基礎制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 基礎制御工学Ⅰ
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(電気電子コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「自動制御理論」 樋口 龍雄 (森北出版)
担当教員 松本 圭司

到達目標

1.伝達関数を用いた須ステムの入出力が表現できる。
2.ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
3.システムの周波数応答および時間応答が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1時間領域で表現された関数から伝達関数を導くことができ、システムの入出力関係を理解している 伝達関数を用いたシステムの入出力を理解している 伝達関数を用いたシステムの入出力を理解していない
評価項目2システムの信号の流れを理解した上で、ブロック線図を用いて表現することができる ブロック線図を用いてシステムを表現する方法を理解している ブロック線図を用いたシステムの表現方法を理解していない
評価項目3周波数応答および時間応答の意味を理解しており、伝達関数からそれぞれの応答を算出することができる システムの周波数応答および時間応答を理解している システムの周波数応答および時間応答を理解していない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。

教育方法等

概要:
本授業は、企業で産業用ロボットの研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、古典制御理論に基づく基礎的理論およびフィードバック制御システムについて講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
身近な装置に関する話題を通じて制御システムに対する直観力を養う。例題や演習問題を使い、基礎的事項を習得する。
注意点:
電気回路学、電機機器学の知識を前提として講義を進めるため、基礎科目の理解を深めておくことが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自動制御概説 自動制御とは何かが理解できる
2週 シーケンス制御(電磁リレーの構造と働き) 電磁リレーの構造およびその役割を理解し、どのように利用されるのかが理解できる
3週 シーケンス制御(ラダー回路) リレー回路に比べてフレキシブルに変更が可能なPLCおよびラダー回路が理解できる
4週 シーケンス制御(演習) 例題に対するラダー回路を考え、作成することができる
5週 ブロック線図によるシステムの表現 ブロック線図を用いたシステムの構成方法を学び、等価変換を用いた簡単化が理解できる
6週 電気回路のブロック線図による表現 電気回路のブロック線図による表現が理解できる
7週 フィードバックの効果 前向き要素やフィードバック要素の変化がシステムに及ぼす影響が理解できる
8週 中間試験 1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る
2ndQ
9週 フーリエ変換とラプラス変換 制御工学におけるラプラス変換の必要性、フーリエ変換とラプラス変換の関係が理解できる
10週 ラプラス変換に関する定理 ラプラス変換に関する諸定理が理解できる
11週 ラプラス逆変換 時間領域に変換する意味と方法が理解できる
12週 ラプラス変換に関する演習 ラプラス変換に関する演習問題を解くことができる
13週 伝達関数とブロック線図 ブロック線図を用いた伝達関数の表現が理解できる
14週 伝達関数に関する演習 伝達関数に関する演習問題を解くことができる
15週 期末試験 9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る
16週 答案返却 定期試験の内容が理解できる
後期
3rdQ
1週 伝達関数で何が分かるのか 伝達関数を通じて時間応答および周波数応答が表現できることが理解できる
2週 伝達関数の基本要素 伝達関数を構成する基本要素が理解できる
3週 比例、微分、積分、むだ時間要素の時間応答 比例、微分、積分、むだ時間要素の時間応答が理解できる
4週 一次遅れ要素の時間応答 一次遅れ要素の時間応答が理解でき、演習問題を解くことができる
5週 二次遅れ要素の時間応答 二次遅れ要素の時間応答が理解できる
6週 過渡特性 立ち上がり時間、行き過ぎ量などが理解できる
7週 時間応答に関する演習 時間応答に関する演習問題を解くことができる
8週 中間試験 1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
4thQ
9週 周波数伝達関数 伝達関数と周波数伝達関数の関係が理解できる
10週 基本要素のナイキスト線図による表現(微分、積分、むだ時間要素および一次遅れ要素) 微分、積分、むだ時間、一次遅れ要素のナイキスト線図による表現が理解できる
11週 基本要素のナイキスト線図による表現(二次遅れ要素および複雑な伝達関数) 二次遅れ要素および複雑な伝達関数のナイキスト線図による表現が理解できる
12週 基本要素のボード線図による表現(比例、微分、積分、むだ時間、一次遅れ要素) 比例、微分、積分、むだ時間、一次遅れ要素のボード線図による表現が理解できる
13週 基本要素のボード線図による表現(二次遅れ要素および複雑な伝達関数) 二次遅れ要素および複雑な伝達関数のボード線図による表現が理解できる
14週 周波数応答(表現)に関する演習 周波数応答に関する演習問題を解くことができる
15週 期末試験 9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る
16週 答案返却 定期試験の内容が理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4前5,前6,前7,前13,前14
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後6,後7
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4

評価割合

試験小テスト等演習・レポート発表相互評価合計
総合評価割合7003000100
基礎的能力000000
専門的能力7003000100
分野横断的能力000000