物理化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理化学Ⅲ
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 「Professional Engineer Library 物理化学」、PEL 編集委員会(福地賢治、山根大和、他) 著、実教出版 / 「アトキンス 物理化学要論 (第 6 版)」、アトキンス, Julio de Paula 著、東京化学同人
担当教員 園田 達彦

到達目標

1. ラウールの法則、ヘンリーの法則、ファントホッフ式が理解できる。
2. 反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成の関係が理解できる。
3. 酸定数、塩基定数、脱プロトン化率、プロトン付加率が計算 できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラウールの法則、ヘンリーの法則、ファントホッフ式が理解でき、関連する応用問題が解ける。 ラウールの法則、ヘンリーの法則、ファントホッフ式が理解でき、関連する基礎的な問題が解ける。 ラウールの法則、ヘンリーの法則、ファントホッフ式が理解できない。
評価項目2反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成の関係が理解でき、関連する応用問題が解ける。反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成の関係が理解でき、関連する基礎的な問題が解ける。反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成の関係が理解できない。
評価項目3酸定数、塩基定数が理解でき、複雑な系に関する脱プロトン化率、プロトン付加率、平衡濃度、中和滴定、緩衝溶液の計算に適用できる。 酸定数、塩基定数が理解でき、基本的な系に関する脱プロトン化率、プロトン付加率、平衡濃度、中和滴定、緩衝溶液の計算に適用できる。 酸定数、塩基定数が理解できず、各種計算に適用できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
「物理化学」は化学のもとになっている物理的な原理を取扱い、原子、電子、エネルギーなどの基本的な概念によって、ものの諸性質を説明しょうとする教科であり、無機化学、有機化学、高分子化学、生物化学、化学工学、 反応工学など 化学のあらゆる分野で基本となる骨組みを構成している。4 年次では混合物の性質、化学平衡の原理・応用について学習すると共に、必要な数理的取扱いを習熟させる。
授業の進め方・方法:
講義と並行して演習を行い、理解度を深める。3 年次で学習した「物理化学I」「物理化学II」を復習しておくことにより授業内容をよく理解することができる。
授業の進行に対応して、自学自習にてテキスト等の演習問題を取り組ませ、授業内容の理解と数理的取扱いの習熟を図る。
注意点:
3 年次で学習した「物理化学 I」、「物理化学 II」の科目を復習しておくこと。
物理化学で現れる式や法則・概念のもつ意味を理解できていると共に、数理的取扱いができていること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 6 章 混合物の性質
混合物の熱力学的記述 (部分モル量、理想溶液、理想希薄溶液)
混合物の熱力学的記述 (部分モル量、理想溶液、理想希薄溶液)
2週 6 章 混合物の性質
混合物の熱力学的記述 (部分モル量、理想溶液、理想希薄溶液)
混合物の熱力学的記述 (部分モル量、理想溶液、理想希薄溶液)
3週 6 章 混合物の性質
束一的性質 (沸点や凝固点の変化、浸透)
束一的性質 (沸点や凝固点の変化、浸透)
4週 6 章 混合物の性質
混合物の相図 (揮発性液体の混合物、液体-液体及び液体-固体の相図)
混合物の相図 (揮発性液体の混合物、液体-液体及び液体-固体の相図)
5週 7 章 化学平衡の原理
反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成
反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成
6週 7 章 化学平衡の原理
反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成
反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成
7週 7 章 化学平衡の原理
反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成
反応ギブズエネルギー、標準反応ギブズエネルギー、平衡組成
8週 中間試験
2ndQ
9週 7 章 化学平衡の原理
諸条件による平衡の移動 (触媒の存在、温度の効果、圧縮の効果)
諸条件による平衡の移動 (触媒の存在、温度の効果、圧縮の効果)
10週 8 章 化学平衡の応用
ブレンステッド-ロウリーの理論、プロトン付加・プロトン脱離
ブレンステッド-ロウリーの理論、プロトン付加・プロトン脱離
11週 8 章 化学平衡の応用
ブレンステッド-ロウリーの理論、プロトン付加・プロトン脱離
ブレンステッド-ロウリーの理論、プロトン付加・プロトン脱離
12週 8 章 化学平衡の応用
酸―塩基滴定、緩衝作用、溶解度平衡
酸―塩基滴定、緩衝作用、溶解度平衡
13週 8 章 化学平衡の応用
酸―塩基滴定、緩衝作用、溶解度平衡
酸―塩基滴定、緩衝作用、溶解度平衡
14週 8 章 化学平衡の応用
酸―塩基滴定、緩衝作用、溶解度平衡
15週 期末試験
16週 答案返却、解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4
平衡定数の温度依存性を計算できる。4
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力0000000
専門的能力80020000100
分野横断的能力0000000