物質化学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物質化学実験Ⅰ
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材
担当教員 永田 康久,竹原 健司,園田 達彦,大川原 徹

到達目標

1. 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。
2. 滴定、抽出、再結晶、吸引ろ過、撹拌などの基本操作ができる。
3. レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。
4. 試薬の調製ができる。
5. 実験内容をよく理解し、正しい操作で信頼できる結果を求められる。
6. 実験経過を観察し、観察結果をわかりやすくノートにまとめられる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
安全、作業効率安全に注意して効果的に実験を行うことができる。安全に注意して実験を行うことができる。安全に実験を行うことができない。
金属イオンの分析未知の金属イオンの混合物を系統分析できる。金属イオンの系統分析ができる。金属イオンの系統分析ができない。
中和滴定中和滴定によって未知試料の質量パーセント濃度を計算できる。中和滴定の基本操作ができる。中和滴定の基本操作ができない。
有機化合物の分析有機化合物を酸塩基反応を用いて分離できることが理解できる。分液の基本操作ができる。分液の基本操作ができない。
芳香族化合物の反応芳香族化合物の共鳴を理解でき、生成物を予想できる。芳香族化合物の構造を理解できる。芳香族化合物の構造を理解できない。
有機化学反応再結晶、吸引ろ過、撹拌などの基本操作を組み合わせて有機化学反応が行えることを理解できる。再結晶、吸引ろ過、撹拌などの基本操作ができる。再結晶、吸引ろ過、撹拌などの基本操作ができない。
化学電池化学電池の構造、反応を理解できる。化学電池の構造を理解できる。化学電池の構造、反応を理解できない。
レポート客観的なデータと自分の考えを織り交ぜながら考察することができる。全ての実験についてレポートを書いて、期限までに提出することができる。全ての実験レポートを提出できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1、2年次に履修した「化学」と「工学基礎実験I、II」を基礎とし、3年次履修科目である「分析化学」、「無機化学」、「有機化学」の基本事項について実験を通して学習することを目的とする。分析化学分野では、化学反応の量的関係、濃度計算と物質収支について理解を深める。無機化学分野では、無機化合物の沈殿生成や錯体、化学電池について理解を深める。有機化学分野では抽出、撹拌、再結晶、吸引ろ過などの基本操作を学習するとともに有機化合物の基本的性質について理解を深める。
授業の進め方・方法:
実験操作、理論の説明と実験を交互に行うことで理解を深める助けとする。データ整理のためにノート、電卓、グラフ用紙が必要な場合があるので準備しておくこと。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 物質化学実験Iの内容について理解できる
2週 1, 2属金属イオンの系統分析(1) 金属イオンの化学的性質に基づく分離、同定ができる。
3週 1, 2属金属イオンの系統分析(2) 金属イオンの化学的性質に基づく分離、同定ができる。
4週 1,2属金属イオン未知試料の系統分析 金属イオンの化学的性質に基づく分離、同定ができる。
5週 中和滴定(1) ビューレットを用いた中和滴定の基本操作ができる。
6週 中和滴定(2) 中和滴定を用いて未知試料の濃度を計算できる。
7週 中和滴定(3) 中和滴定を用いて未知試料の濃度を計算できる。
8週 有機化合物の抽出分離(1) 有機化合物の抽出分離、同定ができる。
2ndQ
9週 有機化合物の抽出分離(2) 有機化合物の酸塩基反応について理解できる。
10週 アゾ染料の合成(1) 有機反応、再結晶、吸引ろ過ができる。
11週 アゾ染料の合成(2) 芳香族化合物の反応について理解できる。芳香族化合物の共鳴について理解できる。
12週 化学電池(1) 化学電池の構造、反応について理解できる。
13週 化学電池(2) 化学電池の構造、反応について理解できる。
14週 工場見学 見学した企業の概要について理解できる。
15週 確認テスト 物質化学実験Iで学習した基本的な実験操
作、原理について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験吸引ろ過ができる。4
再結晶による精製ができる。4
分液漏斗による抽出ができる。4
収率の計算ができる。4
分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4

評価割合

確認テストレポート合計
総合評価割合1090100
基礎的能力1090100
000