機械設計Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械設計Ⅰ
科目番号 0134 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「機械設計法(第3版)」塚田忠夫、吉村靖夫、黒崎茂、柳下福蔵(森北出版)
担当教員 寺井 久宣

到達目標

1. 機械材料、材料力学、工業力学、機械力学などの知識を活用して、機械要素を合理的かつ安全に設計できる。
2. 機械および機械要素の定義、機械設計の概念や手順を説明できる。
3. 部品の寸法や形状精度、公差、はめあいなどの設計仕様を決定できる。
4. ねじ、軸、キー、軸継手の強度や剛性に関する計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機械材料、材料力学、工業力学、機械力学などの知識を活用して、機械要素を合理的かつ安全に設計できる。機械設計の基礎、材料の強機械材料、材料力学、工業力学、機械力学などの知識を活用して、機械要素を合理的かつ安全に設計できる。機械材料、材料力学、工業力学、機械力学などの授業で得た知識を基に、基礎的な機械要素を設計できる。機械材料、材料力学、工業力学、機械力学などの知識を活かす事ができない。または、機械要素の合理的かつ安全な設計ができない。
機械および機械要素の定義、機械設計の概念や手順を説明できる。機械および機械要素の定義、機械設計の概念や手順を説明できる。機械および機械要素の定義、機械設計の概念や手順を教えた内容を基に説明できる。ねじの原理を理解できず、計算で機械および機械要素の定義、機械設計の概念や手順を説明できない。
部品の寸法や形状精度、公差、はめあいなどの設計仕様を決定できる。部品の寸法や形状精度、公差、はめあいなどの設計仕様を決定できる。部品の寸法や形状精度、公差、はめあいなどの設計仕様を教えた内容を基に決定できる。部品の寸法や形状精度、公差、はめあいなどの設計仕様を決定できない。
ねじ、軸、キー、軸継手の強度や剛性に関する計算ができる。ねじ、軸、キー、軸継手の強度や剛性に関する計算ができる。ねじ、軸、キー、軸継手の強度や剛性に関する教えた内容にを基に計算ができる。ねじ、軸、キー、軸継手の強度や剛性に関する計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
 本授業では、機械設計を進めていく上で最も基本的であり、不可欠である機械要素設計を学ぶことを目的とする。「機械設計I」「機械設計II」として前期後期に分けて取組む。機械および機械システムの構成要素の理解を第一として、それらを構築する際に必要な設計手法、強度や剛性の計算に必要な数式による評価法を身に付ける。単なる計算式の暗記ではなく、関連する資料やデータベースを有効に活用できるようにする。この科目は、企業で工作機械や製鉄機械の開発を担当していた教員が、その経験を活かし、前期では主にねじや軸などの各種機械要素の実践的な使用方法や設計開発の実例を紹介しながら、機械設計に関する基礎を講義形式で授業するものである。
授業の進め方・方法:
教科書に基づいた授業を基本とする。概要や補足事項を主に板書で説明する。身近なトピックスを取り上げたり、教員の実践経験の例を基に実物や図表を参照したりして理解を補い、関心を持てるようにする。計算式の活用については演習を行い、レポートで理解の進捗度をはかる。
注意点:
固体力学の基礎的な知識を前提とする。授業内容の習熟のために予習をしておくことが望ましい。また、授業で演習を行うので、電卓を持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
機械設計技術者
機械設計技術者について説明できる
2週 機械の定義、機械要素、標準化、規格 機械設計における機械要素、標準化、規格との関係を説明できる。
3週 機械設計、設計手順、設計支援 機械設計において考慮するべき事項を説明できる
4週 機械の寿命、安全・安心・環境 機械設計において考慮するべき事項を説明できる
5週 材料の強度・剛性、はりの曲げ(材料力学の復習・確認) 材料の強度・剛性について説明でき、機械設計に利用できる。
6週 はりの曲げ、演習 材料の強度・剛性について説明でき、機械設計に利用できる。
7週 材料力学演習、解説、 材料の強度・剛性について説明でき、機械設計に利用できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却、ねじの基本 ねじについて説明できる。
10週 ねじの力学(軸力と締付け力/緩め力の関係) ねじの締付け力/緩め力に関する力学的関係について説明できる。
11週 ねじの力学(締付けトルク、ねじ山の角度、みかけの摩擦係数) ねじの締付け力、ねじ山の角度(みかけの摩擦係数)について説明でき、計算できる。
12週 ねじの設計計算演習 ねじの力学的関係が説明でき、基本的な設計計算に利用できる。
13週 軸の設計要素(曲げ、ねじりによる強度計算) 軸の力学的関係について説明でき、計算できる。
14週 軸の設計要素(危険速度による強度計算)、軸継手 軸の危険速度について説明でき、計算できる。
15週 軸の設計計算演習 軸の力学的関係が説明でき、基本的な設計計算に利用できる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。3前1,前2,前3
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。3前1,前2,前3
標準規格を機械設計に適用できる。3前1,前2,前3
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4前9,前10,前11,前12
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4前10,前11,前12
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4前10,前11,前12
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4前13,前14,前15
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4前13,前14,前15
キーの強度を計算できる。4前14,前15
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4前14,前15

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000