到達目標
1. ニュートンの運動の3法則を対象となる物体の状況に適用してその運動を方程式として記述することができる。
2. 微分・積分を用いて運動に関する物理量を導き出し、その意味を説明できる。
3. 各物理量、法則を用いて対象となる物体の運動・作用を説明、式として記述することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ニュートンの運動の3法則を、複合的条件を有する物体に適用してその運動を方程式として正しく記述することができる。 | ニュートンの運動の3法則を、基本的な条件を有する物体に適用してその運動を方程式として計算することができる。 | ニュートンの運動の3法則の理解が不十分であり、また対象となる物体の条件に正しく適用することができず、方程式を立てることができない。 |
評価項目2 | 微分・積分を用いて、授業で扱う全ての運動に関する物理量を正しく導き出し、その意味を正しく説明できる。 | 微分・積分を用いて運動に関する重要な物理量を導き出し、その意味を説明できる。 | 微分・積分を用いて運動に関する重要な物理量を導き出すことができない、あるいはその意味を正しく説明できない。 |
評価項目3 | 各物理量、法則を用いて対象となる複合的な物体の運動・作用を説明、式として記述することができる。 | 各物理量、法則を用いて対象となる基本的な物体の運動・作用を式として記述することができる。 | 対象となる物体の運動・作用を説明する各物理量、法則を正しく用いることができない、あるいは式として正しく記述することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
教育方法等
概要:
物理は各技術分野の基本となる学問である。2年次で学んだ力学の部分に対して微分積分、ベクトルを用いて数学的物理的意味を明らかにすることで物理現象のより本質的な理解と考察を目指し、電子の運動から天体の移動など様々な運動について学ぶ。
授業の進め方・方法:
物理現象の記述における数学の重要性と各物理量、保存量の導出過程を数式を用いながらその物理的意味を解説する。多くの物理量がベクトルとして扱われ、微分積分を用いるので数学的理解を深めておくことが重要である。
注意点:
学修状況の確認のため、定期的に課題やレポート等を出す。課題・レポート等の取組状況は成績評価に反映させる。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
角運動量とその保存則 |
ベクトルの外積を理解し、角運動量を求めることができる。 中心力の元では、角運動量が保存されることが理解できる。
|
2週 |
中心力のもとでの質点の運動① |
中心力の例としてケプラーの法則を取り上げ、惑星の運動について学び、それをベクトルや微分積分を用いて説明できる。
|
3週 |
中心力のもとでの質点の運動② |
中心力の例としてケプラーの法則を考え、それからニュートンの万有引力を微分積分を用いて導くことができる。 宇宙速度やポテンシャルエネルギーなどの基本的な問題が解ける。
|
4週 |
中心力のもとでの質点の運動③ |
静電場ではたらくクーロン力について学習し、それらが万有引力と同様の記述形式で表されることが理解できる。
|
5週 |
非慣性系での質点の運動① |
並進運動する座標系の変換を理解できる。 慣性力について理解できる。
|
6週 |
非慣性系での質点の運動② |
回転座標系への変換ができ、運動方程式を記述することができる。 回転座標系ではたらく遠心力とコリオリの力について説明することができる。
|
7週 |
総合問題演習 |
これまでに学習した物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して最終的な理解を深める。
|
8週 |
中間試験 |
試験範囲となった物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して次の学習に結び付けることが出来る。
|
4thQ |
9週 |
質点系の力学① |
2個の質点からなる系についての運動を図式で記述することができる。
|
10週 |
質点系の力学② |
前回の内容を踏まえ、3個以上の質点からなる系についての運動を図式で記述することができる。 これらを踏まえ、剛体の学習につなげる。
|
11週 |
剛体の回転運動:剛体について、つりあいを含む剛体の運動方程式、固定軸のまわりの剛体の慣性モーメント |
剛体について定義を理解するととともに、与えられた剛体の慣性モーメントを用いて、つりあいを含む剛体の固定軸のまわりの運動方程式を記述して説明することができる。基本的な問題について運動方程式を解き、運動を説明できる。
|
12週 |
慣性モーメントについて:基本的な物体(図形)における慣性モーメントの計算 |
慣性モーメントの定義式を理解し、基本的な物体(図形)における慣性モーメントを図形から、あるいは積分によって求めることができる。
|
13週 |
慣性モーメントに関する諸定理 |
慣性モーメントに関する2つの定理(平行軸の定理、平板の定理)について導くことができる。 これらの定理を用いて、剛体の回転運動を記述することができる。
|
14週 |
剛体の平面運動:回転運動と並進運動、基本的な剛体の平面運動について |
基本的な剛体の平面運動、回転運動と並進運動を同時に考える剛体の運動についてそれぞれの運動方程式を立て、それを解いて運動を説明できる。
|
15週 |
総合問題演習 |
これまでに学習した物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して最終的な理解を深める。
|
16週 |
定期試験 |
学習した物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して最終的な学習目標の達成に結び付けることが出来る。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 物理 | 力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 後1 |
角運動量を求めることができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4 |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 後9,後10,後11,後14 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 後9,後10 |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | 後12,後13,後14 |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | 後11,後12,後13,後14 |
評価割合
| 試験 | 小テスト等 | 課題・演習・レポートなど | 発表 | 相互評価 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 40 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 0 | 40 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |