熱システム工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 熱システム工学
科目番号 0149 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「熱工学 (機械系基礎工学5)」 鳥飼 欣一, 鈴木 康一, 岡田 昌志, 飯沼 一男, 須之部 量寛(朝倉書店)
担当教員 安信 強

到達目標

1. 伝熱工学の理論を用いて、熱移動に関する基本的な計算ができる。
2. 蒸気表と蒸気線図を用いて、蒸気の数値を求めることができる。
3. 蒸気原動所サイクルの概念が説明でき、基本的な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱移動・伝熱の理論熱移動に関する基本的な計算ができ、計算結果を発展させた考察ができる。熱移動に関する基本的な計算ができる。熱移動に関する基本的な計算ができない。
蒸気の性質と基本的な物理量蒸気表と蒸気線図を用いて、蒸気の数値を求めることができ、応用問題に拡張できる。蒸気表と蒸気線図を用いて、蒸気の数値を求めることができる。蒸気表と蒸気線図を用いて、蒸気の数値を求めることができない。
蒸気サイクルの性質と効率種々の蒸気原動所サイクルの概念が説明でき、計算結果を発展させた考察ができる。種々の蒸気原動所サイクルの概念が説明でき、基本的な計算ができる。種々の蒸気原動所サイクルの概念が説明できず、基本的な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
熱力学Ⅰ、熱力学Ⅱに引き続いて、熱と機械的仕事のエネルギー変換について学び、これらの基礎的な学問がどのように生かされているかについて理解を深めることを目的とする。特にこの授業では、蒸発現象(蒸気)と熱移動に焦点をあてる。
授業の進め方・方法:
主として、蒸気の熱力学、蒸気原動所に関する種々のサイクル、および熱移動現象の基礎的事項について学習する。簡単な演習問題を授業の最後に行うので、電卓を必要とする。対数計算や微分積分など、数学での既学習内容を理解していることが前提となる。
注意点:
4年生の熱力学Ⅰ、熱力学Ⅱに関する基本的な知識が必要である。授業内容の理解に努めること。授業で演習を行うので、電卓を持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.熱移動(1)
・熱伝導の原理と理論
熱伝導の概念を理解し、熱移動量を計算できる。
2週 1.熱移動(2)
・熱伝達の原理と理論
熱伝達の概念を理解し、熱移動量を計算できる。
3週 1.熱移動(3)
・熱伝達の原理と理論
熱伝達の概念を理解し、熱移動量を計算できる。
4週 1.熱移動(4)
・熱貫流の計算
熱貫流の概念を理解し、熱移動量を計算できる。
5週 1.熱移動(5)
・熱交換器と対数平均温度差
熱交換器の原理と対数平均温度差の概念を理解し、移動熱量と効率を計算できる。
6週 1.熱移動(6)
・放射熱伝達の理論と計算
放射熱伝達の概念を理解し、熱移動量を計算できる。
7週 2.蒸発現象(1)
・飽和蒸気表、過熱蒸気表、蒸気線図
蒸気表、蒸気線図から値を読み取ることができる。
8週 中間試験 1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を確認する。
2ndQ
9週 2.蒸発現象(2)
・圧力一定の場合の計算
圧力一定の下での蒸発現象および用語を理解できる。
10週 2.蒸発現象(3)
・温度一定の場合の計算
温度一定の下での蒸発現象および用語を理解できる。
11週 2.蒸発現象(4)
・蒸気の状態変化
蒸気線図上に状態変化を作図でき、値を読み取ることができる。
12週 3.蒸気原動所サイクル(1)
・ランキンサイクル
ランキンサイクルの概念を理解できる。
13週 3.蒸気原動所サイクル(2)
・ランキンサイクル
ランキンサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
14週 3.蒸気原動所サイクル(3)
・ランキンサイクル
ランキンサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
15週 3.蒸気原動所サイクル(4)
・再生サイクル
再生サイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
16週 定期試験 9〜15週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学の第一法則を説明できる。3前9,前10,前11
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3前9,前10,前11
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3前9,前10,前11
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3前9,前10,前11
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3前12,前13,前14,前15,前16
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3前12,前13,前14,前15,前16
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4前12,前13,前14,前15,前16
サイクルをT-s線図で表現できる。4前12,前13,前14,前15,前16

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000