生物化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物化学Ⅱ
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 生化学、関周司・斉藤健司・村岡知子・矢尾謙三郎・池田正五著、三共出版
担当教員 川原 浩治

到達目標

1.酵素反応の特性を説明できる。
2.糖や脂質、アミノ酸の代謝を説明できる。
3.遺伝子発現の調節を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酵素反応の特性を具体的に説明できるとともに反応速度や阻害についても説明できる。酵素反応の特性を個別に説明できる。酵素反応の特性の説明ができない。
評価項目2糖や脂質、アミノ酸の代謝の流れを図を用いて説明できる。糖や脂質、アミノ酸の代謝の過程の説明ができる。糖、脂質、アミノ酸の代謝の説明ができない。
評価項目3遺伝子発現の調節をオペロンを通して説明できる。遺伝子発現の調節の過程を説明できる。遺伝子発現の調節の説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
生命活動を担う物質の生体内合成には、効率的に行うための様々なしくみが存在する。そのしくみを理解することで、生命活動を維持するメカニズムを学習する。
授業の進め方・方法:
生物化学Iで学習した生体物質が合成されたり、分解されたり、様々に利用されていく。この流れを理解しつつ、詳細な制御のしくみを理解する。物質が直接目で観察することができないため、スライドなどを適宜利用してイメージを持てるようにする。
注意点:
ノートに各学習項目のつながりが分かるように自分なりに努力して記録して欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ・ガイダンス ・シラバスから科目の重要点のとらえ方を理解する。
2週 ・酵素の性質 ・酵素の構造と酵素基質複合体について理解する。
3週 ・酵素の反応 ・ミハエリスメンテン型酵素の反応速度について理解する。
・アロステリック酵素について説明する。
4週 ・酵素の利用 ・阻害剤について理解する。
・酵素の種類を説明する。
5週 ・物質代謝 ・異化と同化について違いを理解する。
・アミノ酸、糖、脂質の代謝を理解する。
6週 ・代謝の流れ ・解糖系、クエン酸回路、電子伝達系を理解する。
7週 ・DNAの複製 ・DNAの半保存的複製を説明する。
8週 ・中間試験 ・1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
4thQ
9週 ・試験内容についての解説 ・中間試験の内容を理解する。
10週 ・遺伝情報の流れとタンパク質の生合成 ・DNAの複製、転写、翻訳の関係を説明する。
・遺伝子からタンパク質が合成される過程を説明する。
11週 ・転写と翻訳のしくみ ・mRNAが成熟する過程を理解する。
・コドンによる翻訳のしくみを理解する。
12週 ・遺伝子発現の制御 ・ラクトースオペロンについて説明する。
13週 ・遺伝子発現の制御 ・ラクトースオペロンとトリプトファンオペロンの違いを理解する。
・オペロンの付加的な制御について理解する。
14週 ・生化学の技術利用 ・遺伝子組み換え技術や細胞融合技術によるタンパク質の生産について理解する。
15週 ・定期試験 ・9〜14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
16週 ・定期試験内容についての解説 ・定期試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
分化について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。3
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。3
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3
DNAの半保存的複製を説明できる。3
RNAの種類と働きを列記できる。3
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3
解糖系の概要を説明できる。3
クエン酸回路の概要を説明できる。3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000