分析化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 分析化学Ⅱ
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「基礎からわかる分析化学」加藤正直、塚原聡共著、森北出版, 「新版 基礎分析化学演習」菅原正雄著、三共出版
担当教員 園田 達彦

到達目標

1.錯体の生成について理解できる。B①
2.キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。B①
3.溶媒抽出を利用した物質の分離について理解できる。B①
4.ネルンストの式から電位を計算できる。電位と酸化還元平衡の関係を理解できる。B①
5.酸化還元滴定について原理を理解し、酸化剤および還元剤の濃度計算ができる。B①
6.イオン交換による分離方法について概略を理解できる。B①

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な系においても錯体の生成について理解できる。錯体の生成に関する基本的な事項を説明できる。錯体の生成について理解できない。
評価項目2キレート滴定について十分に理解し、金属イオンの濃度計算ができる。キレート滴定について金属イオンの濃度計算ができる程度に原理を理解できる。キレート滴定についての原理を理解できず、金属イオンの濃度計算ができない。
評価項目3複雑な系においても溶媒抽出を利用した物質の分離について理解できる。溶媒抽出を利用した物質の分離について、基本的な事項を説明できる。溶媒抽出を利用した物質の分離について理解できない。
評価項目4複雑な系でネルンストの式を適用できる。電位と酸化還元平衡の関係を十分に理解し、説明できる。ネルンストの式を使った基本的な計算ができる。電位と酸化還元平衡の関係について基本的な事項を理解できる。ネルンストの式から電位を計算できない。電位を使って酸化還元平衡が理解できない。
評価項目5酸化還元滴定について原理を十分に理解し、酸化剤および還元剤の濃度計算ができる。酸化還元滴定について、酸化剤および還元剤の濃度計算ができる程度に原理を理解できる。酸化還元滴定について原理を理解できず、酸化剤および還元剤の濃度計算ができない。
評価項目6イオン交換による分離方法について応用例も含め理解できる。イオン交換による分離方法について概略を理解できる。イオン交換による分離方法について概略を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
代表的な化学反応の一つである錯生成反応を通して、分析化学Iで学んだ化学平衡についての理解を深め、水溶液中の化学種濃度を計算する方法を理解させる。また、酸化還元平衡と電位の関係を学び、ネルンストの式を使った電位の計算方法を理解させる。さらに容量分析(キレート滴定、酸化還元滴定)やその他の分析方法(溶媒抽出、イオン交換)の原理を理解させる。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義を行う。原理の説明が中心となる。授業のみでは演習量が不足しがちなので、定期的に自学自習用の課題を課す。
注意点:
分析化学Iで履修した化学平衡の基本的な理論、特に物質収支や電荷収支、平衡定数を用いた計算方法を復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 錯体の生成 錯体の生成やそれに関する用語について説明できる。
2週 錯生成定数
存在化学種の配位子濃度依存性
錯生成平衡と錯生成定数の関係を理解し、存在化学種が配位子濃度に依存することを示せる。
3週 錯生成に対するpHの影響 錯生成に与えるpHの影響を説明できる。条件生成定数を理解できる。
4週 金属指示薬とキレート滴定 代表的な金属指示薬の特徴を説明できる。金属イオンの濃度計算ができる。
5週 錯生成による沈殿の溶解 錯生成により沈殿の溶解が起こることを理解できる。
6週 2相間分配平衡と溶媒抽出 溶媒抽出の基本を理解し、2相間分配平衡に関する用語を説明できる。
7週 有機酸の分配
金属錯体の分配平衡
有機酸や金属錯体の溶媒抽出について説明できる。
8週 中間試験 1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
4thQ
9週 試験内容についての解説
電池と起電力
中間試験の内容を理解する。
イオン化傾向や電池の構成、起電力を説明できる。
10週 標準酸化還元電位
ネルンストの式と起電力
半反応と標準酸化還元電位について理解できる。ネルンストの式を使って、半反応の電位を計算できる。
11週 起電力と酸化還元平衡 起電力と酸化還元平衡の関係を理解し、ネルンストの式から酸化還元平衡定数を計算できる。
12週 酸化還元滴定 酸化還元滴定の原理を理解し、酸化剤または還元剤の濃度が計算できる。
13週 イオン交換樹脂の化学構造と分類
イオン交換平衡
代表的なイオン交換樹脂の化学構造を理解し、分類できる。イオン交換平衡に関する用語を説明できる。
14週 イオン交換樹脂の特徴
イオン交換の適用例
イオンとイオン交換樹脂の親和性に関係するパラメータを理解できる。イオン交換法の適用例を説明できる。
15週 定期試験 9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
16週 定期試験内容についての解説 定期試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3後1
分析化学錯体の生成について説明できる。4後3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4後12
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4後4
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4後14
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4後7
物理化学電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。3後9

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75250000100
基礎的能力0000000
専門的能力75250000100
分野横断的能力0000000