物理I

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理I
科目番号 0030 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(電気電子コース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「総合物理1」 植松恒夫 他(啓林館),「セミナー物理基礎+物理」 第一学習社編集部 (第一学習社)
担当教員 宮内 真人,菊地 真吏子,鎌田 慶宣

到達目標

物理学の学習を通じて,自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を見につけさせる.さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識させることを基本目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理学の理論にそって自然現象を説明できる物理学の理論にそって自然現象を考えることができる物理学の理論にそって自然現象を考えることができない
評価項目2数式の物理的意味を説明できる数式の物理的意味を知っている数式の物理的意味を知らない
評価項目3物理量を正しく求めることができる物理量の求め方を知っている物理量の求め方を知らない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学の学習を通じて,自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を見につけ去る.さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識させる.
授業の進め方・方法:
全員が理解する事を基本方針とする.そのために検定教科書を用いた講義により物理的な内容の理解に努め,問題演習,実験,小テストを折り込みながら講義を進める.また,講義内容に対して現実感を持たせるため,教員による模範実験(デモンストレーション)を随時織り込むほか,数回の一斉実験も行う.
注意点:
・授業で課せられる演習問題課題への提出が求められる.
・1日2問ノート,夏期課題,冬期課題を課します.提出日に遅れないようにして下さい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
等速円運動の角速度・速度・加速度
・等速円運動をする物体の角速度,速度,加速度に関する計算ができる.
2週 等速円運動の角速度・速度・加速度 ・等速円運動をする物体の角速度,速度,加速度に関する計算ができる.
3週 向心力・慣性力・遠心力 ・等速円運動をする物体の周期,回転数,向心力に関する計算ができる.
4週 円錐振り子 ・円錐振り子の物理的な意味を説明でき,計算ができる.
5週 ケプラーの法則 ・惑星の運動を理解し,ケプラーの法則を用いて計算することができる.
6週 万有引力と重力,万有引力の位置エネルギー ・万有引力を求めることができる.
・万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる.
7週 万有引力と重力,万有引力の位置エネルギー ・万有引力を求めることができる.
・万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる.
8週 中間試験 ・既習領域の問題を解くことができる.
2ndQ
9週 試験内容について解説
第1宇宙速度と第2宇宙速度
・試験内容を理解する
・第1宇宙速度,第2宇宙速度を理解し,計算により速度を求めることができる.
10週 第1宇宙速度と第2宇宙速度
・第1宇宙速度,第2宇宙速度を理解し,計算により速度を求めることができる.
11週 熱と温度, 熱平衡状態,熱容量,比熱 ・温度は熱運動の激しさを表す物理量であることがわかり,セルシウス温度を絶対温度への変換ができる.
・熱の移動によって熱平衡状態に達することについて説明できる.
・熱量・熱容量・比熱の違いがわかり計算ができる.
・熱量保存の法則を理解し,物体の比熱を求めることができる.
12週 熱量保存の法則,ボイル・シャルルの法則
・熱量保存の法則を理解し,物体の比熱を求めることができる.
・動摩擦力がする仕事は,一般に熱に変換されることを理解する
・ボイルの法則・シャルルの法則を理解し,物質の状態変化の計算ができる.
13週 実験:比熱測定の実験 ・物体の温度変化を測定し, エネルギーの変換と保存の法則を理解し,物体の比熱を求めることができる.  
・有効数字を理解して, データを集計できる.
・測定結果をまとめ, レポートを書くことができる.
14週 気体分子の運動 ・気体の分子運動が気体の状態を変化させることを理解し,気体の状態方程式を用いて計算できる.
・気体の内部エネルギーについて説明できる.
15週 期末試験
・既習領域の問題を解くことができる.
16週 試験内容について解説
熱力学第1法則,気体の状態変化,内部エネルギー
・試験内容を理解する
・熱力学第一法則を理解し,熱量のやりとり,内部エネルギーの変化,気体がした仕事を求めることができる.
後期
3rdQ
1週 熱力学第1法則,気体の状態変化,内部エネルギー,熱効率 ・熱力学第一法則を理解し,熱量のやりとり,内部エネルギーの変化,気体がした仕事を求めることができる.
・気体の定積変化,定圧変化,等温変化,断熱変化について理解し,様々な物理量を計算できる.
・熱機関の熱効率に関する計算ができる.
2週 不可逆変化,エネルギーの移り変わり ・不可逆変化について具体例を挙げて説明できる.
・エネルギーは様々形態を変えて移り変わることができることを理解する.
3週 単振動の速度,加速度,復元力 ・単振動における周期,振動数,速度,加速度,力の関係を求めることができる.
・単振動の位置,速度,加速度のグラフを書くことができる.
4週 ばね振り子 ・バネ振り子の周期を求めることができる.
5週 単振り子 ・単振り子の周期を求めることができる.
6週 実験:単振り子の実験
・単振り子の周期測定を行い,重力加速度を求めることができる.
・有効数字を理解して, データを集計できる.
・測定結果をまとめ, レポートを書くことができる.
7週 単振動の力学的エネルギー
・単振動の力学的エネルギーを求めることができる.
8週 中間試験 .既習領域の問題を解くことができる.
4thQ
9週 試験内容について解説
波の性質,横波と縦波
・中間試験の内容を理解する.
・波の振幅,波長,周期,振動数,速さについて説明できる.
・横波と縦波の違いについて説明できる.
10週 正弦波の式 ・正弦波の式を説明できる.
・波形のグラフを書くことができる.
11週 波の重ね合わせ
定常波・反射・屈折・干渉
ホイヘンスの原理
・波の重ね合わせを理解し,合成波形を作図できる.
・波の独立性について説明できる.
・2つの波の干渉によって,互いに強め合う条件と弱め合う条件を説明できる.
・定常波の振動の特徴を説明できる.
・波の反射について説明できる.
・ホイヘンスの原理によって屈折の法則と回折を説明できる.
12週 音の性質・反射・屈折・回折・干渉・うなり
気柱の振動,弦の振動
・音の性質について説明できる.
・弦の長さと,弦を伝わる波の速さから,弦の固有振動数を求めることができる.
・気柱の長さと音速から,閉環・開館の固有振動数を求めることができる.
