到達目標
1.波動現象の基礎的事項を数学的・図形的表現とともに正しく説明でき、各種の問題について解くことができる。
2.波動現象を電気電子工学における現象と結びつけることができ、各種の問題について解くことができる。
3.物質の熱的性質に関する基礎的事項を説明して、状態変化、熱量の計算、熱量の移動に関する問題を解くことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
波動現象の理解 | 波動現象の基礎的事項を数学的・図形的表現とともに正しく説明でき、各種の応用問題について解くことができる。 | 波動現象の基礎的事項を数学的・図形的表現とともに正しく説明でき、各種の基本問題について解くことができる。 | 波動現象の基礎的事項を説明できない、あるいは数学的・図形的に正しく記述することができない。また各種の基本的問題について解くことができない。 |
波動と電気電子工学の関係の理解 | 波動現象と電気電子工学の現象を結び付け、数学的・図形的表現とともに正しく説明でき、各種の応用問題について解くことができる。 | 波動現象と電気電子工学の現象を結び付け、数学的・図形的表現とともに正しく説明でき、各種の基本問題について解くことができる。 | 波動現象と電気電子工学の現象を結び付けることができない、あるいは数学的・図形的に正しく記述することができない。また各種の基本的問題について解くことができない。 |
熱的現象の理解 | 物質の熱的性質に関する基礎的事項を説明して、状態変化、熱量の計算、熱量の移動に関する応用問題を解くことができる。 | 物質の熱的性質に関する基礎的事項を説明して、状態変化、熱量の計算、熱量の移動に関する基礎問題を解くことができる。 | 物質の熱的性質に関する基礎的事項が説明できない、あるいは状態変化、熱量の計算、熱量の移動に関する簡単な問題を解くことができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
JABEE SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
JABEE SA② 自主的・継続的な学習を通じて、共通基礎科目に関する問題を解決できる。
JABEE SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
JABEE SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
JABEE SD② 専攻分野の専門性に加え、他分野の知識も学習し、幅広い視野から問題点を把握できる。
教育方法等
概要:
応用物理は各技術分野の基本となる力学・波動・熱学的現象を取り扱うものであり、これら物理現象と物理法則を学習する事により自然科学分野での基礎力と電気電子工学分野におけるこれら利用例の理解と応用力を養う。
授業の進め方・方法:
多くの物理現象が微分方程式の形であらわされるため、数学的理解を深めておくこと、また、力学的現象と電気磁気的現象の対応関係、電気電子工学における応用に留意することが重要である。様々な形で主体的、対話的な学びを実践し、学習の深化(アクティブラーニング)を行う。
注意点:
補助教材として動画資料や課題プリントなどを活用しながら継続的に学習していくことが重要である。進度が早いため十分な予習と復習を必要とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
物質の力学的性質について:変形と歪・応力について、フックの法則と各弾性率 |
物質の力学的性質について変形の種類、歪・応力の関係について図を用いて説明することができる。フックの法則と各弾性率(ヤング率、体積弾性率、剛性率)について図式を用いて説明できる。
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2週 |
波動現象:波動の種類と波動方程式、波動を表す式、音波・電磁波(光)について |
波動現象についてその特徴を波動の種類とともに説明ができる。式を用いて波動方程式、方程式を満たす波動を表す式が説明できる。音波・電磁波(光)について、その諸特徴を図表を用いて説明できる。
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3週 |
弦を伝わる横波、固体を伝わる縦波の方程式と波動方程式について |
弦を伝わる横波、固体を伝わる縦波について、各点における運動(振動)の図示と運動方程式をたてることができ、それらから波動ととしての方程式を導くことができる。
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4週 |
進行波と定常波、媒質の疎密と固定端反射と自由端反射、物体の固有振動について |
進行波と定常波の式としての記述ができる。境界を有する波動の進行において、媒質の疎密の判断とそれに伴う固定端反射と自由端反射の判定ができる。入射波と反射波による合成波を求めることができ、境界を有する棒などの物体に生じる振動、固有振動について図式を用いて説明できる。
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5週 |
音響インピーダンスと波の透過と反射、工学における応用 |
媒質の音響インピーダンスによる計算から、境界における波の透過率、反射率を求めることができる。またこれらの原理の工学的応用例を図式を用いて説明できる。
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6週 |
波動特有の諸性質:重ね合わせの原理、反射・屈折、うなり、ドップラー効果について |
波動特有の諸性質である重ね合わせの原理、反射・屈折、うなり、ドップラー効果について、図式を用いて説明することができ、基本的な問題について解くことができる。
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7週 |
物理光学 反射・屈折・吸収、干渉、回折、分散、偏光、光学機器の原理 |
光学としての反射(全反射を含む)・屈折・吸収、干渉、回折、分散、偏光、光学機器の原理について、図式を用いて説明することができ、基本的な問題について解くことができる。
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8週 |
中間試験 |
試験範囲となった物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して次の学習に結び付けることが出来る。
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4thQ |
9週 |
物質の熱的性質:温度の概念、絶対温度、熱的諸性質 |
絶対温度を含む温度の概念を理解し、物質の熱的性質を説明できる。
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10週 |
ボイル・シャルルの法則と気体の状態、内部エネルギー、熱力学法則 |
気体における熱力学法則、ボイル・シャルルの法則と状態、内部エネルギーについて基本的な場合の説明ができる。
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11週 |
温度の変化に伴う物質の膨張収縮、状態変化・相図について |
物質の三態を理解し、温度の変化に伴う物質の膨張収縮、状態変化・相図について式・図表を用いて説明できる。
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12週 |
物質の熱量、熱容量と状態の変化について |
物質の熱量、熱容量、比熱について適切に使い分け、水に氷を加える、氷に水蒸気を当てるなどの場合の状態の変化について、基本的な問題を解くことができる。
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13週 |
伝熱の3形態と熱伝導率、温度勾配、熱伝導、ヒートパイプについて |
伝熱の3形態を図示とともに説明できる。熱伝導で基本となる熱伝導率、温度勾配、熱伝導を説明できる。ヒートパイプについて原理とその工学的利用を説明できる。
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14週 |
熱伝導方程式について:方程式の導出とその解法 |
諸物理量を理解して熱の移動を図示し、熱伝導方程式を導出できる。簡単な熱伝導を表す式(解)を熱伝導方程式を用いて判定できる。
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15週 |
総合問題演習:前期、後期を通じて学習した事項の確認と総合問題演習 |
後期扱った物理現象について、諸法則を用いて説明できる。代表的な問題を解いてその現象、状態を説明できる。
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16週 |
定期試験 |
学習した物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して最終的な学習目標の達成に結び付けることが出来る。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 後9 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 後10 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 後12 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 後12 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 後10 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 後10 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 後10 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 後10 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 後11 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 後11 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 後13 |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | 後2 |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | 後3 |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | 後6 |
波の独立性について説明できる。 | 3 | 後2 |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | 後6 |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | 後4 |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | 後6 |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | 後5,後7 |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | 後3 |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | 後4 |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | 後6 |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | 後7 |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | 後7 |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | 後7 |
評価割合
| 試験 | 小テスト等 | 演習・レポート・発表 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 0 | 20 | 90 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 10 | 10 |