到達目標
1.クーロンの法則から点電荷に働く静電気力と電界を求めることが出来る。
2.電界の定義、ガウスの法則から様々な電荷分布がつくる電界および電位を求めることが出来る。
3.導体を理解し、導体系の電位,静電容量,静電エネルギーの計算が出来る。
4.誘電体とは何かを理解し、誘電体中の電界,電束密度を求めることが出来る。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 要改善 |
クーロンの法則 | クーロンの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を理解し、諸量を導き出せる。 | クーロンの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を説明できる。 | クーロンの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を理解している。 | クーロンの法則を用いて、真空中の電荷による力や電界との関係を理解していない。 |
電界 | 電界の成り立ちを説明できる。1つ、あるいは複数の点電荷から電気力線の概形を描くことができる。 | 電界の成り立ちを理解している。1つの点電荷から電気力線の概形を描くことができる。 | 電界の概念を理解している。 | 電界の概念を理解していない。 |
電位 | 電位とは何か積分を使って説明できる。簡単な電荷の分布から等電位面の概形を描くことができる。電位の傾きを微分を使って導くことができる。 | 電位とは何か理解している。点電荷から等電位面の概形を描くことができる。微分を使って電位の傾きを表現できる。 | 電位の概念を理解している。 | 電位の概念を理解していない。 |
ガウスの法則 | ガウスの法則について説明できる。ガウスの法則を適用することで真空中の電荷による電界と電位の関係を理解し、諸量を導き出せる。 | ガウスの法則を理解し適用することで真空中の電荷による電界と電位の関係を理解し、諸量を導き出せる。 | ガウスの法則を理解している。 | ガウスの法則を理解していない。 |
誘電体 | コンデンサとは何かを説明できる。直列・並列接続されたコンデンサによる合成静電容量を導くことができる。 | コンデンサとは何かを理解している。直列・並列接続されたコンデンサによる合成静電容量を導くことができる。 | コンデンサとは何かを理解している。 | コンデンサとは何かを理解していない。 |
コンデンサのエネルギー | コンデンサに貯えられるエネルギーを説明することができる。仮想変位の原理を用いてコンデンサのエネルギーから極板にかかる力を導くことができる。 | コンデンサに貯えられるエネルギーについて理解している。仮想変位の原理を用いてコンデンサのエネルギーから極板にかかる力を導くことができる。 | コンデンサに何故エネルギーが貯えられるのか理解している。仮想変位の原理について理解している。 | コンデンサに何故エネルギーが貯えられるのか理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程の教育目標 (A)① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 (A)② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 (B)① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 (B)② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
教育方法等
概要:
電気磁気学は現在の科学技術の基盤となる学問であり、技術者を目指す多くの理工系の学生にとっては重要な基礎科目である。この科目の履修を通して電界や磁界といった”場”の概念と両者の相互関係を理解する。また、”場”とその変化の数学的表現と計算の仕方を学習する。
授業の進め方・方法:
教科書を解説しながら演習を行いつつ、難題については周囲とディスカッションし発表する場を設ける。授業の理解度やノートの取り方を確認しながら進めていくために毎回簡単な小テストを授業の終わりに実施する。この小テストは各自のノートを参照しながら解答してよい(カメラなどで撮影された画像は除く)。
注意点:
公式や解法の暗記ではなく、自分の頭の中で電界・磁界とその変化をイメージしながら演習に取り組むとわかりやすい。
授業後にノートを見ながら自分なりの言葉で電界・磁界の成り立ちとその変化を説明してみると、わかっているつもりでもわかっていない点が明らかになる。ノートを見直し、分からなければ教員に質問をする習慣を持つこと。上学年の授業との関係に留意し、目的意識を持って学習すること。著しく授業を妨害する行為(騒音や授業の内容とは関係のない内容の雑談等)、小テストでの不正が観察された場合には教室から退室させ、その回の授業で行う小テストや質疑応答による評価は総合成績に加算しない。
[オフィスアワー]
水曜日15:30-17:00、金曜日13:00-17:00
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、物質と電荷 |
授業の進め方と評価方法を理解する。物質の成り立ちから電荷の概念を理解する。
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2週 |
クーロンの法則 |
クーロンの法則を使って2つの電荷に働く力を説明できる。
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3週 |
重ね合わせの原理 |
ベクトルを使って多数の電荷が存在するときのクーロン力を求めることができる。
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4週 |
電界とは何か |
遠隔作用、近接作用の考え方の違いを理解し、電界の概念を理解する。
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5週 |
電気力線 |
電界の概念について理解し点電荷から電気力線の概形を描くことができる。
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6週 |
ガウスの法則(積分形) |
積分について学び、面積分を使ってガウスの法則を理解する。
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7週 |
ガウスの法則(微分形) |
微分について学び、微分を使ってガウスの法則を理解する。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
電位 |
積分を使って電位を理解する。
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10週 |
電位の勾配 |
微分を使って等電位面と電位の傾きを理解する。
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11週 |
電気双極子 |
電気双極子が作る電界を理解する。
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12週 |
電荷分布と電位 |
ポアソンの方程式、ラブラスの方程式を理解し、電荷密度と電界、電位の関係を理解する。
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13週 |
ベクトル |
ベクトルの概念について理解する。
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14週 |
微分 |
微分を理解する。
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15週 |
積分 |
積分を理解する。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
導体系 |
さまざまな導体系における電位係数、容量係数、誘導係数を理解する。
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2週 |
静電遮蔽 |
静電遮蔽がどのような現象か理解する。
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3週 |
コンデンサ |
コンデンサの定義と静電容量について理解する。
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4週 |
並列、直列コンデンサ |
並列、直列コンデンサにおける静電容量とコンデンサにかかる電圧を理解する。
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5週 |
帯電導体の持つエネルギー |
孤立導体の持つエネルギーを導くことができる。
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6週 |
コンデンサに蓄えられるエネルギー |
コンデンサに蓄えられるエネルギーを求めることができる。
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7週 |
静電エネルギーと帯電導体に働く力 |
仮想変位の原理をつかって静電エネルギーからコンデンサの極板にかかる力を導くことができる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
誘電体 |
誘電体の定義を理解する。
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10週 |
誘電体の分極 |
分極や電束密度を説明できる。
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11週 |
誘電体中のガウスの法則 |
電束に関するガウスの法則から真電荷と対になった力線(電束)を導くことができる。
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12週 |
誘電体境界面での境界条件 |
誘電体境界面での電界と電束密度を理解し、境界面における電界の屈折を説明できる。
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13週 |
誘電体中に蓄えられるエネルギーと力1 |
ファラデー管とは何か説明できる。
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14週 |
誘電体中に蓄えられるエネルギーと力2 |
電界と電束密度から電界のエネルギー密度を導くことができる。
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15週 |
誘電体中に蓄えられるエネルギーと力3 |
マクスウェルの応力を理解し、2種の誘電体の境界面に働く力を導くことができる。
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16週 |
ベクトル、微分、積分の復習 |
必要に応じてベクトル演算、微分、積分の復習を行う。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 2 | |
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 2 | 前1 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 3 | 前4,前5,前9,前10,前11,前12 |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 3 | 前6,前7 |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 3 | 後1,後2 |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12 |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 3 | 後3 |
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。 | 3 | 後4 |
静電エネルギーを説明できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後13,後14,後15 |
評価割合
| 試験 | 小テスト | 発表・質疑 | 取組 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 45 | 40 | ±5 | ±40 | 85 |
専門的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 10 |
分野横断的能力 | 5 | 0 | 0 | 0 | 5 |