計測工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 センサ入門、雨宮好文著、オーム社
担当教員 太屋岡 篤憲,吉野 慶一

到達目標

・物理、電気工学の知識をもとに、これらを利用した各種センサの原理とその応用法を説明できる
・センサを利用した各種の基本的な物理量の測定法を説明できる。
・量と単位、単位系と測定について説明できる。
・測定における誤差、精度を説明できる。
・誤差・精度を考えて適切な計測器の選定ができること。
・データの取り扱いを理解し、得られた測定データの処理計算ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種センサの原理を説明でき、それらを応用した測定法についても説明できる。各種センサの原理を説明できる。各種センサ使用目的、原理が説明できない。
評価項目2計測に必要な共通知識を持ち、測定に適用できる計測に必要な共通事項を説明できる。最低限知っておかなければならない計測に必要な共通事項の多くを説明できない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 (A)①  数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 (A)② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 (B)① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 (B)② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
実験で現象の解析を行ったり、コンピュータで何かを制御しようとするとき、対象の状態を示す物理量を計測することが必要となる。ここでは計測を行うための各種センサの原理と構造およびセンサを用いた物理量の測定法、測定データの扱いなど、計測を行うための共通の基礎的事項を学習する。
授業の進め方・方法:
センサに関連する事項についてはテキストを使用し、計測全般の共通の基礎事項については、ノートとプリントで講義を行う。
注意点:
これまでの物理と電気工学、数学が基礎となるので復習して理解を深めておくこと。授業の合間に課題演習を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・計測とは
・量と単位、標準
量、単位、標準、単位系について説明できる。
2週 ・次元と次元式
・測定の種類と方式
次元を理解し、単位の変換や方程式の検討に応用できる。測定の基本的手法の種類と方式を分類し、説明できる。
3週 ・誤差 系統誤差、偶然誤差とはどのようなものか、その要因と回避、誤差の性質について説明ができる。
4週 ・測定、計器の精度 測定の正確さ、精密さ、測定器の確度について説明できる。
5週 ・測定値の統計的扱い 有効数字、度数分布、ガウス分布、算術平均の原理などが説明できる。
6週 ・誤差の伝搬 間接測定における誤差の最大限度、誤差の伝搬によるばらつきを求めることができる。
7週 ・最小二乗法 最確値を決定する方法として最小二乗法の原理を理解し、測定データに適用することができる。
8週 ・中間試験
2ndQ
9週 ・試験解説
・力センサの原理
  
応力とひずみ、ひずみゲージ線、荷重測定法が説明できる。
10週 ・力センサの応用 ゲージ線を利用した他のセンサ、半導体圧力センサについて説明できる
11週 ・温度センサの原理と応用 金属抵抗の温度による変化、測温抵抗体による温度測定法、半導体の抵抗の温度による変化と温度測定の応用例が説明できる。
12週 ・温度センサの原理と応用 サーミスタ温度センサ」熱電対温度センサの原理とこれらの応用による測定例が説明できる。
13週 ・自動平衡型計器の原理 ブリッジ回路の原理、抵抗の変化分を取り出す方法、抵抗の発熱、電力と電力量について説明できる。
14週 ・自動平衡型計器の原理と応用 ブリッジ式自動平衡型計器、電位差計式自動平衡型計器の原理と応用測定例が説明できる
15週 ・期末試験
16週 ・試験解説
後期
3rdQ
1週 ・作動変圧器
  構造と動作
作動変圧器の構造と動作が説明できる。磁界・磁気・磁束・磁気の誘発について説明できる。
2週 ・作動変圧器
  磁気誘発現象の応用
  電磁誘導現象の応用
磁気誘発現象や電磁誘導現象を応用した測定例を挙げ説明できる。
3週 ・作動変圧器
  原理と応用測定
作動変圧器の原理を説明できる。作動変圧器を応用した様々な測定法を挙げて説明できる。
4週 ・距離センサ
  近接スイッチとうず電流距離センサ
近接スイッチを説明し応用例を挙げることができる。うず電流距離センサの動作、原理が説明できる。交流ブリッジ測定回路の原理、交流ブリッジと組み合わせた測定法が説明できる
5週 ・距離センサ
  うず電流とその応用
  表皮効果を利用した測定法
うず電流を理解し、うず電流を利用した各種センサを挙げ説明できる。
表皮効果を説明し、表皮効果を用いた測定法を説明できる
6週 ・重量センサ
・電流計と電圧計
偏位式重量センサと力平衡式重量センサの構造と測定原理を説明する。分流器、電流計と電圧計の使い方を理解し、必要な分流器の計算、電圧計・電流計のレンジの変換ができる。
7週 ・電流計と電圧計の構造と原理
・回路計
電流計の構造と原理を理解する。回路系の原理、利用法を理解し、レンジ等の計算ができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ・試験解説
・回路系、流量センサ
電圧計、電流計、回路系に関する基礎的な計算ができる。オリフィス、ベンチュリ管、電磁流量計などのセンサの原理と利用方法を説明できる。制動作用の原理を利用した他の応用例を説明できる。
10週 ・流量センサ
・レベルセンサ
 
制動作用の原理を利用した他の応用例を説明できる。
各種レベルセンサの原理を理解する。
11週 ・レベルセンサ
  静電容量を応用したセンサ
静電容量を理解し、それを利用したセンサの原理を説明できる。
12週 ・光センサ 光センサの種類、光スイッチとしての利用、アナログ的利用を理解し説明できる。
13週 ・光センサ 光のディジタル的利用、光ファイバのセンサへの応用例について理解する。
14週 ・ガスセンサと湿度センサ
・計測と制御
ガスセンサ、湿度センサを説明できる。計測の制御工学との関わりについて理解する。
15週 定期試験
16週 ・試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。2
理想変成器を説明できる。2
電磁気静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。2
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。2
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。2
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。2
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。2
電力量の測定原理を説明できる。2

評価割合

試験課題演習相互評価態度合計
総合評価割合802000100
基礎的能力00000
専門的能力802000100
分野横断的能力00000