制御理論Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御理論Ⅱ
科目番号 0022 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 制御工学 第2版、斉藤制海著、森北出版
担当教員 添田 滿

到達目標

・対象の伝達関数を求めることができる。
・過渡応答・周波数応答を求め、系の特性評価ができる。
・フィードバック制御系の特性を解析・評価することができる。
・フィードバック制御系の基本的な設計計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フィードバック系の過渡応答を求め、系の過渡特性、定常特性を解析・評価することができる。フィードバック制御系の過渡応答を計算し、系の定常特性と過渡特性を求めることができる。フィードバック制御系の過渡応答計算ができない。
評価項目2フィードバック系の特性をボード線図、ベクトル軌跡、ナイキスト軌跡を用いて解析・評価をすることができる。ボード線図、ベクトル軌跡、ナイキスト軌跡からフィードバック制御系の特性を求めることができる。周波数特性を理解できず、フィードバック制御系の周波数特性が把握できない。
評価項目3フィードバック制御系の補償器を組み合わせて任意の仕様を満たすように制御系の設計ができる制御性能を理解し、代表的な補償器によるフィードバック制御系の補償設計ができる。制御性能、補償器について理解できず、代表的なフィードバック制御設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
制御技術は知能ロボット、大型プラントから身近な自動車、家電製品まで広い分野に応用されている。本科目では制御工学、制御応用技術の基礎となる古典制御理論の学習を行う。本講義では、連続時間線形制御系を対象とし、制御対象の数式モデルによる記述、フィードバック制御系の解析、フィードバック制御系の設計を行うことができる基礎能力を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
概念を示し、その数学的扱いを理解させ、例題と演習等で問題解決力を身につける。
注意点:
複素数や微分方程式、三角関数など、これまでの数学の知識が基礎となるので、復習し理解を深めておくこと。制御理論Ⅰで学んだことをもとに内容が展開するので、よく復習して望むこと。
授業で学んだ内容を各自テキストの例題・問題を解くことにより復習し理解を深めること。また、宿題として出された演習課題は解答を提出する。教科書を見て次の授業内容を予習しておく。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 フィードバック制御系の構成 一般的なフィードバック制御系のブロック線図を示すことができ、フィードバック系内の二つの信号間の伝達関数を求めることができる。
2週 フィードバック系の安定判別 フィードバック制御系の安定条件を示し、ラウス・フルビッツで安定判別ができる。
3週 フィードバック系の安定判別 ナイキストの安定判別法、簡易のナイキスト判別法を用いてフィードバック系の安定判別・評価ができる。
4週 フィードバック系の安定余裕 位相余裕とゲイン余裕を一巡伝達関数のベクトル軌跡上で示すことができ計算により求めることができる。一巡伝達関数のボード線図からゲイン余裕、位相余裕を求めることができる。
5週 フィードバック制御系の応答特性と仕様 フィードバック制御系の過渡応答から過渡特性を導き、制御性能を理解し、様々な制御仕様について説明できる。
6週 フィードバック制御系の応答特性と仕様 一巡伝達関数の周波数応答からフィードバック制御系の特性および制御性能、制御系仕様を説明できる。
7週 中間試験
8週 試験解説
フィードバック系の定常特性
フィードバック制御系の定常特性を求めることができる。定常偏差をなくすための制御系の構造を説明できる。
4thQ
9週 周波数応答による補償器の設計 望みの制御仕様を与えるため、フィードバック制御系のゲイン補償器を求めることができる。
10週 周波数応答による補償器の設計 位相進み、位相遅れ要素の周波数特性を理解し。フィードバック制御系の制御仕様を満たすための位相進み補償器、位相遅れ補償器器を求めることができる。
11週 周波数応答による補償器の設計 ゲイン補償器、位相進み・位相遅れ補償を組み合わせたフィードバック制御系の補償器の設計ができる。
12週 根軌跡 根軌跡の意味を理解し、簡単な伝達関数の根軌跡を描くことができる。
13週 根軌跡による制御系設計 極配置問題の概要を理解し、簡単な系での根軌跡による制御系設計の流れを示すことができる。
14週 PID制御 PID制御器の構造とそれぞれの制御器の働きの意味を理解する。
15週 PID制御系の設計 ジーグラーニコルスの方法によりPID制御系の制御パラメータを求めることができる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験演習課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000