高電圧工学※

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 高電圧工学※
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(電気電子コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 EEText 高電圧パルスパワー工学
担当教員 竹崎 太智

到達目標

1. 気体の絶縁破壊現象を説明できる。B①②
2. プラズマの生成と, プラズマの振舞いを説明できる。B①②, SB①
3. 高電圧の発生法と計測法を説明できる。B①②, SB①

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体の性質 (状態方程式, 速度分布, 平均自由行程など), 荷電粒子の生成・消失過程を理解し, 気体の絶縁破壊現象を説明できる。気体の性質, 荷電粒子の生成・消失過程を理解できる。気体の性質, 荷電粒子の生成・消失過程を理解できない。
評価項目2プラズマの特徴 (準中性, 特徴的スケール) と生成法を説明できる。 製造現場で利用されるプラズマと関連づけられる。プラズマの特徴を理解し, プラズマの生成法を説明できる。プラズマの特徴を理解できない。
評価項目3高電圧発生装置, 高電圧・大電流の計測法の原理を説明できる。 高電圧現象の産業への利用例を説明できる。高電圧発生装置, 高電圧・大電流の計測法の原理を理解できる。高電圧発生装置, 高電圧・大電流の計測法の原理を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
落雷や絶縁皮膜の破壊などは高電圧・強電界による絶縁破壊現象であり, 様々な事故の原因となる。一方, 絶縁破壊現象で生じる放電プラズマは, 半導体デバイスの製造, 廃棄物処理, 照明など多くの産業分野で利用される。高電圧事故の回避, プラズマの利用のため, 絶縁破壊現象, プラズマ, 高電圧計測等について学ぶ。
授業の進め方・方法:
気体の性質, 荷電粒子の振舞いからはじめ, 気体の絶縁破壊現象, プラズマの特徴について学ぶ。さらに, 高電圧発生方法や計測手法について学ぶ。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 感電事故 感電事故の原因・現象を理解し, 事故防止の意識を高める。
2週 気体の性質 気体の密度と圧力の関係を理解する。
3週 気体の性質 マクスウェルの速度分布, 熱速度などを理解する。
4週 荷電粒子の振舞い 荷電粒子の衝突断面積, 平均自由行程, 衝突頻度などを理解する。
5週 荷電粒子の振舞い 励起, 電離, 再結合などの荷電粒子の生成・消失過程を理解する。
6週 気体の絶縁破壊現象 パッシェンの法則を理解し, 圧力と距離, 絶縁破壊電圧の関係を理解する。
7週 気体の絶縁破壊現象 ストリーマ放電, コロナ放電など, さまざまな放電形態を理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却, 解説
10週 プラズマの性質 プラズマの特徴 (準中性, 特徴的空間・時間スケール) を理解する。
11週 放電プラズマの生成 直流・高周波・マイクロ波・バリア放電など, プラズマの生成手法を理解する
12週 高電圧発生回路 直流・交流の高電圧発生回路を理解する。
13週 電磁エネルギーの蓄積と放出 容量性エネルギーと誘導性エネルギーの蓄積と放出の方法を理解する。
14週 高電圧・大電流計測 各種の高電圧・大電流計測法を理解する。
15週 期末試験
16週 答案返却, 解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前12
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前12
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前14
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前7
計測倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4

評価割合

試験発表課題への取組態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
基礎的能力0000000
専門的能力70030000100
分野横断的能力0000000