電気磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気磁気学Ⅰ
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(電気電子コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「電気磁気学(第2版)新装版」 安達 三郎, 大貫 繁雄(森北出版) / 参考書:「詳解電磁気学演習」 後藤 憲一(共立出版)
担当教員 田上 英人

到達目標

1.クーロンの法則から点電荷に働く静電気力と電界を求めることが出来る。
2.電界の定義、ガウスの法則から様々な電荷分布がつくる電界および電位を求めることが出来る。
3.導体を理解し、導体系の電位,静電容量,静電エネルギーの計算が出来る。
4.誘電体とは何かを理解し、誘電体中の電界,電束密度を求めることが出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1クーロンの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を理解し、諸量を導き出せる。クーロンの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を説明でき、諸量の計算ができる。クーロンの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を説明できず、諸量の計算ができない。
評価項目2ガウスの法則を用いて、真空中の電荷による電界と電位の関係を理解し、諸量を導き出せる。ガウスの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を説明でき、諸量の計算ができる。ガウスの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を説明できず、諸量の計算ができない。
評価項目3導体系における電荷と電位の関係、電気エネルギーや働く力を理解し、諸量を導き出せる。導体系における電荷と電位の関係、電気エネルギーや働く力を説明でき、諸量の計算ができる。導体系における電荷と電位について説明できず、諸量の計算ができない。
評価項目4誘電率、分極、電束密度の関係を理解し、誘電体中の分極、境界面における電界、電束密度を導き出せる。誘電率、分極、電束密度について概念的に説明でき、与えられた数式を用いて計算できる。誘電率、分極、電束密度について説明できず、誘電体中の分極や境界面における電界、電束密度が計算できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
 電気磁気学は、電気工学全般の中で最も重要な基礎科目であり、かつ自然現象を取り扱う場の物理学の一部でもある。その重要性を十分認識させながら、電荷・電界・電位といった概念を身につけさせるとともに、それらの相互関係を把握し、数学的表現と計算の仕方を学習する。
授業の進め方・方法:
教科書を解説しながら演習を行いつつ、難題についてグループでディスカッションする時間を設ける。
注意点:
公式や解法の暗記に偏ることなく、概念(イメージ)を想像しながら解答に取り組むこと。
必ず授業後に、問題を解く復習をし、現在の理解度を自己チェックすること。
上学年の授業との関係に留意し、目的意識を持って学習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、帯電現象と電荷、クーロンの法則 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。
2週 帯電現象と電荷、クーロンの法則 複数の点電荷、連続分布電荷に働く力等を計算できる。
3週 静電気力のベクトルによる表現、ベクトルの演算 複数の点電荷、連続分布電荷に働く力等をベクトルを用いて計算できる。
4週 電界の定義
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
5週 点電荷による電界 点電荷による電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
6週 連続分布電荷による電界 連続分布電荷による電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
7週 点電荷および連続分布電荷による電界、様々な電荷分布による電界のベクトル演算 電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 電気力線とガウスの法則 電気力線とガウスの法則を説明できる。
10週 ガウスの法則を用いた電界の計算 ガウスの法則を説明でき、電界の計算などに用いることができる。
11週 ガウスの法則を用いた電界のベクトル演算 ガウスの法則を説明でき、電界のベクトル演算に用いることができる。
12週 電位、電位差の定義 電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
13週 点電荷による電位、様々な電荷分布による電位 電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
14週 様々な電荷分布による電位 電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
15週 点電荷による電位、様々な電荷分布による電位 電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 導体の定義 導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。
2週 静電容量の定義、静電容量の計算 静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。
3週 様々な導体系における静電容量の計算 様々な導体系における等の静電容量を計算できる。
4週 様々な導体系における静電容量の計算 静電容量の接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。
5週 コンデンサに蓄えられるエネルギー 静電エネルギーを説明できる。
6週 様々な導体系における電荷、充電圧の計算 静電エネルギーを説明できる。
7週 様々な導体系における電荷、充電圧の計算 静電エネルギーを説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 誘電体とは何か、分極、誘電率、電束密度 誘電体と分極、及び、電束密度を説明できる。
10週 誘電体とは何か、分極、誘電率、電束密度 誘電体と分極、及び、電束密度を説明できる。
11週 誘電体中の電界、電束密度に関するガウスの法則 誘電体におけるガウスの法則を説明できる。
12週 誘電体中の電界、電束密度に関するガウスの法則 誘電体における電束密度をガウスの法則を用いて計算できる。
13週 誘電体界面での境界条件 誘電体の境界における電界・電束密度を説明し,計算できる。
14週 導体系と電位係数 導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。
15週 電位の勾配による電界の計算、偏微分 電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気電場・電位について説明できる。3前4,前5,前6
クーロンの法則が説明できる。3前1
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3前1,前2,前3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前1,前2,前3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前5,前6,前7,前12,前13,前14,前15
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前10,前11
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4後3,後4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4後2,後3,後4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4後2,後3,後4
静電エネルギーを説明できる。4後5,後6,後7

評価割合

試験課題・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000