知能ロボットシステム実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 知能ロボットシステム実験Ⅱ
科目番号 0162 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 なし
担当教員 安信 強,久池井 茂,久野 翔太郎,富永 歩

到達目標

1. 産業用ロボットのシミュレータについて理解し、実際の現場を想定したシミュレーションを構築することができる。
2. 柔軟はりの振動計測と直接速度フィードバック制御
3. デジタル技術を活用したバリューチェーンマネジメント演習
4. 空気機械の性能測定実験
5. 実験結果・実験データを整理・加工、図表を活用、構成・内容が充実した実験レポートの作成ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
産業用ロボットシミュレータ実習シミュレータ上で複数台ロボットモデルおよびワークモデルを配置し、工場の生産ラインを想定した複数台ロボットの協調動作シミュレーションが実装できる。シミュレータ上でロボットモデルおよびワークモデルの作成ができ、ワークの搬送シミュレーションができる。シミュレータの基本操作が理解できず、ロボットモデルとワークモデルの配置ができない。
柔軟はりの振動計測と直接速度フィードバック制御はりの固有振動現象と直接フィードバック制御による制振を理解し、振動実験の結果を適切にまとめることができる。はりの固有振動現象を理解し、振動実験を実施することができる。はりの固有振動現象を理解することができず、振動実験を実施することができない。
デジタル技術を活用したバリューチェーンマネジメント演習バリューチェーンマネジメントの概要について説明できる。バリューチェーンマネジメントの概要について理解できる。バリューチェーンマネジメントの概要について理解できない。
評価項目4
評価項目5実験結果から工学的に適切に考察し、レポートにまとめることができ、さらに改善点や応用範囲についても指摘できる。実験の内容・結果をまとめ考察しレポートにまとめることができる。実験の内容・結果をまとめることができず、十分に考察したレポートにまとめられない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
学習・教育到達度目標 C② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
学習・教育到達度目標 C③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学基礎知識をもとにその内容を考察することができる。
学習・教育到達度目標 C④ 実験や実習について、方法・結果・考察をまとめ、報告できる。

教育方法等

概要:
本実験は、知能ロボットシステムコースの5年生を対象にした工学実験である。実験を通して各種装置や器具の操作方法、測定原理を学び、さらにレポートの作成を通して考察力や表現力を身に付け、実践力に富んだ技術者になるために必要な基礎知識の習得と考察、表現力の育成を目的とする。
授業の進め方・方法:
本実験は「産業用ロボットシミュレータ実習」「柔軟はりの振動計測と直接速度フィードバック制御」「IoTプラットフォーム技術による実践スマート制御」「空気機械の性能測定実験」の4つのテーマから構成されており、クラスは4つの班に分かれて1班10名程度、1テーマ3週で実施する。
注意点:
工学実験ではグループで行うため、無断で遅刻・欠席を決してしないこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
シラバスの説明、実験内容及び実施方法の説明
2週 産業用ロボットシミュレータ実習
1週:シミュレーションソフトの基本操作とモーション作成
産業用ロボットシミュレータを起動し基本的な操作方法が理解できる。順運動学によるモーションの作成ができる。逆運動学によるモーションの作成ができる。Point-to-Pointなモーションにおける軌道の作成ができる。順運動学と逆運動学の違いが説明できる。
3週 産業用ロボットシミュレータ実習
2週:ワークの配置及び搬送シミュレーション
シミュレータ内にワークを配置し、ワークの搬送を行うモーションの作成ができる。シミュレータにおける各モデルの親子関係が説明できる。
4週 産業用ロボットシミュレータ実習
3週:複数台ロボットによる協調動作
工場の生産ラインを想定した複数台ロボットの協調作業のシミュレーションが作成できる。
5週 柔軟はりの振動計測と直接速度フィードバック制御
1週:柔軟はりの曲げ振動の固有振動数算出とアクチュエータによる柔軟はりの加振実験
柔軟はりの曲げ振動における固有振動数を算出し、アクチュエータによる柔軟はりの加振実験結果と比較することができる。
6週 柔軟はりの振動計測と直接速度フィードバック制御
2週:インパルス応答を利用した柔軟はりの固有振動数計測
インパルス応答を利用した固有振動数の計測理論を理解し、インパルス入力による柔軟はりの振動計測実験を行うことができる。
7週 柔軟はりの振動計測と直接速度フィードバック制御
3週:柔軟はりの直接速度フィードバック制御
直接速度フィードバック制御の理論を理解し、直接速度フィードバックによる柔軟はりの曲げ振動低減実験を行うことができる。
8週 レポート整理
4thQ
9週 デジタル技術を活用したバリューチェーンマネジメント演習
1週:
企画 / 開発(ソフト・ハード) / マネージメント / 販売 などの担当に分かれ、アイデアを考案する。
10週 デジタル技術を活用したバリューチェーンマネジメント演習
2週:
AI等のデジタル技術とハードウェアを駆使したアイデアを検討し、開発する。
11週 デジタル技術を活用したバリューチェーンマネジメント演習
3週:
グループで作り上げた製品の​販売プレゼンテーションを行い、評価を受ける。
12週 空気機械の性能測定実験
1週:
13週 空気機械の性能測定実験
2週:
14週 空気機械の性能測定実験
3週:
15週 レポート整理
16週 定期試験なし

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後12,後13,後14
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後5,後6,後7
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4後1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4後1
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4後1,後8,後15
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4後8,後15

評価割合

演習・レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00