知能ロボットシステム実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 知能ロボットシステム実験Ⅰ
科目番号 0137 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 なし
担当教員 日高 康展,古野 誠治,蒋 欣,寺井 久宣,新任

到達目標

1. 各種デバイスおよびそれらを統合したDCモータ制御系について理解し、説明できる。
2. 工具形状、切削条件が製品の表面形状に与える影響を説明できる。
3. シーケンス制御の理解と応用ができる。
4. MATLAB/Simulinkを用いた計算やシステムの解析ができる。
5. 実験結果・実験データを整理・加工、図表を活用、構成・内容が充実した実験レポートの作成ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1制御理論を十分に理解でき、チーム単独でシステムを実装でき、目的動作を達成できる。制御理論をある程度理解でき、教員および他のチームの補助があってシステムを実装でき、目的動作を達成できる。制御理論が理解できない。教員および他チームの補助があってもシステムを実装できず、目的動作を達成できない。
評価項目2NC旋盤による外周削りにおける加工誤差発生原因について独自の調査結果をふまえて考察できる。NC旋盤による外周削りにおける加工誤差発生原因について指示に基づいて説明できる。NC旋盤による外周削りにおける加工誤差発生原因について説明できない。
評価項目3シーケンス制御を理解し、実験を通してベルトコンベア、空気圧ロボットアームの制御の全体制御ができる。シーケンス制御をある程度理解でき、教員および他のチームの補助があってベルトコンベア、空気圧ロボットアームの制御の全体制御ができる。教員および他のチームの補助があってもベルトコンベア、空気圧ロボットアームの制御の全体制御ができない。
評価項目4MATLAB/Simulinkを用いた計算やシステムの解析ができる。MATLAB/Simulinkを用いた簡単な計算、解析ができる。MATLAB/Simulinkを用いて計算、解析ができない。
評価項目5実験結果から工学的に適切に考察し、レポートにまとめることができ、さらに改善点や応用範囲についても指摘できる。実験の内容・結果をまとめ考察しレポートにまとめることができる。実験の内容・結果をまとめることができず、十分に考察したレポートにまとめられない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
学習・教育到達度目標 C② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
学習・教育到達度目標 C③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学基礎知識をもとにその内容を考察することができる。
学習・教育到達度目標 C④ 実験や実習について、方法・結果・考察をまとめ、報告できる。

教育方法等

概要:
本実験は、知能ロボットシステムコースの4年生を対象にした工学実験である。実験を通して各種装置や器具の操作方法、測定原理を学び、さらにレポートの作成を通して考察力や表現力を身に付け、実践力に富んだ技術者になるために必要な基礎知識の習得と考察、表現力の育成を目的とする。
授業の進め方・方法:
本実験は「DCモータのフィードバック制御」「加工精度測定実験」「PLCによるシーケンス制御」「燃焼式カロリーメーターによる発熱量計測実験」の4つのテーマから構成されており、クラスは4つの班に分かれて1班10名程度、1テーマ3週で実施する。
注意点:
工学実験ではグループで行うため、無断で遅刻・欠席を決してしないこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
シラバスの説明、実験内容及び実施方法の説明
2週 DCモータのフィードバック制御
1週:マイコン制御の基本、エンコーダを用いたモータ回転角の測定
LED、スイッチ、ボリュームを用いてマイコン制御の基本を復習する。その上でエンコーダの使用方法を理解し、測定用プログラムを実装し、DCモータの回転角を測定できるようになる。
3週 DCモータのフィードバック制御
2週:DCモータのPWM制御
PWM制御について理解し、本実験に必要な制御回路を作成する。さらに、制御プログラムを実装し、DCモータをPWM制御できるようになる。
4週 DCモータのフィードバック制御
3週:DCモータのフィードバック制御
PID制御にについて理解する。その上で制御プログラムを実装し、DCモータをフィードバック制御できるようになる。
5週 加工精度測定実験
1週:NC旋盤による外周削りの説明。マイクロメータを用いた外径測定の説明。
NC旋盤による外周削りの原理を理解し、マイクロメータを用いた外径測定ができる。
6週 加工精度測定実験
2週:外周削り後の被削材の外径の測定結果から加工誤差の求め方の説明。加工誤差の分布をグラフ化する。
外周削り後の加工誤差の求め方を理解し、加工誤差の分布をグラフにして視覚化できる。
7週 加工精度測定実験
3週:加工誤差分布と加工誤差発生原因の関係の説明。レポート作成方法の説明。
NC旋盤による外周削りにおける加工誤差発生原因について説明できる。実験目的に沿った考察ができる。
8週 レポート整理
2ndQ
9週 PLCによるシーケンス制御
1週:PLCによる基本論理回路の確認実験を行う
シーケンス制御回路の設計ができるようになる。
10週 PLCによるシーケンス制御
2週:ベルトコンベアと押し出し機構の制御実験を行う
シーケンス制御の理解を深める。
11週 PLCによるシーケンス制御
3週:空気圧ロボットアームの制御実験を行う
シーケンス制御を応用して装置全体の制御ができるようになる。
12週 MATLAB / Simulink
1週:MATLABの基本的な操作方法
MATLABの基本的な操作方法を身につけることができる。
MATLABを用いて、行列計算、連立方程式の求解ができる。
13週 MATLAB / Simulink
2週:Simulinkの基本的な操作方法
Simulinkを用いて簡単な機械振動系モデルの運動の様子を可視化できる。
14週 MATLAB / Simulink
3週:MATLAB / Simulinkによる微分方程式の求解法
実験で得られたデータを適切な形に加工し、レポートを作成することができる。
15週 レポート整理 MATLAB / Simulinkを用いて、さまざまな微分方程式の解を求めることができる。
16週 定期試験なし

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前12,前13,前14
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前8,前15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前8,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前8,前15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前8,前15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

演習・レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00