流れ学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 流れ学
科目番号 0157 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「学生のための流体力学入門」 利光 和彦, 菊川 裕規, 早水 庸隆, 樫村 秀男, 安信 強, 高尾 学 (パワー社)
担当教員 樫村 秀男

到達目標

1. 流れの種類や可視化方法を説明できる。
2. オイラーの運動方程式、質量保存則、エネルギー保存則、ベルヌーイの定理、運動量保存則を説明できる。
3. 層流と乱流の違い、レイノルズ数を説明でき、ダルシー・ワイズバッハの式やムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。
4. 流れの中に置かれた物体に作用する抗力、揚力を説明および計算できる。
5. 圧縮性流れの特徴が説明でき、等エントロピー流れの基本的な計算ができる。
6. 衝撃波の種類や特徴が説明でき、基本的な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1オイラーの運動方程式、質量保存則、エネルギー保存則、ベルヌーイの定理、運動量保存則を理解し、流れの分類と可視化方法を理解して説明できる。オイラーの運動方程式、質量保存則、エネルギー保存則、ベルヌーイの定理、運動量保存則、流れの分類と可視化方法を説明できる。オイラーの運動方程式、質量保存則、エネルギー保存則、ベルヌーイの定理、運動量保存則、流れの分類と可視化方法を説明できない。
評価項目2物体まわりの流れの原理を理解し、計算できる。物体まわりの流れの原理について授業で教えた内容を理解し、計算できる。物体まわりの流れの原理について授業で教えた内容を理解できず、計算できない。
評価項目3層流と乱流の違い、レイノルズ数を理解し、ダルシー・ワイズバッハの式やムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。層流と乱流の違い、レイノルズ数を説明でき、ダルシー・ワイズバッハの式やムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。層流と乱流の違い、レイノルズ数を説明できず、ダルシー・ワイズバッハの式やムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができない。
評価項目4気体の等エントロピー流れの原理、衝撃波の特徴と分類について理解し、計算できる。気体の等エントロピー流れの原理、衝撃波の特徴について授業で教えた内容を理解し、計算できる。気体の等エントロピー流れの原理、衝撃波の特徴について授業で教えた内容を理解できず、計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
多岐にわたる流れ学に関する事項のうち、基礎的でかつ重要と思われる部分を総括的に学習することを目的とする。
前半は運動量保存則の流体機器への利用、管内の内部流れについて学習する。
後半は流れの中に置かれた平板・円柱・翼などの外部流れ、圧縮性を考慮した気体の高速流れについて学習する。
授業の進め方・方法:
微分方程式などの高度な数学的手法を多用せずに、図や写真を用いて流れの中で生じる種々の現象について理解を深める。
授業の最後に可能な限り、簡単な練習問題を取り入れる。水力学と熱力学に関する基本的な知識が必要である。
注意点:
水力学と熱力学に関する基本的な知識が必要である。授業内容の理解に努めること。授業で演習を行うので、電卓を持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流れの分類と可視化方法
・流れの可視化法、粘性と圧縮性、一様流と非一様流、流れの次元
流れの分類と可視化方法が説明できる。
2週 運動方程式およびエネルギー保存の法則
・流体粒子の加速度、オイラーの運動方程式
運動方程式およびエネルギー保存の法則を説明でき、法則を使った計算ができる。
3週 運動量保存の法則(1)
・運動量および角運動量の法則、平板と曲面壁に作用する流体力
運動量保存の法則が説明でき、法則を使った計算ができる。
4週 運動量保存の法則(2)
・運動量および角運動量の法則、平板と曲面壁に作用する流体力
運動量保存の法則が説明でき、法則を使った計算ができる。
5週 管内の流れ(1)
・摩擦法則、境界層、ハーゲンポアゾイユ流れ、レイノルズ数、管摩擦損失
管内の流れが説明でき、レイノルズ数を使った計算ができる。
6週 管内の流れ(2)
・摩擦法則、境界層、ハーゲンポアゾイユ流れ、レイノルズ数、管摩擦損失
管内の流れおよびカルマン渦列が説明できる。
7週 物体まわりの流れ(1)
・カルマン渦列
物体まわりの流れが説明でき、揚力や抗力などが計算できる。
8週 中間試験 1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を確認する。
2ndQ
9週 物体まわりの流れ(2)
・揚力と抗力、翼形
物体まわりの流れが説明でき、揚力や抗力などが計算できる。
10週 圧縮性流れの特徴と音波、マッハ円錐
・マッハ波、超音速流れ、衝撃波
・音速、微小振幅波
圧縮性流れの特徴、マッハ波、超音速流れ、衝撃波音波とマッハ円錐について説明ができ、音速などが計算できる。
11週 先細ノズルからの気体の噴出
・流れの閉塞現象
流れの閉塞現象について説明でき、流量やマッハ数が計算できる。
12週 気体の等エントロピー流れ
・ノズル、ディフューザー
気体の等エントロピー流れについて説明でき、流量やマッハ数が計算できる。
13週 ラバールノズル内の流れ
・種々の超音速噴流
ラバールノズル内の流れについて説明でき、圧力分布等が計算できる。
14週 衝撃波(1)
・衝撃波の性質と発生、プラントルの式、ランキンユゴニオの式
衝撃波について説明でき、圧力などが計算できる。
15週 衝撃波(2)
・衝撃波の性質と発生、プラントルの式、ランキンユゴニオの式
衝撃波について説明でき、圧力などが計算できる。
16週 定期試験 1〜15週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体定常流と非定常流の違いを説明できる。4前1
流線と流管の定義を説明できる。4前1
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前2
オイラーの運動方程式を説明できる。4前2
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前2
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前3,前4
層流と乱流の違いを説明できる。4前5,前6
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4前5,前6
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4前5,前6
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4前5,前6
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000