制御理論Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 制御理論Ⅰ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 制御工学 第2版 フィードバック制御の考え方 、斉藤制海著、森北出版
担当教員 添田 滿

到達目標

・ラプラス変換・逆変換ができる。
・対象の伝達関数を求めることができる。
・過渡応答・周波数応答を求め、系の特性評価ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラプラス変換、ラプラス逆変換を用いて微分方程式を解くことができる。ラプラス変換、ラプラス逆変換を行うことができる。ラプラス変換、ラプラス逆変換を用いた計算ができない。
評価項目2任意の系の伝達関数を導き、応答を求め、特性評価することがができる。代表的な系の伝達関数を示し、応答を求めることができる。系の伝達関数が求められず、過渡応答の計算ができない。
評価項目3さまざまな系のボード線図、ベクトル軌跡を描くことができ、周波数特性を読み取り、評価することができる。代表的な伝達関数のボード線図、ベクトル軌跡を描くことができ、ゲイン特性と位相特性を求めることができる。周波数特性の意味を理解しておらず、ゲイン・位相特性を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 (B)② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 (D)① 専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を統合し、活用できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD① 専攻分野における専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を総合し、応用できる。

教育方法等

概要:
制御技術は知能ロボット、大型プラントから身近な自動車、家電製品まで広い分野に応用されている。本科目では制御工学、制御応用技術の基礎となる古典制御理論の学習を行う。本講義では、連続時間線形制御系を対象とし、制御対象の数式モデルによる記述、制御系の解析を行うことができる基礎能力を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
概念を示し、その数学的扱いを理解させ、例題と演習等で問題解決力を身につける。
注意点:
複素数や微分方程式、三角関数など、これまでの数学と力学系、電気系などの物理の知識が基礎となるので、復習し理解を深めておくこと。授業で学んだ内容を、テキストの例題・問題を解くことにより復習し、理解を深めること。また、宿題として出された演習課題は解答を提出する。教科書を見て次の授業内容を予習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御とは
数学的準備、ラプラス変換
制御で用いられる関数を説明できる。ラプラス変換の定義を理解し、代表的な関数のラプラス変換ができる。
2週 ラプラス変換 ラプラス変換の性質を理解し、種々の関数のラプラス変換を求めることができる。
3週 ラプラス逆変換 ラプラス変換の性質やヘビサイドの公式を用いてラプラス逆変換ができる。
4週 動的システムの数式モデル プロセスの入出力関係を微分方程式で表現することができる。
5週 伝達関数とブロック線図 動的システムの伝達関数を求めること、系のブロック線図表現ができる。ブロック線図を等価変換し必要な伝達関数を求めることができる。
6週 動的システムの時間応答 プロセスのインパルス応答、ステップ応答が計算できる。
7週 動的システムの時間応答 一次遅れ系、二次遅れ系、無駄時間系の応答を求めることができる。それぞれの応答のグラフを示し、伝達関数のパラメータとグラフの関係を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験解説
システムの安定性
システムの安定性と安定条件を理解し、説明できる。
10週 システムの安定判別 ラウス、フルビッツの方法により系の安定判別ができる。
11週 システムの周波数応答 系の周波数応答を導くことができる。伝達関数からゲインと位相差を求めることができる。
12週 ボード線図 デシベルゲインを理解し、系のボード線図の概形を描くことができる。
13週 ボード線図 系のボード線図を折れ線近似で表すことができ、ボード線図からゲイン・位相特性を読み取ることができる。
14週 ベクトル軌跡 代表的な伝達関数のベクトル軌跡の概形を示すことができ、ベクトル軌跡から系の周波数特性を求めることができる。
15週 ベクトル軌跡とナイキスト軌跡 ナイキスト軌跡を理解し、主な伝達関数の軌跡の概形が描ける。軌跡から周波数特性を求めることができる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4

評価割合

試験演習課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000