情報技術概論

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 情報技術概論
科目番号 0097 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「基本情報技術者+合格教本」角谷 一成著(技術評論社)
担当教員 才田 聡子

到達目標

・コンピュータを学んでいく上で必要な理論と知識を習得する
・コンピュータを構成するハードウェアの仕組み、システム構成、OSを含むソフトウェアを理解する
・コンピュータとユーザとの情報伝達手段(ヒューマンインターフェースとマルチメディア技術)について学ぶ
・システム管理技術、ソフトウェア開発管理技術について知る
・プロジェクトの各過程において管理すべき項目を知る
・サービスマネジメント(システムの運用・保守)を行うプロセスを理解する
・システム監査人の役割を理解する
・一般的な経営手法について知る
・企業活動に関する法律の知識を得る

ルーブリック

要改善
基礎理論コンピュータで情報を扱う時の工夫や、アルゴリズムをデータ構造を理解し説明できる。コンピュータで情報を扱う時の工夫や、アルゴリズムをデータ構造を理解し、部分的には説明できる。コンピュータで情報を扱う時の工夫や、アルゴリズムをデータ構造を理解しおおまかに説明できる。コンピュータで情報を扱う時の工夫や、アルゴリズムをデータ構造を理解していない。
コンピュータシステムコンピュータの基本構成を理解している。ハードウェアとシステムの構成、ソフトウェアの役割と分担について理解し説明できる。コンピュータの基本構成を理解している。ハードウェアとシステムの構成、ソフトウェアの役割と分担について部分的に理解し説明できる。コンピュータの基本構成を理解している。ハードウェアとシステムの構成、ソフトウェアの役割と分担について部分的に理解し説明できる。コンピュータの基本構成を理解している。ハードウェアとシステムの構成、ソフトウェアの役割と分担について部分的に理解していない。
ヒューマンインターフェースとマルチメディアコンピュータとユーザとの情報伝達手段(ヒューマンインターフェースとマルチメディア技術)について、その目的と役割を理解し、各技術について説明できる。コンピュータとユーザとの情報伝達手段(ヒューマンインターフェースとマルチメディア技術)について、その目的と役割を理解し、各技術について部分的に説明できる。コンピュータとユーザとの情報伝達手段(ヒューマンインターフェースとマルチメディア技術)について、その目的と役割を理解し、各技術についておおまかに説明できる。コンピュータとユーザとの情報伝達手段(ヒューマンインターフェースとマルチメディア技術)について、その目的と役割を理解していない。
開発技術システム管理技術、ソフトウェア開発管理技術について網羅的に理解し、それぞれ説明できる。システム管理技術、ソフトウェア開発管理技術について部分的に理解し、それぞれ説明できる。システム管理技術、ソフトウェア開発管理技術について部分的に理解している。システム管理技術、ソフトウェア開発管理技術について理解していない。
プロジェクトマネジメントプロジェクトの各過程において管理すべき項目のほとんどについて理解している。プロジェクトの各過程において管理すべき項目を半分ほど理解している。プロジェクトの各過程において管理すべき項目について、おおまかな流れを理解している。プロジェクトの各過程において管理すべき項目について理解していない。
サービスマネジメントサービス内容の詳細を理解し、システム監査の役割を理解し、説明することができる。サービス内容の詳細を理解し、システム監査の役割を理解している。サービス内容の詳細を理解し、システム監査の役割をおおまかに理解している。サービス内容の詳細を理解し、システム監査の役割を理解していない。
情報システム戦略システム化を推進していく際のプロセスを理解している。システム戦略の構想と流れ、システムを適用する範囲を明確にして具体的な計画を立てる方法を知っている。システム化を推進していく際のプロセスを理解している。システム戦略と、システム企画のおおまかな方法を知っている。システム化を推進していく際のプロセスを理解している。システム化を推進していく際のプロセスを理解していない。
経営戦略、企業と法務一般的な経営手法について、各手法を網羅的に理解し整理することができる。一般的な経営手法について、各手法を部分的に理解し説明することができる。一般的な経営手法について、その目的と役割を説明することができる。一般的な経営手法について、その目的と役割を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 (B)① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 (B)② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 (D)① 専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を統合し、活用できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD① 専攻分野における専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を総合し、応用できる。

