明できず、ブロック線図を用いて制御系を表現できない。
評価項目4制御系の安定性について説明でき、ラウス・フルビッツの安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。ラウス・フルビッツの安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。ラウス・フルビッツの安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できない。
評価項目5制御系の過渡特性、定常特性について説明でき、諸量を導き出せる。制御系の過渡特性、定常特性について説明できる。制御系の過渡特性、定常特性について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
自動制御の理論は、伝達関数という概念を用いて制御系の解析・設計法を論じる「古典制御論」と、状態方程式表現を用いる「現代制御論」2つに分けられる。制御工学Ⅰでは古典制御論を取り扱い、1入力1出力フィードバック制御系の特性解析を大きな目的とし、そのために必要な事項や手法の説明を行うことを主眼としている。なお、古典制御の分野では、伝達関数G(s)による過渡特性の理論と周波数伝達関数G(jw)による周波数特性の理論の2つの体系が混在しているところに難しさが存在していると考えている。そこで、制御工学Ⅰで伝達関数G(s)を用いるフィードバック制御系の特性解析を学び、制御工学Ⅱで周波数伝達関数G(jw)を用いるフィードバック制御系の特性解析を学ぶ。
授業の進め方・方法:
制御工学Ⅰでは「事前学習型ピア・ラーニングシステム」を導入している。授業は事前学習とピア・ラーニングで構成されており、①授業前に提示した簡単な資料や問題を授業までにノートに書いたり解いたりして理解し、②授業中に難解な箇所の解説や質問対応をし、③最後にグループで問題を解くことで理解の共有をするという流れである。
注意点:
力学、電気回路を修得しておくこと。行列計算ができること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論 制御とは何か、制御系の基本構成、制御系の分類を説明できる。
2週 ラプラス変換 ラプラス変換とラプラス逆変換ができる。
3週 ラプラス変換による微分方程式の求解法 ラプラス変換を用いて微分方程式の解を求めることができる。
4週 制御数学と伝達関数 伝達関数とは何かをたたみ込み積分を用いて説明することができる。
5週 システムの数式化と伝達関数1 機械振動系の運動方程式を導出し、伝達関数を求めることができる。
6週 システムの数式化と伝達関数2 水位系の動特性を線形化し伝達関数を求めることができる。
RLC電気回路の回路方程式を導出し、伝達関数を求めることができる。
7週 ブロック線図 ブロック線図の等価変換を用いてブロック線図を簡単化できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 システムのブロック線図表現 ブロック線図を用いてシステムを表現できる。
10週 1次遅れ系の過渡応答 制御系の過渡応答について説明できる。
1次遅れ系の過渡応答の解析解および数値解を求めることができる。
11週 2次遅れ系の過渡応答 2次遅れ系の過渡応答の解析解および数値解を求めることができる。
12週 制御系の安定性1 フィードバック制御系の安定性を閉ループ伝達関数の極または特性方程式の根から判別できる。
ラウスの安定判別法を用いてシステムの安定性を判別できる。
13週 制御系の安定性2 特別な場合のラウスの安定判別法を用いてシステムの安定性を判別できる。
フルビッツの安定判別法を用いてシステムの安定性を判別できる。
14週 フィードバック制御系の定常特性 フィードバック制御系の定常特性について説明できる。
15週 フィードバック制御系の定常特性 フィードバック制御系の定常特性について説明できる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4前1
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4前2
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前3
伝達関数を説明できる。4前4,前5,前6
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4前7,前9
制御系の過渡特性について説明できる。4前9,前11
制御系の定常特性について説明できる。4前14,前15
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4前11

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000