電気磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気磁気学Ⅱ
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「わかりやすい電磁気学」脇田和樹、小田昭紀、清水邦康、ムイスリ出版
担当教員 才田 聡子

到達目標

1.定常電流に関する諸法則を理解し説明できる。
2.電流によって磁界がどのように作られているのかを説明できる。
3.電磁誘導がどんな現象か説明できる。
4.電磁波とは何かを理解し、そのなりたちを電界と磁界の変化という形で説明できる。

ルーブリック

要改善
定常電流電流のなりたちを理解しており、電流に関わる、オームの法則、ジュール熱、キルヒホッフの法則などを説明できる。電流のなりたちを理解しており、電流に関わる、オームの法則、ジュール熱、キルヒホッフの法則のうちどれかを説明できる。電流のなりたちを理解している。電流と電荷の関係が理解できていない。
電流と磁界磁界の成り立ちを説明できる。右ねじの法則、アンペールの法則、ビオサバールの法則、ローレンツ力の概念を理解し、与えられた問題に適用することができる。磁界の成り立ちを説明できる。右ねじの法則、アンペールの法則、ビオサバールの法則、ローレンツ力のうち、いずれかを説明することができる。磁界のなりたちと概念を理解している。磁界のなりたちと概念を理解していない。
電磁誘導電界と磁界が相互関係しながら伝播していく様子を理解しており、自分の言葉で説明できる。電界と磁界が相互関係しながら伝播していく様子を理解している。電界が磁界に、あるいは磁界が電界に影響を及ぼすことを理解している。電界が磁界に、磁界が電界に影響を及ぼすことを理解していない。
電磁波電磁波がどうやって発生し伝播していくのかを説明できる。電磁波を電界と磁界の変化という形で説明できる。電磁波の概念を理解している。電磁波の概念を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 (A)①  数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 (B)① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
電気磁気学は現在の科学技術の基盤となる学問であり、技術者を目指す多くの理工系の学生にとっては重要な基礎科目である。この科目の履修を通して電界や磁界といった”場”の概念と両者の相互関係を理解する。また、”場”とその変化の数学的表現と計算の仕方を学習する。
授業の進め方・方法:
教科書を解説しながら演習を行いつつ、難題については周囲とディスカッションし発表する場を設ける。授業の理解度を確認しながら進めていくために授業の終わりにふりかえりシートを作成する。ふりかえりシートは各自のノートを参照しながら作成してよい(カメラなどで撮影された画像は除く)。
注意点:
公式や解法の暗記ではなく、自分の頭の中で電界・磁界とその変化をイメージしながら演習に取り組むとわかりやすい
授業後にノートを見ながら自分なりの言葉で電界・磁界の成り立ちとその変化を説明してみると、わかっているつもりでもわかっていない点が明らかになる。ノートを見直し、分からなければ教員に質問をする習慣を持つこと。上学年の授業との関係に留意し、目的意識を持って学習すること。
[オフィスアワー]
水曜日15:30-17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導体を流れる電流 定常電流と電荷の関係を説明できる。
2週 オームの法則 オームの法則をふまえて、物質の性質によって抵抗率が異なることが理解できる。
3週 導電率の導出 導体内の電界によって電荷が加速されることを知る。電流密度と電界の関係を説明できる。
4週 ジュール熱 ジュール熱とは何かを理解し、導線で消費される電力を計算できる。
5週 電源と起電力 起電力の定義を理解する。
6週 直流回路とキルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則について説明できる。
7週 演習 授業進行に余裕があれば演習を行う。
8週 中間試験
2ndQ
9週 磁気力・磁束密度の方向 磁気力の性質を理解し、電気力との違いを述べることができる。
10週 アンペールの法則 磁界についてのガウスの法則を理解する。また、アンペールの法則についても理解する。
11週 ビオ・サバールの法則1 電流と、その周りに生じる磁界についてなりたつ法則を理解する。
12週 ビオ・サバールの法則2 ビオ・サバールの法則からソレノイドコイルの中に生じる磁界を想像することができる。
13週 磁界中の電流に働く力 磁界内の電流に働く力を理解する。
14週 磁界中の運動する荷電粒子に働く力 電界と磁界において運動する荷電粒子が受ける力について想像することができる。
15週 磁荷と微小回路電流 磁気双極子モーメントを理解する。
16週 磁性体 磁性体の構造と性質を知る。
後期
3rdQ
1週 ファラデーの電磁誘導の法則と誘電起電力 1. 電磁誘導の法則の物理的意味 電界と磁界の時間的な変化を数式で表現することができる。
2週 ファラデーの電磁誘導の法則と誘電起電力 2. 誘電起電力の大きさ 磁界が変化すると電界も変化することを理解する。
3週 ファラデーの電磁誘導の法則と誘電起電力 3. 誘電起電力の方向 ベクトルの回転、ストークスの定理について理解する。
4週 ファラデーの電磁誘導の法則と誘電起電力 4. ファラデーの法則 ファラデーの法則について数式で表現することができる。
5週 磁界中で運動する導体に生じる起電力1. 運動する導体に生じる起電力の向き ファラデーの電磁誘導の法則を応用して運動する回路に生じる起電力を説明することができる。
6週 磁界中で運動する導体に生じる起電力1. 運動する導体に生じる起電力の大きさ ファラデーの電磁誘導の法則を応用して運動する回路に生じる起電力を説明することができる。
7週 演習 授業進行に余裕があれば演習を行う。
8週 中間試験
4thQ
9週 変位電流 電界と磁界についてなりたつガウスの法則を数式で表現できる。
10週 変位電流 変位電流という電流の連続性や電荷の保存性を保証するための概念をしる。
11週 マクスウェルの方程式(積分形) マクスウェルの各方程式の物理的な意味を理解する。
12週 マクスウェルの方程式(微分形) マクスウェルの各方程式を微分形に書き直し、各方程式が非常に簡単に表現できることを学ぶ。
13週 電磁ポテンシャル 電磁波が運ぶエネルギーの流れ(ポインティングベクトル)について学ぶ。
14週 電磁波1. 波動方程式 マクスウェルの各方程式から電磁波の伝搬する様子を想像できるようになる。
15週 電磁波2. 平面波 電磁波が運ぶエネルギーの流れ(ポインティングベクトル)について学ぶ。
16週 電磁波3. 電磁波のエネルギーとポインティングベクトル 電磁波が運ぶエネルギーの流れ(ポインティングベクトル)について学ぶ。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3前1
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3前1
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3前1
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3前1
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3前1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3前1
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3前1
静電エネルギーを説明できる。3前1
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3前9,前10,前16
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3前11,前12
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3前13
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3前13
ローレンツ力を説明できる。3前14
磁気エネルギーを説明できる。3前15
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3後1,後2,後3,後5
自己誘導と相互誘導を説明できる。3後4,後5
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3後6

評価割合

試験課題と演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力502070
専門的能力15520
分野横断的能力5510