電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(電気電子コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 例題で学ぶアナログ電子回路入門 (樋口英世 著) 森北出版
担当教員 前川 孝司

到達目標

1)半導体素子の動作原理と電流電圧特性を理解できる。
2)エミッタ接地方式による増幅回路のバイアス回路計算と交流信号特性が理解出来る。
3)負帰還増幅回路の特徴を理解し,特性の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体素子(ダイオード・トランジスタ・電界効果トランジスタ)の構造・動作原理・電流電圧特性について説明できる。半導体素子の一部の構造・動作原理・電流電圧特性を説明できる。半導体素子の構造と動作原理については説明できるが、諸特性の計算が出来ない。
評価項目2増幅回路のバイアス回路の計算、交流信号特性解析がそれぞれ出来、それらを応用し、具体的な設計を行なうことが出来る。増幅回路のバイアス回路の計算、増幅回路に交流信号が入力された場合の特性を図式と等価回路によって説明できる。増幅回路のバイアス回路は示すことは出来るが、諸特性の計算が出来ない。
評価項目3負帰還増幅回路の特徴を理解し、動作についても説明が出来、諸特性についての計算することが出来る。負帰還増幅回路の特徴を理解し、諸特性についての計算することが出来る。負帰還増幅回路の信号の流れなどは説明できるが、諸特性については計算し求めることが出来ない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
各種電子機器の動作を理解するために、電子回路の基礎として半導体素子(ダイオード,バイポーラトランジスタ,FET)を用いた回路の動作について理解し、解析手法を習得することによって諸特性の計算ができることを目的とする。
授業の進め方・方法:
各種電子回路の原理を理解する。様々な電子機器への応用例を示しながら講義を進め、実用的な電子回路の概念が芽生えるようにする。
注意点:
1)数学(代数学など)、電気回路を十分に理解しておくこと。
2)電卓を持ってくること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子回路の基礎1 電気回路と電子回路、アナログ回路とディジタル回路の違いを理解できる
2週 電子回路の基礎2 回路素子(R/L/C)の特性ならび変圧器について理解できる
3週 半導体の基礎1 Siを中心とした原子の構造、固体の電子構造について理解できる
4週 半導体の基礎2 Siを中心としたバンド理論について理解できる
5週 PN接合とダイオード1 PN接合における空乏層形成とキャリアの動き、電位分布について理解できる
6週 PN接合とダイオード2 ダイオードの構造と動作原理について理解できる
7週 PN接合とダイオード3 ダイオードの電流電圧特性に負荷線を描き、電流を計算することが出来る。
8週 中間試験
2ndQ
9週 バイポーラトランジスタ1 トランジスタの構造・動作を理解できる
10週 バイポーラトランジスタ2 トランジスタの電流・電圧・電力の増幅作用について理解できる
11週 トランジスタの静特性1 トランジスタの動作と静特性について理解できる
12週 トランジスタの静特性2 負荷線を描き、動作点を求めることができる
13週 バイアス回路1 固定バイアス回路について理解し、説明できる
14週 バイアス回路2 自己バイアス回路について理解し、説明できる
15週 バイアス回路3 電流帰還バイアス回路について理解し、説明できる
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 トランジスタの等価回路1 hパラメータを用いた逆π型等価回路に変換することができる
2週 トランジスタの等価回路2 T型等価回路に変換することができる
3週 トランジスタの等価回路3 各等価回路を用いて、回路解析ができる
4週 増幅回路の基礎1 動特性について理解できる。
5週 増幅回路の基礎2 交流の小信号が入力された場合の諸特性を特性図から求めることができる
6週 増幅回路の基礎3 交流の小信号が入力された場合の諸特性を等価回路を用いて計算から求めることができる
7週 増幅回路の基礎4 周波数特性・利得の定義・デシベルの計算法について理解できる
8週 中間試験
4thQ
9週 RC結合増幅回路1 雑音・ひずみについて理解できる。
10週 RC結合増幅回路2 周波数が中域における諸特性を求めることが出来る
11週 RC結合増幅回路3 各周波数領域において、等価回路による回路解析が出来る
12週 RC結合増幅回路4 直流負荷線・交流負荷線から回路の動作点を適切に設定することができる
13週 負帰還増幅回路1 正帰還と負帰還について違いを理解し、負帰還の特徴について理解できる
14週 負帰還増幅回路2 電圧増幅率である閉ループ利得をループ利得と開ループ利得から算出できる
15週 負帰還増幅回路3 電流直列帰還回路において所得性を求めることができる
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前5,前6,前7
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3前9,前10,後1,後2,後3,後6
FETの特徴と等価回路を説明できる。2
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3後7,後10,後11,後14
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3前13,前14,前15,後4
演算増幅器の特性を説明できる。3後4,後5,後6
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。3前11,前12,後6,後7
電子工学原子の構造を説明できる。3前3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3前4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。2前3,前4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3前3,前4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3前3,前4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3前3,前5
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3前9,前10

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100