電子情報システム工学実験実習AⅡ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子情報システム工学実験実習AⅡ
科目番号 0089 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 実験テキスト(担当教員作成)
担当教員 白濵 成希,松久保 潤,才田 聡子,福田 龍樹

到達目標

1. プログラムを作成し適切に実験を行うことができる。
2. 電気回路、電子回路、情報処理に関する実験に必要な装置、回路、ハードウェア、ソフトウェアなどの動作原理について理解できる。
3. 電圧計、電流計、デジタルマルチメーター、オシロスコープなどの計測機器の使用方法を理解し、適切にデータを取得することができる。
4. ブレッドボード、電源電圧、ジャンパーピン、抵抗、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、IC、マイコンボードなどを利用して実験に必要な回路を組むことができる。
5. レポートの作成・指導・提出という一連の流れを通して、データの整理・分析と視覚化、技術文章表現について学び技術に関する報告書を作成することができる。
6. 工場見学を通して社会人や技術者として必要な一般常識や礼儀,マナーについて考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験に必要な知識を有し、教員の助言なしに自分だけで実験を遂行できる。実験に必要な知識を有し、教員の助言があれば自分だけで実験を遂行できる。実験に必要な知識を有しておらず、教員が中心にならないと実験ができない。
評価項目2実験の背景にある原理原則を理解し、実験の目的を説明できる。実験の目的を理解し、実験の目的を説明できる。実験の背景にある原理原則を理解しておらず、実験の目的が説明できない。
評価項目3レポート作成に必要なデータ処理に加え、読む立場を考えたレポートを作成できる。レポート作成に必要なデータ処理を行い、体裁の整ったレポートが作成できる。レポート作成やそれに必要なデータ処理を行えない。
評価項目4実験機器や計測機器を教員の助言なしに自分だけで扱える。実験機器や計測機器を教員の助言があれば扱える。実験機器や計測機器を教員の操作なしで扱えない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
学習・教育到達度目標 C② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
学習・教育到達度目標 C③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学基礎知識をもとにその内容を考察することができる。
学習・教育到達度目標 C④ 実験や実習について、方法・結果・考察をまとめ、報告できる。

教育方法等

概要:
電気・電子回路で用いられる回路要素の特性を理解し、その取扱いと応用について学ぶことを目的とする。併せて、基本的な測定器の取り扱い、実験についての手法を学ぶ。情報処理に関する実験を通して専門科目に対する理解を深める。
授業の進め方・方法:
7-8班に分かれ、毎週ローテンションで各実験に取り組む。各実験は予習事項の確認・実験・まとめという順に行われる。工場見学を実施する。
注意点:
事前に指示された項目および課題を予習しておくことが実験着手の必須条件である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション、Webサーバの脆弱性 前期の取り組みに関する改善点について考え、よりよい実験の取り組みについて理解できる。
Webサーバの脆弱性について、実験を通して理解を深める。
2週 レポート指導 前週の実験について担当教員の指導を繰り返しながら、この日までにレポートを完成させる。
3週 交流回路の周波数特性 交流回路要素の周波数特性について、実験を通して理解を深める。
4週 レポート指導 前週の実験について担当教員の指導を繰り返しながら、この日までにレポートを完成させる。
5週 オシロスコープ演習 オシロスコープの扱い方に習熟する。
6週 レポート指導 前週の実験について担当教員の指導を繰り返しながら、この日までにレポートを完成させる。
7週 工場見学 工場を見学し、創意工夫にふれ実際の生産現場に置ける心構えについて学ぶ。
8週 トランジスタの静特性 ダイオードによる整流回路や波形整形回路の動作の測定を通して、ダイオードを用いた回路について理解を深める。
4thQ
9週 オペアンプ オペアンプの原理を理解し、増幅回路を作成して利得を計測できる。
10週 コンピュータ設計演習1 CPU内の各装置を動作させ、前期のシステムプログラミングで学んだコンピュータの動作原理を復習する。
11週 コンピュータ設計演習2 前期のシステムプログラミングで学んだ真理値表とカルノー図を使って論理回路を設計し,デコーダによって機械語からCPU内部の動作を制御する信号に変換できることを確認する。
12週 Raspberry PiによるLED制御 ブレッドボード、ジャンパーワイヤー、抵抗、LED、タクトスイッチを用いた入出力を行い、電気・電子回路、プログラム制御について理解を深める。
13週 ソートアルゴリズムの比較 自らソート用のデータを作成し、授業で学んだ複数のソートアルゴリズムを用いて作成したプログラムでソートに必要な時間を計測する。
14週 レポート指導 レポート未提出実験について担当教員の指導を繰り返しながら、この日までにレポートを完成させる。
15週 実験予備日またはレポート整理 止むを得ない理由で欠席した学生を対象にした実験予備日、未提出レポートのある学生はこの日までに提出する。
16週 実験予備日またはレポート整理 止むを得ない理由で欠席した学生を対象にした実験予備日、未提出レポートのある学生はこの日までに提出する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4後8,後9
少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4後2,後4,後6,後14,後15,後16
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4後2,後4,後6,後14,後15,後16
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。4後2,後4,後6,後14,後15,後16
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4後5
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4後5
基本的な暗号化技術について説明できる。4後5
基本的なアクセス制御技術について説明できる。4後5
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4後5
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3後3,後8,後9
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3後3,後8,後9
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3後3,後8,後9
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4後13
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4後13
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。4後13
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4後13
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。4後10,後11
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。4後10,後11
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。4後10,後11
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4後12,後13
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。4後12,後13
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4後12,後13

評価割合

試験小テスト等演習・レポート発表相互評価合計
総合評価割合0010000100
基礎的能力000000
専門的能力0010000100
分野横断的能力000000