有機化学Ⅳ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 有機化学Ⅳ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「マクマリー有機化学概説(第6版)」John McMurry著、東京化学同人/ 「『有機化学』ワークブック」奥山 格著、丸善出版
担当教員 竹原 健司

到達目標

1. 代表的な官能基を有する化合物について、IUPACの命名法に基づき名前と構造の相互変換ができる 。
2. ハロゲン化アルキルやアルコール・フェノール・エーテルの合成反応や代表的反応について説明できる。
3. 有機電子論に基づいて、構造と反応性の関係が予測できる。
4. 反応機構に基づいて生成物が予測できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1IUPACの命名法に基づき、授業で学習していない有機化合物の名前と構造の相互変換ができる。IUPACの命名法に基づき、学習した有機化合物の名前と構造の相互変換ができる。有機化合物の名前と構造の相互変換ができない。
評価項目2合成反応や代表的反応について、その生成物を推測できることに加えて、目的の化合物を得る方法を提示できる。合成反応や代表的反応について、その生成物を推測できる。合成反応や代表的反応について、その生成物を推測できない。
評価項目3有機電子論に基づいて、構造と反応性の関係が予測でき、その理由が説明できる。有機電子論に基づいて、構造と反応性の関係が予測できる。有機電子論に基づいた構造と反応性の関係が理解できない。
評価項目4反応機構を書いて、可能な生成物の内どれが生成するかを予測し説明できる。反応機構を書き、その生成物を予測できる。反応機構に基づいた生成物の予測ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 プラスチック、医薬・農薬、香料、燃料等として利用され、また生命科学の現象を理解するための基礎となる有機化合物の構造とその性質・反応を、「有機化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」に引き続いて系統的に学習する。原子軌道や結合の概念、有機化合物の基本構造と IUPAC 命名法、反応や反応機構の記述の仕方の知識を基にして、ハロゲン化アルキルやアルコール・フェノール・エーテルの構造・性質およびその代表反応について講義する。
授業の進め方・方法:
基本的にスライドを用いた講義形式で進めるが、授業中質問をしながら理解の様子を確認する。必要に応じて PowerPoint資料、分子模型を使用する。内容の理解を深め、理解度を自己チェックさせるために、授業中に演習・小テ ストを実施し、長期休暇時にはレポートを課す。WebClass上に自習問題や演習解答、講義資料等を置くので自学自習の 助けにして欲しい。
注意点:
講義内容や補足のための資料や小テストなど、配布物が多いのでバインダを用意しておくと良い。基本的に放課後のいつでも質問を受け付けます。授業中やメールでの質問も歓迎します。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
ハロゲン化アルキル(1)存在と利用、命名法、構造と性質、製法
講義の内容と到達目標を把握できる。
ハロゲン化アルキルについてIUPACの命名法に基づき、構造と名前の相互変換ができる。構造や性質の特徴やいくつかの製法をを挙げることができる。
2週 ハロゲン化アルキル(2)
Grignard試薬と有機金属化合物
Grignard試薬の特徴を説明でき、その反応を示すことができる。
3週 ハロゲン化アルキル(3)
求核置換反応①
SN2反応の特徴を説明できる。
4週 ハロゲン化アルキル(4)
求核置換反応②
SN1反応の特徴を説明できる。
5週 ハロゲン化アルキル(5)
脱離反応
脱離反応(E1、E2)反応の特徴を説明できる。
6週 ハロゲン化アルキル(6)
演習
ハロゲン化アルキルに関する種々の反応について、生成物を予測できる。
7週 アルコール・フェノール・エーテル(1)
命名法・構造・性質(水素結合)
IUPAC命名法に従って構造式と名称の相互変換ができる。構造と水素結合に関する性質について説明できる。
8週 中間試験 1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解 度を評価する。
4thQ
9週 中間試験内容についての解説 中間試験の内容を振り返り、より深く理解できる。
10週 アルコール・フェノール・エーテル(2)
性質(酸性度)
アルコール類・フェノール類の酸性度とその強弱について説明できる。
11週 アルコール・フェノール・エーテル(3)
合成と反応①
アルコール・フェノール・エーテルの合成反応や代表的反応について、生成物を予測できる。
12週 アルコール・フェノール・エーテル(4)
合成と反応②
アルコール・フェノール・エーテルの合成反応や代表的反応について、生成物を予測できる。
13週 アルコール・フェノール・エーテル(5)
合成と反応③
アルコール・フェノール・エーテルの合成反応や代表的反応について、生成物を予測できる。
14週 有機反応論 有機反応を誘起効果、共鳴効果、立体効果に基づいて説明できる。
15週 総合演習 これまでに学んだ有機化学の内容について、演習に取り組み、理解度の確認ができる。
16週 定期試験 8〜14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理 解度を評価する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701515000100
基礎的能力0000000
専門的能力701515000100
分野横断的能力0000000