教育方法等

概要:
基本情報技術者試験の受験を希望する学生向けに開講する。コンピュータシステムを理解するために必要な情報や数学に関する基礎理論を理解し、ハードウェアの仕組みやシステム構成、OSを含めたソフトウェアについて学ぶ。プロジェクトの管理方法やシステム化を推進する上でのプロセスについて知識を習得し、一般的な経営戦略も含めて網羅的に知識を習得する。
授業の進め方・方法:
主に座学を中心に行う。難題については周囲とディスカッションしながら一緒に考えていく。授業の理解度やノートの取り方を確認しながら進めていくために授業の終わりにミニッツペーパーを作成し提出する。ミニッツペーパーは各自のノートを参照しながら作成してよい(カメラなどで撮影された画像は除く)。
注意点:
[オフィスアワー]
水曜日15:30-17:00

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・基礎理論1 コンピュータを学んでいく上で必要な理論と知識を習得する
2週 基礎理論2 コンピュータを学んでいく上で必要な理論と知識を習得する
3週 コンピュータシステム1 コンピュータを構成するハードウェアの仕組み、システム構成、OSを含むソフトウェアを理解する
4週 コンピュータシステム2 コンピュータを構成するハードウェアの仕組み、システム構成、OSを含むソフトウェアを理解する
5週 ヒューマンインターフェース コンピュータとユーザとの情報伝達手段(ヒューマンインターフェースとマルチメディア技術)について学ぶ
6週 マルチメディア1 コンピュータとユーザとの情報伝達手段(ヒューマンインターフェースについて学ぶ
7週 マルチメディア2 マルチメディア技術について学ぶ
8週 開発技術1 システム管理技術、ソフトウェア開発管理技術について知る
2ndQ
9週 開発技術2 システム管理技術、ソフトウェア開発管理技術について知る
10週 プロジェクトマネジメント プロジェクトマネジメントの目的と考え方を理解する
11週 サービスマネジメント サービスマネジメントの目的と考え方を理解する
12週 情報システム戦略1 システム化を推進していく際の基本となる情報システム戦略について学ぶ
13週 情報システム戦略2 システム化を推進していく際の基本となる情報システム戦略について学ぶ
14週 経営戦略、企業と法務 一般的な経営手法について知り、企業活動に関すること、法律に関する知識を得る
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。2
変数の概念を説明できる。2
データ型の概念を説明できる。2
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。2
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。2
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。2
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。2
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。2前3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。2前3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。2前3
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。2前3
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。2前3
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。2前3
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。2前3
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。2前3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。2前3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造を実装することができる。2前3
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。2前3
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2前14
基数が異なる数の間で相互に変換できる。2前14
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2前14
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2前14
基本的な論理演算を行うことができる。2前3,前4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。2前3,前4,前5,前6
論理式の簡単化の概念を説明できる。2前4,前5,前6
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。2前5,前6
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。2前6,前7
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。2前6,前7
組合せ論理回路を設計することができる。2前7
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。2前6
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。2前6
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3前1,前2,前9
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3前2,前10,前11,前12,前13
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3前2,前3
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3前2,前3
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。3前2,前3
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。2前3
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。2前3
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。2前3
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。2前3
プロジェクト管理の必要性について説明できる。2前3
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。2前3
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。2前3
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。2前3
コンパイラの役割と仕組みについて説明できる。2前3
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。2前3
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。2前3
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。2前3
インターネットの概念を説明できる。2前3
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。2前3
主要なサーバの構築方法を説明できる。2前3
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。2前3
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。2前3
無線通信の仕組みと規格について説明できる。2前3
有線通信の仕組みと規格について説明できる。2前3
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。2前3
基本的なルーティング技術について説明できる。2前3
基本的なフィルタリング技術について説明できる。2前3
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。2前3
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。2前3
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。2前3
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。2前3
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。2前14
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。2前14
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。2前3
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。2前3
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。2前3
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。2前3
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。2前3
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。2前3
基本的な暗号化技術について説明できる。2前3
基本的なアクセス制御技術について説明できる。2前3
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。2前3
データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。2前3
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。2前3
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。2前3
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。2前3
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。2前3

評価割合

試験課題と演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力502070
専門的能力201030