機械工学概論(前期)

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械工学概論(前期)
科目番号 0160 科目区分 専門 / 選択
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 講義ノートを配布
担当教員 島本 憲夫

到達目標

1.機械工学での主要な力学である材料力学について次のような問題の計算が行える。
 (1) 応力とひずみの定義、フックの法則、応力-ひずみ線図を理解し、説明できる。A①②
 (2) 引張・圧縮による部材(簡単なトラス・組合せ棒を含む)の応力と変形を求めることができる。B①②
 (3) ねじりによる部材の応力と変形を求めることができる。B①②
 (4) 曲げによる部材の応力と変形を求めることができる。B①②
2.プラントシステムなどを例題として、機械工学の分野での4力学(材料力学、機械力学、熱力学、流体力学)の融合問題を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1応力とひずみの定義、両者の関係を正確に理解し、説明できる。応力とひずみの定義、両者の関係を理解できる。応力とひずみの定義、両者の関係を理解できない。
評価項目2引張・荷重による部材の応力と変形を正確に理解し、計算できる。引張・圧縮による部材の応力と変形を理解できる。引張・圧縮による部材の応力と変形を理解できない。
評価項目3ねじりによる部材の応力と変形を正確に理解し、計算できる。ねじりによる部材の応力と変形を理解できる。ねじりによる部材の応力と変形を理解できない。
評価項目4曲げによる部材の応力と変形を正確に理解し、計算できる。曲げによる部材の応力と変形を理解できる。曲げによる部材の応力と変形を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 「材料力学」は機械工学系の学生にとっては必須で、なおかつ重要な基礎科目の一つであり、機械・構造物を構成する要素 (部材) に作用する外力・内力 (応力) と変形 (ひずみ) の関係を考える学問である。基本事項をしっかり身につけるとともに、比較的簡単な問題を対象にした材料力学的手法を理解することを目的とする。
 工学系学生にとって分野を問わず重要となる、物体に力が作用した際の「つりあい」・「変形」など、静力学問題について理解する。とくに、力のつりあい・力モーメントのつりあい、機械や構造物を構成する要素(部材)に作用する応力や変形について、静定問題を対象に学習するとともに、ものが壊れないように設計するための材料力学的手法を習得する。
システムを設計する上で、機械工学の分野では4力学(材料力学、機械力学、熱力学、流体力学)が重要な役割を果たしており、こららは、機械系以外の専門出身者においても、将来の様々な業務に従事する際に役立つ基礎知識になるものと考えている。本科目では、材料力学をベースに、発電用のプラントシステムなどを例題として、4力学がどのように使われるかについて学習していく。
授業の進め方・方法:
 部材に作用する「応力」や部材の「変形」について、材料力学の基本が十分に理解できるように配慮し授業を進める。まず、力・力のモーメント、応力・ひずみの定義などの基本事項を確実に理解する。引張・圧縮・ねじり・曲げの内容を個別に取り上げ、応力や変形の求め方を詳しく解説する。各人の理解を促すため、かなりの演習間題と課題を準備する。
システム設計で必要となる基礎事項について説明し、それに即した例題にて理解を深める。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、材料力学の概念と目的、応力とひずみ、フックの法則 材料力学の概念、応力・ひずみの定義、フックの法則を理解する。
2週 応力-ひずみ線図、安全率、許容応力 応力-ひずみ線図、安全率、許容応力を理解する。
3週 引張と圧縮1 直列組み合わせ棒 引張・圧縮が作用する静定問題(直列組み合わせ棒の応力、変形)を解ける。
4週 引張と圧縮2 トラス 引張・圧縮が作用する静定問題(トラスの応力)を解ける。
5週 引張と圧縮3 トラス
ねじり1 ねじれ角、せん断応力
引張・圧縮が作用する静定問題(トラスの変形)を解ける。
ねじりの応力と変形を理解する。
6週 ねじり2 断面二次極モーメント、極断面係数 断面二次極モーメントおよび極断面係数を導出し、計算できる。
7週 ねじり3 ねじりによる応力と変形
システム設計の総合問題(1)
ねじりが作用する静定問題(応力と変形)を計算できる。
プラントシステム設計を例題として機械工学での設計手法を理解する。
8週 前学期中間試験
2ndQ
9週 中間試験の返却・解答・解説
曲げ1 はりと荷重の種類、支持方法、反力
はりと荷重の種類、支持方法を理解し、静定問題の反力を計算できる。
10週 曲げ2 片持ちはりのせん断力、曲げモーメント 片持ちはりのせん断力と曲げモーメントを計算し、SFDとBMDを作図できる。
11週 曲げ3 単純はりのせん断力、曲げモーメント 単純はりのせん断力と曲げモーメントを計算し、SFDとBMDを作図できる。
12週 曲げ4 断面二次モーメント、断面係数 断面二次モーメントおよび断面係数を導出し、計算できる。
13週 曲げ5 曲げによるはりの応力 片持ちはりおよび単純はりの曲げによる応力を計算できる。
14週 曲げ6 たわみの方程式、変形の境界条件 たわみの方程式および変形(たわみ、たわみ角)の境界条件を理解できる。
15週 曲げ7 曲げによるはりの変形
システム設計の総合問題(2)
たわみの方程式と境界条件を利用して、はりの変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。
プラントシステム設計を例題として機械工学での設計手法を理解する。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験演習・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000