・共鳴,共振現象について具体例を上げることができる.
13週 実験:気柱共鳴の実験 ・気柱での共鳴点を測定し,音叉の固有振動数や音速を求めることができる.
・開口端補正を求めることができる.
・測定データを適切に処理し報告書を書くことができる.
14週 ドップラー効果 ・ドップラー効果を説明することができる.
・ドップラー効果から,計算により速度,音速を求めることができる.
15週 光の性質,ヤングの干渉,回折格子 ・自然光と偏光の違い位について説明できる.
・ヤングの干渉実験,回折格子について説明できる.
・屈折の法則に関する計算ができる.
・波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを理解している.
16週 定期試験内容について解説 ・定期試験の内容を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前9,前10,前11,前12
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前9,前10,前11,前12
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前1,前2,前3,前4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前5,前6,前7
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前5,前6,前7
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後9
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後9,後14
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後9,後14
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後9,後10,後14
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後10
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3後10
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後11,後12,後13
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後11,後12,後13
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後11,後12,後13,後15
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後11,後12,後13,後15
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後11,後12,後13,後15
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前13,前14
横波と縦波の違いについて説明できる。3前13,前14
波の重ね合わせの原理について説明できる。3後1,後2
波の独立性について説明できる。3後1,後2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3後1,後2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3後1,後2
ホイヘンスの原理について説明できる。3後1,後2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3後1,後2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3後3,後4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3後5
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3後3,後4,後5
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後6
自然光と偏光の違いについて説明できる。3後7
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3前1,後7
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3後7
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前12,後5,後14
安全を確保して、実験を行うことができる。3前12,後5,後14
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前12,後5,後14
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前12,後5,後14
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前12
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後14
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後5
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前12,後5,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前12,後5,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前12,後5,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前12,後5,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前12,後5,後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前12,後5,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前12,後5,後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前12,後5,後14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前12,後5,後14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前12,後5,後14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前12,後5,後14

評価割合

試験課題テスト小テスト態度演習・レポートその他合計
総合評価割合4413130300100
基礎的能力0000000
専門的能力4413130300100
分野横断的能力0000000