電気電子工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅰ
科目番号 0006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 生産デザイン工学科(電気電子コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 配布プリント
担当教員 磯崎 裕臣,本郷 一隆,松本 圭司,田上 英人,二宮 慶

到達目標

1. 各テーマに対して実験内容や機器・回路などの動作原理が理解できる。B①②, C①②③, E②
2. 電圧計、電流計、オシロスコープといった計測機器の使用方法を習熟する。B①②, C①②③, E②
3. 直流電動機や発振機の運転法に習熟する。B①②, C①②③, E②
4. パソコンによる外部機器の制御法に習熟する。B①②, C①②③, E②
5. レポートの作成・提出によりデータの処理法および文章表現能力などを習得する。B①②, C①②③, E②

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験の取り組み実験に必要な知識を有し、教員の助言なしに、自分だけで実験を遂行できる。実験に必要な知識を有し、教員の助言があれば、自分だけで実験を遂行できる。実験に必要な知識を有しておらず、教員が中心にならないと実験ができない。
実験内容の理解実験の背景にある原理原則を理解し、実験の目的を説明できる。実験の目的を理解し、実験の目的を説明できる。実験の背景にある原理原則を理解しておらず、実験の目的が説明できない。
レポート作成、データ処理レポート作成に必要なデータ処理に加え、読む立場を考えたレポートを作成できる。レポート作成に必要なデータ処理を行い、体裁の整ったレポートが作成できる。レポート作成やそれに必要なデータ処理を行えない
実験機器、計測機器の扱い実験機器や計測機器を教員の助言なしに自分だけで扱える実験機器や計測機器を教員の助言があれば扱える実験機器や計測機器を教員の操作なしで扱えない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)電気機器の基本特性を理解し、その取り扱い法を習得することを目的とする。
(2)電力測定の基本原理を理解し、その測定法を習得することを目的とする。
(3)共振、相互誘導など交流回路の現象を理解し、観測することを目的とする。
(4)パソコンを利用した外部機器の制御を体験することを目的とする。
授業の進め方・方法:
毎週10班に分かれ、ローテンションで各実験に取り組む。各実験は、予習事項の確認・実験・まとめという順に行われる。
前・後期ともに工場見学を実施する。
注意点:
事前に指示された項目および課題を予習しておくことが実験着手の必須条件である。
特に電気機器の実験に際しては安全に十分心掛ける必要がある。 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 電圧計・電流計の取り扱い方と分圧分流回路 電圧計・電流計の取り扱い方と分圧分流回路の原理を理解し、説明できる。
3週 ホイートストンブリッジによる中位抵抗の測定 ホイートストンブリッジによる中位抵抗の測定の原理を理解し、説明できる。
4週 直流分巻電動機の始動、回転方向転換、速度制御及び直流他励発電機の無負荷試験 直流分巻電動機の始動、回転方向転換、速度制御及び直流他励発電機の無負荷試験の原理を理解し、説明できる。
5週 直流分巻電動機及び他励発電機の外部負荷特性 直流分巻電動機及び他励発電機の外部負荷特性の原理を理解し、説明できる。
6週 レポートのまとめ
7週 レポートのまとめ
8週 ダイオード回路と電圧波形観測 ダイオード回路と電圧波形観測の原理を理解し、説明できる。
2ndQ
9週 抵抗・コイル・コンデンサ回路の電圧波形観測 抵抗・コイル・コンデンサ回路の電圧波形観測の原理を理解し、説明できる。
10週 トランジスタの基本動作 トランジスタの基本動作の原理を理解し、説明できる。
11週 論理ゲート回路と加算器 論理ゲート回路と加算器の原理を理解し、説明できる。
12週 マイコンを用いたA/D、D/A変換 マイコンを用いたA/D、D/A変換の原理を理解し、説明できる。
13週 マイコンを用いた入出力と割り込み処理 マイコンを用いた入出力と割り込み処理の原理を理解し、説明できる。
14週 工場見学
15週 レポートのまとめ
16週 レポートのまとめ
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 単相変圧器の特性試験 単相変圧器の特性試験の原理を理解し、説明できる。
3週 カップ返還法による直流分巻電動機の負荷試験 カップ返還法による直流分巻電動機の負荷試験の原理を理解し、説明できる。
4週 三相回路の電力測定 三相回路の電力測定の原理を理解し、説明できる。
5週 レポートのまとめ
6週 レポートのまとめ
7週 三電圧法、三電流計法による単相電力の測定 三電圧法、三電流計法による単相電力の測定の原理を理解し、説明できる。
8週 損失分離法による直流複巻電動機の効率試験 損失分離法による直流複巻電動機の効率試験の原理を理解し、説明できる。
4thQ
9週 ワード・レオナード方式による直流電動機の速度制御 ワード・レオナード方式による直流電動機の速度制御の原理を理解し、説明できる。
10週 直列共振回路 直列共振の原理を理解し、説明できる。
11週 トランジスタの電圧増幅回路 トランジスタの電圧増幅回路の原理を理解し、説明できる。
12週 PLCの基礎とシーケンス制御 PLCの基礎とシーケンス制御の原理を理解し、説明できる。
13週 マイコンを用いた自動制御 マイコンを用いた自動制御の原理を理解し、説明できる。
14週 工場見学
15週 レポートのまとめ
16週 レポートのまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3前1,前2,前3,後4,後7
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3前2,前3,前4,前5,前8,前9,前10,後2,後3,後4,後7,後8,後9,後10,後11
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3前2
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3前2
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3後4
電力量の測定原理を説明できる。3後4
オシロスコープの動作原理を説明できる。3前8
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4前2
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4前3,前9
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4前8
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4前1,後1
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4前2
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4前2
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4前3
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4
共振について、実験結果を考察できる。4後10
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。2後11
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3前11
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前8
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前10

評価割合

試験レポート相互評価取り組み姿勢ポートフォリオその他合計
総合評価割合09001000100
基礎的能力0000000
専門的能力09001000100
分野横断的能力0000000