電気機器Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電気機器Ⅰ
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(電気電子コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「電気機械工学」 天野 寛徳、常広 譲(電気学会)
担当教員 松本 圭司

到達目標

1.直流機の原理と構造を説明できる。
2.変圧器の原理と構造を説明できる。
3.電磁誘導と電磁力の相互作用を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1直流機の構造、原理、基本特性を十分に理解しており、等価回路を用いて諸量を計算することができる直流機の原理から構造を説明でき、基本的な特性を理解している直流機の原理および構造を理解していない
評価項目2変圧器の構造、原理、基本特性を十分に理解しており、等価回路を用いて諸量を計算することができる変圧器の原理から構造を説明でき、基本的な特性を理解している変圧器の原理および構造を理解していない
評価項目3電磁誘導と電磁力の発生原理や相互作用を用いて直流機および変圧器の動作が説明でき、諸量を計算することができる電磁誘導と電磁力の発生原理および相互作用を説明でき、諸量を計算することができる電磁誘導および電磁力の相互作用を理解していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
産業の基幹を構成する重要な要素である直流機および変圧器を電磁誘導を応用したエネルギーの相互変換器として捉え、その原理、特性を理解することを主な目的とする。
授業の進め方・方法:
エネルギー変換の基礎原理であるフレミングの法則により直流機および変圧器の原理を説明し、それぞれの機器の特性を理解できるようにする。また、等価回路を用いて各種の値の計算ができるようにする。
注意点:
電気回路学の知識を前提として講義を進めるため、基礎科目の理解を深めておくことが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(直流機とはどういうものか) 直流機がどのように使用されているのを理解できる
2週 電気-機械エネルギー変換 電磁力と電磁誘導について理解できる
3週 発電機作用と電動機作用 フレミング則と簡単なモデルを用いてエネルギー変換が理解できる
4週 直流発電機の原理 主要構成要素のみの簡単なモデルを用いて直流発電機の原理と構造が理解できる
5週 直流電動機の原理 主要構成要素のみの簡単なモデルを用いて直流電動機の原理と構造が理解できる
6週 電機子巻線法 直流機内部の構造、波巻および重ね巻の特徴が理解できる
7週 直流機のトルクと誘導起電力 回転子の構造からトルクと誘導起電力の式を導出することができる。
8週 中間試験 1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
2ndQ
9週 直流機の回転表現と基本式 励磁回路および電機子回路に関する基本式が理解できる
10週 電機子反作用 直流機に負荷がかかった場合の磁束分布の変化が理解できる
11週 直流発電機の種類と構造 他励、分巻などの構造説明とそれぞれの特徴が理解できる
12週 様々な直流発電機の特性 主に他励、分巻、複巻発電機に対する無負荷特性および負荷特性が基本式と共に理解できる
13週 直流電動機の種類と構造 様々な直流電動機の構造とぞれぞれの特徴が理解できる
14週 様々な直流電動機の特性 主に他励、分巻、直巻電動機に対する速度特性およびトルク特性が基本式と共に理解できる
15週 期末試験 9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
16週 答案返却 定期試験の内容を理解する
後期
3rdQ
1週 直流電動機の始動および速度制御 直流電動機を始動する際に気をつけること、速度制御を行う場合に重要となるパラメータが理解できる
2週 ワードレオナード法、静止レオナード法 2つの電圧制御法を用いた直流電動機の速度制御が理解できる
3週 直流機の損失と効率 直流機に内在する損失の種類および直流機の効率の算出法が理解できる
4週 ガイダンス(変圧器とはどういうものか) 変圧器がどのように利用されているかが理解できる
5週 変圧器の原理 電磁誘導結合によって電力を伝達するしくみが理解できる
6週 変圧器の基本式による表現 磁気抵抗などの基本式を用いて、一次側と二次側の誘導起電力の導出法が理解できる
7週 理想変圧器 変圧器に内在する損失およびそれらを除外した理想変圧器を理解できる
8週 中間試験 1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
4thQ
9週 実際の変圧器 損失を考慮した変圧器の考え方が理解できる
10週 変圧器の等価回路 励磁回路や損失をどのように回路で表現するのかが理解できる
11週 簡易等価回路 等価回路表示した変圧器を簡単に解析するための簡易等価回路が理解できる
12週 無負荷試験と短絡試験 実際の変圧器から簡易等価回路の各パラメータを見つけ出す方法が理解できる
13週 変圧器の電圧変動率 百分率降下を理解し、電圧変動率の算出法が理解できる
14週 変圧器の効率 変圧器の効率の算出法が理解できる
15週 期末試験 9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
16週 答案返却 定期試験の内容を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
電磁気電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。4
磁気エネルギーを説明できる。3
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。3
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。3
直流機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。3
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。3

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000