システムプログラミングⅠ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 システムプログラミングⅠ
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『作って理解するOS x86系コンピュータを動かす理論と実装』林高勲著
担当教員 松久保 潤

到達目標

・コンピュータの機能がハードウェアとソフトウェアの機能分担によって実現していることを理解する。
・五大装置それぞれの役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。
・プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。

ルーブリック

要改善
コンピュータの原理コンピュータの役割と機能を把握しており、ハードウェアとソフトウェアが機能分担しコンピュータの機能を実現していることを正確に詳しく説明できる。コンピュータの役割と機能を把握しており、ハードウェアとソフトウェアが機能分担しコンピュータの機能を実現していることを理解し、部分的に説明できる。コンピュータの役割と機能を知っている。コンピュータの役割と機能を把握していない。
コンピュータシステムコンピュータの基本構成を理解している。マシン語、プログラム言語、命令サイクルとは何か正確に詳しく説明できる。コンピュータの基本構成を理解している。マシン語、プログラム言語、命令サイクルとは何か理解し、部分的に説明できる。コンピュータの基本構成を知っている。コンピュータの基本構成を理解していない。
コンピュータアーキテクチャコンピュータシステムのプロセッサの基本構成とそのアーキテクチャを理解しその機能分担を正確に詳しく説明できる。コンピュータシステムのプロセッサの基本構成とそのアーキテクチャを理解しており部分的に説明できる。コンピュータシステムのプロセッサの基本構成とそのアーキテクチャを知っている。コンピュータシステムのプロセッサの基本構成とそのアーキテクチャを理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
本授業ではコンピュータシステムを構成するための基本ハードウェア機構を把握するために必要な基礎知識を学び、および基本ソフトウェア機構であるオペレーティングシステムについて学ぶ。この授業を通してOSを介したソフトウェアとハードウェアの要求と応答について理解し、自分自身が作成するプログラム中で活用できるようになることを目指す。
授業の進め方・方法:
学習到達度を確認するために課題/演習を課す。また、試験も実施する。
注意点:
オフィスアワーは随時。すべてのレポートおよび成果物が提出されなければ、不合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
C言語から見たコンピュータ
コンピュータが数を扱うしくみを説明できる。
Cコードの構造とフローチャートを対応付けができるようになる。
2週 ハードウェアの役割 ハードウェアの機能を説明できる。
ハードウェアに計算させるしくみを説明できる。
3週 ソフトウェアの役割 計算モデルとしてのチューリングマシンの性能を説明できる。
OSの主な役割を説明できる。
OSが担うべき機能を説明できる。
4週 メモリ管理のしくみ メモリの種類と用途を説明できる。
メモリの使用方法を説明できる。
メモリを効率的に利用する手法を説明できる。
5週 ファイルシステムのしくみ ファイルのしくみを説明できる。
ファイルへのアクセス方法を説明できる。
ファイルの管理方法を説明できる。
6週 入出力のしくみ 代表的な入出力デバイスの性質を説明できる。
入出力ソフトウェアの階層構造を説明できる。
7週 コンピュータの基本構成 CPU、メモリ、外部記憶装置の関係を説明できる。
電源投入時に行われる処理を説明できる。
入出力装置の役割を説明できる。
割り込みコントローラの役割を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 CPUの基本機能 各種レジスタの役割を説明できる。
CPUと周辺機器の接続方法を説明できる。
10週 CPU命令の使い方 CPU命令によるプログラムの作成手順を説明できる。
CPU命令とその使用方法を説明できる。
CPUの実行モードの違いを説明できる。
11週 アセンブラの使い方 ツールを使ったアセンブルの手順を習得する。
疑似命令を説明できる。
疑似命令の使用方法を習得する。
プリプロセッサを説明できる。
プリプロセッサの使用方法を習得する。
12週 周辺機器の制御方法 各種周辺機器の制御方法を説明できる。
13週 BIOSの役割 BIOSの機能と役割を説明できる。
14週 学習のまとめ 学習内容を概観する。
15週 発展的内容 現時点での発展段階の事項について説明する。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前1
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前1
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前1
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前1
基本的な論理演算を行うことができる。4前2
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4前5
論理式の簡単化の概念を説明できる。4前2
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4前2
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4前2
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4前2
組合せ論理回路を設計することができる。4前2
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4前2
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4前2
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4前2
順序回路を設計することができる。4前2
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4前7
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前9,前10
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前6,前12,前13
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4前7
情報数学・情報理論ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4前2
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4前2

評価割合

試験演習課題等合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100