制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学Ⅱ
科目番号 0133 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 古野 誠治

到達目標

1. 根軌跡とは何か説明できる。
2. 周波数応答とは何か説明でき、周波数応答を求めることができる。
3. 制御系の周波数特性とは何か説明できる。
4. ナイキストの安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。
5. 制御系の特性改善の方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1根軌跡について説明でき、根軌跡法を用いて根軌跡を描くことができる。根軌跡について説明できる。根軌跡について説明できない。
評価項目2周波数応答について説明でき、周波数応答を導き出すことができる。周波数応答について説明でき、周波数応答を求めることができる。周波数応答について説明できない。
評価項目3制御系の周波数特性について説明でき、理論的及び解析的に特性量を求めることができる。制御系の周波数特性について説明できる。制御系の周波数特性について説明できない。
評価項目4ナイキストの安定判別法を説明でき、それを用いて制御系の安定・不安定を判別できる。ナイキストの安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。ナイキストの安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できない。
評価項目5制御系の特性改善の方法について、PID制御、位相遅れ・進みの特徴を捉えて説明できる。制御系の特性改善の方法について説明できる。制御系の特性改善の方法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
自動制御の理論は、伝達関数という概念を用いて制御系の解析・設計法を論じる「古典制御論」と、状態方程式表現を用いる「現代制御論」2つに分けられる。制御工学Ⅰでは古典制御論を取り扱い、1入力1出力フィードバック制御系の特性解析を大きな目的とし、そのために必要な事項や手法の説明を行うことを主眼としている。なお、古典制御の分野では、伝達関数G(s)による過渡特性の理論と周波数伝達関数G(jw)による周波数特性の理論の2つの体系が混在しているところに難しさが存在していると考えている。そこで、制御工学Ⅰで伝達関数G(s)を用いるフィードバック制御系の特性解析を学び、制御工学Ⅱで周波数伝達関数G(jw)を用いるフィードバック制御系の特性解析を学ぶ。
授業の進め方・方法:
制御工学Ⅰでは「事前学習型ピア・ラーニングシステム」を導入している。授業は事前学習とピア・ラーニングで構成されており、①授業前に提示した簡単な資料や問題を授業までにノートに書いたり解いたりして理解し、②授業中に難解な箇所の解説や質問対応をし、③最後にグループで問題を解くことで理解の共有をするという流れである。
注意点:
力学、電気回路を修得しておくこと。行列計算、複素数の計算ができること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 根軌跡 根軌跡とは何か説明でき、根軌跡法を用いて根軌跡の概略が描けることを理解する。
2週 周波数応答と周波数伝達関数 周波数応答とは何か、周波数伝達関数とは何か説明できる。
3週 ゲインと位相 周波数伝達関数を用いてゲインと位相の式を導出し、周波数応答の式を求めることができる。
4週 周波数伝達関数の性質 複素関数の性質を用いて、ゲインと位相の式を導出することができる。
5週 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡とは何か理解し、基本的な周波数伝達関数のベクトル軌跡の概形を描くことができる。
6週 ボード線図 ボード線図とは何かを理解し、基本的な周波数伝達関数のベクトル軌跡の概形を描くことができる。
7週 1週から6週までの理解度の確認 周波数伝達関数G(jw)を用いた解析ができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ナイキストの安定判別法1 ナイキストの安定判別法について説明できる。
ナイキストの安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。
10週 ナイキストの安定判別法2 ナイキストの安定判別法を用いて様々な制御系の安定・不安定を判別できる。
11週 ゲイン余裕と位相余裕1 ゲイン余裕と位相余裕とは何か説明できる。
ベクトル軌跡とボード線図からゲイン余裕と位相余裕を読み取ることができる。
12週 ゲイン余裕と位相余裕2 ゲイン余裕と位相余裕を計算することができる。
13週 制御系の特性改善1 ゲインを変化させて、ゲイン余裕や位相余裕を調整できる。
14週 制御系の特性改善2 PID制御、位相進み補償、位相遅れ補償について説明できる。
15週 9週から14週までの理解度の確認
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御制御系の周波数特性について説明できる。4後2,後3,後4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4後9,後10

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000