材料基礎

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料基礎
科目番号 0055 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 前田 良輔

到達目標

1.代表的な金属や無機材料の資源問題、精製法、性質を理解できる。
2.代表的な合成高分子の合成法、性質を理解できる。
3.代表的な天然高分子の由来、性質を理解できる。
4.身の回りの有機化合物の性質や利用について理解できる。
5.代表的な材料の試験法・分析法を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的な金属や無機材料の資源、精製法、性質を理解し、説明できる。代表的な金属や無機材料の資源、精製法、性質を理解できる。代表的な金属や無機材料の資源、精製法、性質を理解できない。
評価項目2代表的な合成高分子の合成法、性質を理解し、説明できる。代表的な合成高分子の合成法、性質を理解できる。代表的な合成高分子の合成法、性質を理解できない。
評価項目3代表的な天然高分子の由来、性質を理解し、説明できる。代表的な天然高分子の由来、性質を理解できる。代表的な天然高分子の由来、性質を理解できない。
評価項目4身の回りの有機化合物の性質や利用について理解し、説明できる。身の回りの有機化合物の性質や利用について理解できる。身の回りの有機化合物の性質や利用について理解できない。
評価項目5代表的な材料の試験法・分析法を理解し、説明できる。代表的な材料の試験法・分析法を理解できる。代表的な材料の試験法・分析法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料として重要な金属、半導体、高分子等について、化学的な特徴を考える。金属材料については、銅やアルミニウムなど身の回りに広く用いられる金属について、その資源や精製法、化学的および機械的な特徴、リサイクルなどを考える。半導体について、その化学的な基礎と性質、用途について考える。高分子材料については、合成高分子と天然高分子にわけて考える。合成高分子についてはその合成法や特徴および環境問題との関係を考え、天然高分子についてはその由来や精製法および特徴を考える。また、材料の評価法や分析法を紹介する。
授業の進め方・方法:
化学の授業で用いる教科書を参考とし、主な講義資料としてプリントを配布する。
注意点:
課題やワークなど提出物の内容、提出期日なども評価に加える。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
周期表と金属元素
授業計画を理解し、周期表における金属元素を理解できること。
2週
-資源と精製法-
銅がどのように精製されるのか、鉱石から純銅になるまでの工程を理解できること。
3週
-性質と利用-
銅の化学的および機械的性質や物性、ならびに利用についてを理解できること。
4週 アルミニウム
-資源と精製法-
アルミニウムがどのように精製されるのか、鉱石からアルミニウムになるまでの工程を理解できること。
5週 アルミニウム
-性質と利用-
アルミニウムの化学的および機械的性質や物性、ならびに利用についてを理解できること。
6週 半導体 半導体の化学的性質ならびに利用について理解できること。
7週 材料の試験・分析法(1) 化学的ならびに機械的な材料の試験・分析法を理解できること。
8週 中間試験
4thQ
9週 答案返却、解説
合成高分子
-身の回りの合成高分子-
身の回りにある代表的な合成高分子を理解できること。
10週 合成高分子
-合成法と性質-
代表的な合成高分子の合成方法と性質を理解できること。
11週 合成高分子
-環境とのかかわり-
合成高分子が環境問題に与える影響を理解できること。
12週 天然高分子
-天然高分子の由来-
天然高分子の種類やその由来を理解できること。
13週 天然高分子
-精製法と性質-
天然高分子の精製法と性質を理解できること。
14週 身の回りの有機化合物
-界面活性剤・食品添加物-
生活の中で毎日のように接している化合物の化学的な性質と利用について理解できること。
15週 材料の試験・分析法(2) 化学的ならびに機械的な材料の試験・分析法を理解できること。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3
高分子の熱的性質を説明できる。3
重合反応について説明できる。2
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。2

評価割合

試験発表演習問題態度課題・レポートその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力50000500100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000